「ITを活用した経営に対する日米企業の相違分析」調査 

2013年10月09日
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)のソリューションサービス事業委員会は、IDCジャパンと共同で「ITを活用した経営に対する日米企業の相違分析」調査を実施した。

IMDの競争力ランキング(2013年)において、日本は総合で24位となっており、世界最高水準のIT技術や通信インフラを誇る我が国にとって、その優れた資産を十分に活用することで、国際競争力の更なる向上を図ることが急務となっています。
当事業委員会では今回初めて、企業戦略を担う経営層や事業部門等の「非IT部門の責任者」を対象とした調査を行い、ITに対する「ユーザとしての期待、評価」を明らかにしました。比較の対象としたのは、IMD調査で世界トップとなった米国です。その結果、両国のITに対する期待や認識に大きな違いがあることが改めて明らかになりました。

今回の調査では、経営者およびIT部門以外のマネージャー職以上を対象にアンケートを実施し、日本216社、米国194社、合計410社が回答。

【調査サマリー】

・IT/情報システム投資:「極めて重要」が日本は約16%に対して米国では約75%

・IT予算の増減見通し :「増える」が日本は約40%に対して米国では約80%

・IT予算が増える理由 :日本は「業務効率化、コスト削減」がトップ、米国は「製品・サービス開発」や「ビジネスモデル変革」と攻めの姿勢が顕著

・新規ソリューション:日本は「聞いたことがない/あまりよく知らない」が米国に比べ圧倒的に多い


※新規ソリューション:スマホとビッグデータ、もしくはビッグデータ、ソーシャルメディア等

【調査結果詳細】

 「IT/情報システム投資」に対する姿勢では顕著な違いが出ました。米国では「きわめて重要」が75%に達する一方、日本は16%に留まっています。ITに対する期待では、日本企業が「ITによる業務効率化/コスト削減」をトップに挙げているのに対し、米国は「製品やサービス開発強化」がトップ、これに「ビジネスモデル変革」が続きました。

 ITがもたらした効果については、日本は「社内業務効率化/労働時間減少(44%)」、「社内情報共有の容易化(41%)」が上位2つであったのに対し、米国は「製品・サービス提供の迅速化・効率化(54%)」がトップ、これに続いて「社外情報提供の効率化、提供量増大(34%)」が2位でした。また、今後ITに期待する効果についても、日本は「社内業務効率化・労働時間減少(35%)」、米国は「製品・サービス提供の迅速化、効率化(45%)」がそれぞれのトップでした。

 今後のIT予算についても、米国は80%が「増える傾向」としたのに対し、日本は「増える」が40%、「変わらない」が50%でした。

 今後ITに期待する項目については、日米共に従来から変わっていく傾向が見受けられました。日本は引続き「社内業務効率化(35%)」がトップであるものの、「市場環境の変化に対する迅速な対応(32%)」や「意思決定の迅速化(31%)」、「新規顧客の獲得(27%)」、「顧客の嗜好やニーズの把握(24%)」等、「外部への働きかけ」にIT利用する傾向が見て取れます。米国においても「製品・サービス提供の迅速化、効率化(45%)」が引続きトップですが、「顧客の嗜好やニーズの把握(26%)」や「将来の市場動向、トレンド予測(19%)」等が順位を上げています。これらは、ビッグデータやソーシャルメディアの利用が進むことを想起させます。

 その一方で、「新規ソリューション」の認知度においても、日米で違いが見られました。クラウドやビッグデータについて、日本は「聞いたことがない/知らない」が20%以上だったのに対し、米国ではすべて1桁台以下でした。


【調査概要】
調査時期:2013年6月~7月
企業規模:グローバルで従業員数が300人以上
産業分野:医療、教育、政府/地方自治体、情報サービスを除く全業種

(1)アンケート調査
・調査回答者:経営者、およびIT部門以外(事業部、営業、マーケティング、経営企画)のマネージャー職以上。
・調査形式:Webアンケート
・回答数:日本/216社、米国/194社

(2)ヒヤリング調査
・取材対象:アンケート調査に協力を頂いた方を対象
・形式:直接取材
・取材数:日本/5社、米国/2社

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[電子情報技術産業協会]
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