2014年の旅行動向見通し 

2013年12月20日
JTBは、2014 年の旅行市場についての見通し調査の結果をまとめました。この調査は、1 泊以上の日本人の旅行(ビジネス・帰省を含む)と訪日外国人について、各種経済動向予測、旅行消費者購買行動調査、観光関連動向等から推計したもので、1981 年の調査開始以来 34 回目となります。

【調査結果サマリー】

レジャー・旅行への意欲は持続
訪日外国人数は過去最高の 2013 年を上回る見込み

●国内旅行人数は 2 億 9,150 万人(前年比+0.2%)
●海外旅行人数は 1,780 万人(前年比+2.1%)
●訪日外国人数は 1,180 万人(前年比+14.3%)

【調査結果】

2014 年の環境

1.経済政策の実感が出る年に。前半の駆込み需要と後半の盛り返しに期待

2012 年末から始まった安倍内閣による経済政策により株高・円安傾向となり、2013 年は景況感が好転した年であった。2014 年は、経済政策の効果が実感を伴って評価される年となるだろう。4 月からは消費税が5%から8%に引き上げられるため、増税前の消費全般の駆込み需要が期待される。消費増税後には一旦、反動により消費の停滞期が来る可能性が高いが、企業業績回復のすそ野が広がることに伴う失業率の改善、株高、賞与増など、後半の盛り返しが期待される。

円は緩やかな円安基調が続くと予想され、日本の輸出関連企業の業績回復への足掛かりに、また、訪日外国人数の増加への後押しとなりそうだ。消費マインドとしては、消費増税や原油・原材料高による物価上昇が生活を圧迫することへの不安はあるものの、東日本大震災後の「出来るときにやりたいことをしておきたい」という意識は継続し、節約する部分とお金をしっかりとかける部分とのメリハリ消費がさらに進むと考えられる。

2.三連休は一日減少。ゴールデンウィークは前半と後半に分かれる


2014 年の連休の日並びに関しては、GW・正月を除く週末の 3 連休が 7 回と 2013 年より 1 回少ないものの、2012 年に対しては 2 回のプラスとなる。GWは 4 月 30 日(水)から 5 月 2 日(金)まで平日が 3 日間入るため前半 3 連休と後半 4 連休に分かれ、2013 年と似た日並びである。前半のみ、後半のみで比較的近場で動く人が多いと予想される。
8月の旧盆時期は 8 月 13 日(水)~8 月 15 日(金)が週末と繋がる日並びであり、8 月 16 日(土)、17 日(日)の週末を活用して動く人が増えそうだ。

3.消費増税の影響が懸念されるが、シニアの旅行意欲は底堅い

4月からの消費増税以降しばらくは、旅行者数および旅行に対する支出は停滞する可能性が高い。しかし、当社が 11 月に実施した旅行動向アンケート調査の結果で、今後1年間の国内旅行回数、旅行費用についての意向を年代別にみると、40 代では「回数は増える」という回答が 10.6%なのに対し、60 代では 16.0%あった。また、消費税引き上げの影響については「影響はあるが生活にさほど違いはない」という回答が 60 代では 37.1%、40 代では 21.1%。一方で「税率引き上げ後の生活が心配」は60 代で 28.0%、40 代は 38.8%となった。子供の教育費や家のローンなどを抱える世代は、今後の不安から節約・貯蓄への意向が強まる可能性はあるが、シニアの消費や旅行意欲はある程度底堅いと考えられる。

また、国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2014 年の日本の総人口は約 1 億 2,695
万人(前年比約 30 万人減)であるが、65 歳以上は約 3,313 万人と前年比 119 万人の増加と予測されている。人数が多く、消費や旅行意欲も底堅いシニアが 2014 年の総旅行人数の増加(前年比+0.3%)、平均旅行回数の増加(前年比+0.02 回)に寄与すると考えられる。

4.羽田空港の発着回数増や LCC を含めた航空路線の拡充で空がより身近に

5.モバイル端末や SNS の普及が旅の楽しみ方を変える


2014 年の見通し

(国内旅行)
2014 年の国内旅行人数は 2 億 9,150 万人(+0.2%)、国内旅行消費額は 10 兆 3,900 億円(+5.3%)と推計。旅行人数、消費額共に 2008 年のリーマンショック後では最も高い値。

・2020 年に向けて外資系高級ホテルの開業ラッシュが始まる

・大阪の「あべのハルカス」、東京の八重洲地区や虎ノ門など大型商業施設の開業で都市型レジャーへも注目

・昨年の「サン・プリンセス」に加え、横浜を拠点とした大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の就航で船旅の機会が増える

・鉄子、山ガールに続くのは宙(そら)ガール? 星空への関心も高まる

・地域主体で発信する旅行商品の増加が新しい市場を創る

(海外旅行)
海外旅行人数は 1,780 万人(+2.1%)、海外旅行消費額は 4兆 8,700 億円(+5.2%)と推計。


・羽田空港の国際線発着枠が年間6万回から9万回へ。LCC を中心に新規就航も増え、海外への足が便利になる

・ハワイや東南アジアのリゾートでのんびり、ゆったり。暮らすように過ごす旅も人気

(訪日旅行)
訪日外国人数は 1,180 万人(+14.3%)と推計。訪日旅行の人気の高さ、緩やかな円安基調に支えられ、過去最高の 2013 年から更なる増加を見込む。


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