日本銀行、「生活意識に関するアンケート調査」(第56回) 

2014年01月09日
日本銀行は、「生活意識に関するアンケート調査」(第56回)の結果を発表。

日本銀行では、1993年以降、全国の満20歳以上の個人4,000人を対象に「生活意識に関するアンケート調査」を実施しています。この調査は、日本銀行が別途行っている「企業短期経済観測調査(短観)」のような統計調査とは異なり、生活者の意識や行動を大まかに聴取する一種の世論調査です。

【調査結果】

1-1. 景況感等

1-1-1. 景況感
景況感のうち、現在(1年前対比)については、「悪くなった」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。先行き(1年後)については、「悪くなる」との回答が増加したことから、景況感D.I.は悪化した。なお、現在の景気水準については、「悪い」と「どちらかと言えば、悪い」との回答の合計が減少し、約4割となった。

1-1-2. 景気判断の根拠等
景気判断の根拠については、「自分や家族の収入の状況から」との回答が最も多く、次いで「勤め先や自分の店の経営状況から」、「商店街、繁華街などの混み具合をみて」といった回答が多かった。 金利水準についての見方は、「金利が低すぎる」との回答が増加し、「適当な水準である」、「金利が高すぎる」との回答が減少した。

1-2. 暮らし向き、消費意識

1-2-1. 現在の暮らし向き
現在の暮らし向き(1年前対比)については、「ゆとりがなくなってきた」との回答が減少したことから、暮らし向きD.I.は改善した。

1-2-2. 収入・支出
収入の増減については、実績(1年前対比)は、「減った」との回答が増加し、「変わらない」との回答が減少した。先行き(1年後)は、「減る」との回答が増加し、「変わらない」との回答が減少した。
一方、支出の増減については、実績(1年前対比)は、「減った」との回答が増加し、「変わらない」との回答が減少した。先行き(1年後)は、「増やす」との回答が増加し、「変えない」との回答が減少した。

1-2-3. 雇用環境
1年後を見た勤労者(注)の勤め先での雇用・処遇の不安については、「あまり感じない」、「かなり感じる」との回答が増加し、「少し感じる」との回答が減少した。
(注)勤労者:会社員・公務員(会社役員を含む)およびパート・アルバイトなど。

1-3. 物価に対する実感

1-3-1. 現在の物価
現在の物価(注1)に対する実感(1年前対比)は、『上がった』(注2)、『下がった』(注3)との回答が減少し、「ほとんど変わらない」との回答が増加した。
また、1年前に比べ、物価は何%程度変化したかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+4.2%(前回:+4.0%)、中央値は+3.0%(前回:+2.5%)となった。
(注1)「あなたが購入する物やサービスの価格全体」と定義。
(注2)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。
(注3)『下がった』は「かなり下がった」と「少し下がった」の合計。

1-3-2. 1年後の物価
1年後の物価(注1)については、『上がる』(注2)との回答が減少し、「ほとんど変わらない」、『下がる』(注3)との回答が増加した。
また、1年後の物価は現在と比べ何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+4.9%(前回:+4.9%)、中央値は+3.0%(前回:+3.0%)となった。
(注1)消費税率引上げの影響を除くベース。
(注2)『上がる』は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計。
(注3)『下がる』は「かなり下がる」と「少し下がる」の合計。

1-3-3. 5年後の物価
5年後の物価(注1)については、『上がる』(注2)、『下がる』(注3)との回答が増加し、「ほとんど変わらない」との回答が減少した。
また、これから5年間で物価は現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うかについて、具体的な数値による回答を求めたところ、平均値は+3.9%(前回:+4.1%)、中央値は+2.5%(前回:+2.0%)となった。
(注1)消費税率引上げの影響を除くベース。
(注2)『上がる』は「かなり上がる」と「少し上がる」の合計。
(注3)『下がる』は「かなり下がる」と「少し下がる」の合計。

1-3-4. 物価上昇・下落についての感想
1年前と比べて物価が『上がった』(注1)と答えた人(6割台後半)に、その感想を聞くと、約8割の人が「どちらかと言えば、困ったことだ」と回答した。
一方、1年前に比べて物価が『下がった』(注2)と答えた人(約3%)に、その感想を聞くと、3割台半ばの人が「どちらかと言えば、好ましいことだ」と回答し、3割台前半の人が「どちらかと言えば、困ったことだ」と回答した。
(注1)『上がった』は「かなり上がった」と「少し上がった」の合計。
(注2)『下がった』は「かなり下がった」と「少し下がった」の合計。

1-4. 先行きの地価動向

先行きの地価については、「上がる」との回答が増加し、「下がる」との回答が減少したことから、地価見通しD.I.はプラス幅を拡大した。

1-5. 日本経済の成長力
日本経済の成長力については、「より高い成長が見込める」との回答が増加し、「より低い成長しか見込めない」との回答が減少したことから、経済成長力D.I.はマイナス幅を縮小した。


【調査概要】
調査実施期間 :2013年11月8日(金)~12月4日(水)
調査対象:全国の満20歳以上の個人
標本数:4,000人(有効回答者数 2,241人<有効回答率 56.0%>)
抽出方法:層化二段無作為抽出法
調査方法:質問票によるアンケート調査(郵送調査法)

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[日本銀行]
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