高校教員、大学教員に対する反転授業に関する意識調査 

2014年02月06日
eラーニング戦略研究所は、2014年1月、全国の高校教員、大学教員計100名を対象に、反転授業(※1)に関するアンケート調査を実施した。

(※1) 反転授業
生徒/学生が事前に授業ビデオ(説明型の講義動画)をパソコン・タブレットなどを使って自宅で視聴し、実際の教室では予習でわからなかった点を教え合ったり、応用問題を解いたり、議論や実習などを行う授業のスタイル

【調査結果】

その結果、約半数の教員が反転授業について認識はしているものの、そのうち「反転授業を行っている」は2.4%、「過去に行っていた」は7.3%に留まり、その実施導入率は極めて低いことが分かりました。しかしながら、反転授業を知る教員の約7割が、その導入に前向きであることも明らかとなり、従来の授業スタイルからの脱却や学習効果の向上などの面で、反転授業に対する期待が高まっている様子が読み取れます。

反転授業のメリットとしては、「授業をディスカッションや思考能力育成の時間にレベルアップできる」がもっとも多く、次いで「自宅学習時間の増加」「自宅学習の習慣化」「授業で応用を学べる」「学生/生徒がわからないところを事前に明確にできる」「生徒/学生が自宅で授業ビデオを繰り返し視聴できる」などのポイントが高い結果となりました。

本調査ではそのほか、反転授業の課題やその改善案、MOOCs(※2)などの新しい教育スタイルについての教員の本音などが明らかとなり、反転授業と今後の教育の動向が注目される結果となっています。

(※2) MOOCs
大学などの高等教育機関がインターネットを通じて講義を配信・公開するサービスの総称。場所や時間、費用、学力などの条件に縛られることなく、世界トップクラスの大学の講義や著名な学者による講義などを、多くの場合無料で視聴できる。

【アンケート結果から見るポイント】

■反転授業を「知っている」「聞いたことはある」は41% 意外に知られていない反転授業 
■実施導入率はさらに低く、「現在行っている」「過去に行っていた」合わせて9.7%に留まる

■教員の約7割が「反転授業を行ってみたい」
■反転授業への不安第1位、高校教員は「ビデオ教材作成」、大学教員は「学生が自宅学習をしてこない」

■反転授業最大のメリットは「授業をディスカッションや思考能力育成の時間にレベルアップできる」
■従来の常識を打ち破り、真の学力を伸ばす教育変革へ期待感

■反転授業に興味がない理由は「学習効果への疑問」「事前準備への不安」「環境面が整っていない」など
■「反転授業についてよくわからない」教員も多く、認知度上昇により興味関心が高まる可能性も

■高校教員・大学教員が考える反転授業の課題トップ3は、
■「授業ビデオ作成の負担」「自宅学習の習慣化」「自宅学習のためのネット・端末問題」


【調査概要】
調査期間 :2014年1月10日(金)~1月14日(火)
調査方法 :Webアンケート方式
調査対象 :全国の高校教員・大学教員 計100名
職業別内訳:高校教員50名(50%)、大学教員50名(50%)
性別内訳 :男性84名(84%)、女性16名(16%)
年代別内訳:20~29歳 1名(1%)、30~39歳 19名(19%)、40~49歳 24名(24%)、50~59歳 42名(42%)、60~69歳 14名(14%)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[eラーニング戦略研究所]
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