クールジャパンに関する調査(15歳~49歳男女対象) 

2014年02月12日
東京工芸大学は、全国の15歳~49歳の男女を対象に「クールジャパンに関する調査」をモバイルリサーチで実施、1,000名の有効サンプルを集計しました。

※クールジャパン(Cool Japan)とは・・・
日本の独自性の高いコンテンツや文化が国際的に高く評価されている現象を指し、また、評価されているコンテンツや文化そのものも指す言葉です。具体的には、アニメーション、ゲーム、マンガなどのポップアート、ポップカルチャーを始め、日本の製品、ファッション、建築、料理など、海外から『格好いい』、『カワイイ』、『いけてる』と捉えられるモノを指します。

【調査結果】

== クールジャパン認知状況・イメージ ==
◆ 「クールジャパン」の認知率6割、4年間で倍増
◆ 世界に紹介したい日本文化「日本食」「アニメ」「マンガ」


始めに、“クールジャパン”という言葉の認知状況について、確認を行いました。
全国の15歳~49歳の男女1,000名(全回答者)に対し、“クールジャパン”を知っているか聞いたところ、「内容までよく知っている」は12.6%、「言葉は聞いたことがある」は47.3%となり、合計で認知率は6割(59.9%)となりました。同様の質問を行った前回(2010年時点)の調査結果(認知率29.0%)と比較すると、4年間で認知率が倍増していることがわかります。前回調査を実施した後、経済産業省に“クール・ジャパン室”が設置され(2010年6月)、官民ファンドの“クールジャパン機構”が設立される(2013年11月)などの動きがありました。このような海外市場の開拓に向けた取り組みが活発化している影響もあってか、クールジャパンに対する注目が高まってきているのではないでしょうか。

次に、クールジャパンについての説明を行ったうえで、クールジャパンとして世界に紹介したい日本文化は何か聞いたところ、「日本食」が7割(70.8%)で最も高く、「アニメーション」(67.2%)と「マンガ」(62.8%)が6割台、「工芸品(日本刀・和紙・陶磁器など)」(52.9%)、「伝統芸能(歌舞伎・落語・書道・茶道など)」(51.3%)が5割台で続きました。当初、アニメーションやマンガなどのポップカルチャーがクールジャパンの主な対象とされていましたが、健康食として海外でブームを起こしている日本食や、伝統文化など、日本に住む方が“世界に紹介したい”と感じる魅力的な文化は多岐に渡るようです。

== クールジャパン戦略(海外発信・人材育成) ==
◆ クールジャパン戦略「賛成派」が9割強
◆ 「2020年までにクールジャパンが日本を支える産業になる」6割半が予想


日本の独自性が高いコンテンツや文化の育成・支援を行い、海外へ発信(輸出)していこうとする“クールジャパン戦略”は、世の中ではどのように捉えられているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に対し、クールジャパン戦略を進めていくことについて賛否を聞いたところ、『賛成派』(「どちらかといえば」を含む)が92.1%、『反対派』が7.9%となり、賛成派が大多数を占めました。

また、経済産業省はクールジャパン戦略の中で、“クリエイティブ産業を新たな産業の柱とし、2020年までに世界市場のうち8~11兆円の獲得を目指す”と目標を掲げていることを紹介したうえで、2020年までにクールジャパンが日本を支える産業になると思うか聞いたところ、「なると思う」が18.9%、「多少はなると思う」が45.8%となり、合計で6割半(64.7%)の方は、クールジャパンが日本を支える産業に育つという予想に同意を示しました。

◆ 日本のクリエイティブ産業を育てるために必要な改革は?
「義務教育から発想力を鍛える」5割強、「専門教育機関の設置」4割半、
「制作現場の労働環境改善」4割弱、「クリエイターの賃金アップ」3割強
◆ クールジャパン機構の投資先として期待するのは?
「日本文化発信拠点を海外に構築」5割、「クリエイター支援」4割半、「クールジャパン関連の教育機関」4割強


クールジャパン戦略では、ゲームを除くクリエイティブ産業が貿易赤字であることを問題視しています。この現状から脱却し、クールジャパンが日本を支える産業へと成長するためには、どのような施策が必要だと考えられているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に対し、日本のクリエイティブ産業を育てていくために、どんな“仕組みづくり”が必要だと思うか聞いたところ、「小中学校など、低年齢のうちから発想力を育むような教育科目を設ける」が5割強(52.5%)で最も高くなり、次いで「コンテンツづくりなどを専門的に学べる場所(大学など)を増やす」が4割半(45.3%)、「コンテンツの制作現場の労働環境を改善する」が4割弱(37.4%)、「コンテンツの制作現場で働く人の賃金を上げる」と「もっと国をあげて取り組む(クールジャパン省/庁を設置するなど)」が3割強(ともに33.0%)で続きました。作り手の教育やコンテンツ制作現場の環境整備に関する項目が上位となり、クリエイターの育成や労働環境・条件の改善が重要な課題だと考えられている様子が窺えました。

それでは、クールジャパンの海外発信(輸出)に向けて、具体的にはどのようなアクションを起こしていくのが良いと考えられているのでしょうか。
“クールジャパンを育成・支援するための資金を民間企業と政府が出資し、出資金の規模を1~2年以内に1,000億円へと拡大する計画が進んでいる(クールジャパン機構)”ことを紹介したうえで、クールジャパンを海外発信していくために、どのようなことにお金を使っていくのが良いと思うか聞いたところ、「海外に日本の文化を発信する拠点を作る(アンテナショップ、ジャパン・モールの建設など)」が5割(50.5%)で最も高くなり、次いで「国内のクリエイターや関連する中小企業を支援する」が4割半(45.1%)、「次世代の人材を育成するために、クールジャパン関連の教育機関を作る」が4割強(41.3%)で続きました。海外に発信拠点を設けることや作り手の支援・教育の充実などに資金が投資されることを期待している様子が窺えました。

《その他のリサーチ結果抜粋》
◆ クールジャパンを象徴するキャラは「ドラえもん」「悟空」「トトロ」、10代・20代は「ピカチュウ」や「初音ミク」も支持
◆ クールジャパンなゲーム作品は「ドラクエ」「マリオ」「FF」「ポケモン」
◆ クールジャパンな日本食は「寿司」「刺身」「天ぷら」「味噌汁」、4人に1人が「ラーメンはクールジャパン」と評価
◆ クールジャパンな日本の技術は「安全技術」「トイレ開発」「ゲームハード開発」「先進医療技術」


【調査概要】
・調査タイトル:クールジャパンに関する調査(2014)
・調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする、全国の15歳から49歳の男女
・調査期間:2014年1月17日~22日
・調査方法:インターネット調査(モバイルリサーチ)
・調査地域:全国
・有効回答数:1,000サンプル ※性年代によって均等割付

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[東京工芸大学]
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