「日本酒(紙パック)」の購入理由調査(13年12月~14年1月) 

2014年02月26日
フィールドマーケティング支援サービスを提供するソフトブレーン・フィールドは、クレディセゾンとの共同事業である購買理由データ提供サービスのデータをもとに「日本酒(紙パック)」の購入理由を分析。

本リリースでの分析レポートの対象期間は、年末年始を2013年12月2日~2014年1月5日の5週間。全国の消費者から報告された888レシートデータを基に分析しました。

【調査結果】

◆ヘビーユーザーの支持率は「北関酒造 原酒 ふなしぼり ヨイトマケ」がトップ

日本酒(紙パック)カテゴリーの期間中における購入は888レシートとなりました。購入商品のシェアをブランドごとに見ていくと、1位は「その他」が14.9%、2位は「月桂冠 つき」が9.6%、3位「白鶴 まる」が7.0%、4位は「清洲桜醸造 鬼ころし」が5.7%、5位は「宝酒造 松竹梅 天」が5.5となり、ブランド別では「月桂冠 つき」がトップとなりました。

上位10ブランドを、初めて購入した「トライアルユーザー」、過去に何度か購入したことのある「ライトユーザー」、毎回購入している「ヘビーユーザー」に分類して、購入比率を見たところ、ヘビーユーザーに最も支持されているのは「北関酒造 原酒 ふなしぼり ヨイトマケ」で購入者の43.5%がヘビーユーザー、次点が「月桂冠 つき」で32.9%でした。

◆トライアルユーザーの店頭購入決定率が高いのは1位「その他」、2位「清洲桜醸造 鬼ころし」

その他を含む上位5ブランドについて、購入経験ごとに実際に購入した商品の購入決定タイミング(店に入る前からそのブランドの購入を決めていた、店に入る前から複数の購入候補があり、店頭で決めた、購入予定なく、店頭で見て購入を決めた)を確認したところ、トライアルユーザー、ライトユーザーでは、「店に入る前から複数の購入候補があり、店頭で決めた」が最も高い数字となりました。

異常値がでたのは「月桂冠 つき」のライトユーザーで、「店に入る前からそのブランドの購入を決めていた」と回答した方が25.9%で、「店に入る前から複数の購入候補があり、店頭で決めた」の23.5%を上回りました。その具体的な購入理由を見ると「広告商品で紙パックを購入するとエコだと思うから」(48歳女性・既婚)、「プレゼント応募があったので点数をためているから。おいしい。」(36歳女性・既婚)といったように、チラシ商品として掲載されていたり、キャンペーン中だったというコメントがあがっており、これらの要素がライトユーザーに、店に入る前から購入を決める動機付けになったことがわかりました。

◆各ブランドの購入者ごとに商品の購入決定要素の傾向に差

上位5ブランドからその他を除いた4ブランドの購入者が、購入決定要素として重視する項目については、「量・大きさ」、「飲みやすさ」と答えた方がボリュームゾーンとなりました。

各ブランドごとに、他ブランドよりも高いポイントとなった要素を見ると、「月桂冠 つき」では「成分・原料」で7.1%、「白鶴 まる」では「品質」16.1%、「企業イメージがよい」が12.9%、「清洲桜醸造 鬼ころし」では「香り」が11.8%、「宝酒造 松竹梅 天」では「形状」が10.2%、「広告で知っていた」が12.2%でした。

◆店頭でのプロモーションの打ち出しが「宝酒造 松竹梅 天」の試し買いにつながる

 実際に購入を決定した理由については、全体では「価格がお手頃だったから」、「魅力的な商品特徴があったから」、「いつも買っているからが」上位となりました。

全体と異なる傾向が出たのが「宝酒造 松竹梅 天」で「よく売れていそうだった」が全体33.0%に対し53.1%、「特売・セールされていた」が全体27.8%に対して55.1%、「値段や商品特徴を表す販促物があった」が全体18.1%に対し36.7%、「チラシ商品だった」が全体14.1%に対し28.6%でした。「試し買いしてみたくなった」と答えた方も他のブランドより高い39.8%おり、店頭でのプロモーションの打ち出しが、試し買い意欲につながっていることが数字から推測できます。

具体的な購入理由を見ると、「月桂冠 つき」では、「味がよく、毎日飲むにはいい量だから」(36歳男性・未婚)、「値段が手頃で月桂冠なら、味にはずれはないと思ったので」(47歳女性・既婚)、「成分に酸味料が入っておらず国産米とパックに記載あったので購入。また広告の品で価格がお手頃だった。」(58歳女性・既婚)といったように、値段と中身のバランスがいいといった声が多く寄せられました。

また、レシートシェアランキングでトップだった「その他」ですが、具体的なコメントの中身を見ると、3つの客層に分かれていることが判明しました。

まず1つは、地域性で、「地元の蔵元の製品で、大手と比べて明らかに味が格上だと思います。気に入っているのでいつも買っています。」(40歳男性・既婚)、「せっかく信州に来たのだから地酒を買おうと棚を見ると、以前飲んで美味しかった真澄の紙パックが並んでおり、他の酒より美味しいと思ったから。」(62歳女性・既婚)というように日本酒ならではのコメントが多数見受けられました。

2つ目は、シーズン制で、「お正月用に奮発していつもより高いものを買いました。」(31歳女性・未婚)、「お年賀用に購入しました。先方が辛口、淡麗がお好みなので。」(37歳女性・既婚)といったように、新年を迎えるに当たり、いつもと異なる特別なお酒を購入した層がいることがわかりました。

3つ目は、料理用としての購入で、「3Lという容量の割に値段が980円だったので味が心配だったが、料理に使うことがほとんどなので、たくさん入っていたほうがお得だと配偶者が言うので購入した。」(49歳男性・既婚)、「だし酒として使用するので悩んだ結果、他のものより多少価格が安い商品を選びました。」(41歳女性・未婚)というように、料理酒ではなく日本酒を料理に利用している層の購入としてその他日本酒が選ばれる傾向がわかりました。

年末年始は日本酒の売上の山場となるシーズンです。日本酒はブランドごとにファンがおり、今回のレシートシェアランキングで上位にはいった4ブランドの購入理由を見ても「いつも買っているから」が6割以上と高い数字を示しました。その一方で、具体的な購入理由をみると、「月桂冠 つき」ではキャンペーンの展開がライトユーザーの購入促進に、「宝酒造 松竹梅 天」では店頭での特売・セール売り場の打ち出しでトライアルユーザーを獲得しており、こうした季節に合わせたプロモーションがランキングを上位へと押し上げたと言えそうです。

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[ソフトブレーン・フィールド]
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