ERP市場動向に関する調査 2014 

2014年05月15日
矢野経済研究所は、国内のERPパッケージライセンス市場に関する調査を実施した。
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージとは、財務会計、人事給与、販売管理、生産管理などの基幹業務データを統合する情報システムを構築するための基幹業務管理パッケージソフトウェアを指す。また、本調査におけるERPパッケージライセンス市場では、基幹業務の一部機能のみを持ち、ERPパッケージのモジュール(構成要素)となるパッケージソフトウェアも対象とした。

【調査結果サマリー】

◆2013年のERPパッケージライセンス市場は前年比7.4%増、堅調な伸びを示す
2013年のERPパッケージライセンス市場は1,053億3,000万円(エンドユーザ渡し価格ベース)、前年比7.4%増となった。2桁増であった2012年よりは伸びは鈍化したものの、ユーザ企業の投資は回復しており、市場は堅調な伸びを示している。
好景気が追い風となって企業の投資意欲が上向き、2011年~2012年頃からERPのリプレイスが本格的に拡大している。また、事業拡張、グローバル化、M&Aなど経営環境の変化に対応するための戦略的な投資も増えていると考える。
中小企業向けの同市場の一部では、消費税増税とWindows XPサポート終了による駆け込み需要もみられたが、市場全体に影響を及ぼすほどの規模には至らなかった。

◆2014年のERPパッケージライセンス市場も前年比6.7%増と堅調なトレンドが継続すると予測
ユーザ企業の投資の回復による堅調なトレンドは、リーマンショック後に停滞していたERPへの投資回復が一巡するまで5年程度は継続すると考える。2014年のERPパッケージライセンス市場は1,124億円(エンドユーザ渡し価格ベース)、前年比6.7%増となり、2009年から2016年までの同市場の
CAGR(年平均成長率)は6.3%で推移すると予測する。
市場の傾向をみると、現在は自社開発システムの利用率が高い生産管理システムや販売管理システムへのERPパッケージ適用が進んでいる。また、企業単体ではなくグループとしてIT戦略を構築・実践し、企業グループ全体の経営基盤としてERPを導入する傾向が強い。ガバナンス強化や業務標準化のために、国内企業においては企業グループでの導入、グローバル企業においては海外拠点を含めたシステム導入が進んでおり、ERPへの投資を後押ししている。


【調査概要】
調査期間:2014年1月~2014年4月
調査対象:ERPパッケージベンダー
調査方法:当社専門研究員による直接面談

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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