海に関する国民意識調査 2014 

2014年07月10日
日本海事センターは、海に関する国民の意識の現状を把握し、今後の海事思想の普及に向けた方途を探るため、全国の男女 1,000 名を対象に、郵送による「海に関する国民意識調査 2014」を実施。
この調査は今回で 7 回目の調査となります(2008 年から 2011 年まではインターネット調査、2012 年からは郵送調査)。


【調査結果のポイント】

海との関わり
・「海が好き」と回答した人は昨年から 0.6 ポイント上がって 69.9%。年代別では 10 代が調査開始以来最高の 69.2%。
・プレジャーボートを利用したマリンレジャーをやってみたいと回答した人は全体の 4 割。


○10 代で「海が好き」と回答した人は 69.2%(昨年は 56.9%)と急上昇(過去の調査において最高は2009 年の 66.7%、最低は 2013 年の 56.9%)。

○海が好きな理由として最も多い回答は、「落ち着く/癒される/安らぐ/心が和む/リラックスできる/安心感がある」(149 件)。一方、海が嫌いな理由として最も多い回答は、「汚い/汚れる/臭いが嫌/ベタベタする」(42 件)。

○「海」と聞いて連想するものは「レジャー」(53.9%)と他の回答に比べて突出。

○「船に乗ったことがあるか否か」の設問に、過去一年で船に乗ったことがあると回答した人は28.8%で昨年より 3.7 ポイント上昇。60 代では 3 人に 1 人強が乗ったことがあると回答。

○今回初めて行った「ヨット、モーターボート、水上オートバイなどのプレジャーボートを利用したマリンレジャーをやってみたいと思いますか」の設問に、“やってみたい(ぜひやってみたい/やってみたい)”と回答した人は 40.0%。特に 10 代(28.2%)、20 代(25.0%)が高く、「ぜひやってみたい」と回答した人はそれぞれ 3 割弱。「すでにやっている」と回答した人はわずか3.3%。

○マリンレジャーにチャレンジできない理由としては、「費用が掛かるから」(56.0%)、「きっかけがない」(54.8%)が半数以上。


「海の日」や「海の月間」に対する意識
・「海の日」「海の月間」の認知度を高めるためには、新たな行事・活動の提案が必要。


○「海の日」「海の月間」に催されるイベントについては、昨年から「海にちなんだ花火大会」など海との関連を強調して選択肢を並べているが、昨年と同様に最も認知されているイベントは「海にちなんだ花火大会」であったものの、「海の絵画コンクール・フォトコンテスト」以外はすべて低下。「どれも知らない」が 42.6%。

○イベントの情報をどこから入手したかという設問には、「テレビ」、「新聞」、「ポスター」の順となっており、昨年から上位 3 位に変動はないものの、全体の認知度は低下。その中で「海に関した専門誌」、「書籍/専門誌以外」、「パンフレット・チラシ・冊子」は上昇の傾向が見え、電子媒体よりも紙媒体のものの方が認知経路としては目に入りやすいことが伺える。年代別にみると、10 代では「ポスター」(41.9%)、60 代では「新聞」(67.1%)との結果から、同じ紙媒体でも年代に応じたアプローチの方法を考えていくことが課題。

○「海の日」「海の月間」に催されるイベントについて、今後参加してみたいものを聞いたところ、「海にちなんだ花火大会」(48.0%)が圧倒的に多かった。しかしながら、「参加したいものはない」(18.4%、昨年より 7.2 ポイント上昇)と参加意向が徐々に低下の傾向があることから、新たな行事・活動の提案の工夫が望まれる。


海事教育に対する意識
・水難事故の原因として考えられるのは「海の危険に対する認識不足」「警告無視等の違反行為」「飲酒後の海水浴」。


○昨年と同様、「海の危険に対する認識不足」(86.9%)を 8 割以上が挙げており、突出する結果となった。続いて 2 位に「警告無視等の違反行為」(46.1%)、3 位に「飲酒後の海水浴」(32.2%)。4 位と 5 位はそれぞれ若干比率を上昇させた「保護者の不在」(26.4%)、「救命胴衣の未着用」(22.1%)。

○ここ 4、5 年で自分又は家族が海事教育を体験した人の割合は全体の 23.6%。

具体的には、「乗船体験」(9.2%)、「学校での授業」(8.0%)、「海洋施設や船の見学会」(6.0%)が上位に挙げられており、昨年より順位に変動はないものの、「体験したことがない」が 7 割を超え、年々“未体験”が増加傾向にある。

○海事教育に積極的に取り組んでほしいと思う主体については昨年と同様、1 位は「学校」(59.1%)。続いて 2 位が「海関係の団体」(40.9%)、3 位が「地域」(33.1%)。


日本の海運に対する意識
・海運(海上輸送)は「とても重要だと思う」「重要だと思う」「まあ重要だと思う」の合計は 85.0%(昨年より 3.3 ポイント低下)。


○海運を重要と回答した理由については、1 位は「島国だから/海に囲まれているから/海洋国家だから」が圧倒的。続いて「輸出入にとって必要/貿易にとって必要」、「大量輸送が可能」が上位で例年同様。

○海運は他の輸送・交通手段に比べて、環境に優しいと認識している人は半数以下(47.7%)で、その正解率は低下傾向にある。また、海運の環境対策への取り組みの認知度は約 4 割にとどまる。

○海賊問題の認知度は全体では 78.2%と高い。年代別で最も高いのは 50・60 代が約 9 割、続いて 30・40 代が約 7 割で、一番低いのは 10 代で約 6 割。


海の職業と施策に対する意識
・船員の役割・重要性の理解向上と海事産業の人材育成・人材確保のための継続的な取り組みが必要。
・もっと知りたい海事産業は、「海洋資源・開発」が約 5 割、続いて「海運業」「造船業」。
・必要な“海”の取り組みのキーワードは“安全”、“環境”、“資源”。


○“海の職業”の認知度は、1 位は昨年の 2 位から順位を上げた「海上自衛官」(75.7%)、2 位は昨年 1 位だった「海上保安官」(72.2%)、3 位は昨年同様「船員(含:船長、航海士、機関長、機関士、通信士)」(71.2%)、4 位と 5 位は新たに選択肢に加えた「漁業従事者」(58.8%)、「マリンスポーツ従事者」(44.8%)、6 位は昨年より 5.8 ポイント上昇の「造船技術者」(41.5%)、7 位は「水先人(パイロット)」(27.1%)。

○海事産業の重要性に関する設問で「重要だと思う」と回答した人は 9 割。もっと知りたい海事産業は、1 位は「海洋資源・開発」(47.9%、昨年より 3.8 ポイント低下)。続いて「海運業」(35.0%、5.7 ポイント上昇)、「造船業」(25.1%、4.3 ポイント上昇)など、海事産業と呼ばれている業種への関心が高まっている。

○今後必要な海に関する取り組みとして、「海の安全確保」(62.0%、昨年より 5.2 ポイント上昇)、「船舶の安全航行」(62.0%、10.5 ポイント上昇)、「海の自然災害対応」(55.9%、3.1 ポイント上昇)、昨今“マグロ・ウナギ”などが話題となっており今回新たに選択肢に加えた「海洋漁業資源の保護・確保・育成」(55.3%)、「海洋環境保全」(52.2%、3.6 ポイント低下)、「海洋資源の開発・利用」(52.0%、4.5 ポイント低下)の 6 つの項目はそれぞれ 50%を超えている。


【調査概要】
・調査対象者 :全国の 15 歳~69 歳の男女
・調査期間 :2014 年 5 月 20 日~6 月 5 日
・有効回答 :1,000 名(男:473 名、女:527 名)
・全体年齢層 :10 代(7.8%)、20 代(12.0%)、30 代(18.3%)、40 代(19.6%)、50 代(18.6%)、60 代(23.7%)
・地域分布 :北海道(5.6%)、東北(6.1%)、関東(33.8%)、甲信越(3.4%)、東海(12.5%)、北陸(2.5%)、近畿(17.0%)、中国(8.0%)、四国(3.3%)、九州(7.8%)

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