格安SIMカードに関する調査 

2014年06月30日
インプレスビジネスメディアのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、NTTコム リサーチと共同で、MVNO(仮想移動体通信事業者)の格安SIMカードに関する調査を実施


【調査結果のハイライト】

■格安SIMカードの認知度は27.4%、利用率は4.8%
格安SIMカードの認知度は、「よく知っている/人に説明できる」が7.7%、「だいたい知っている」が19.7%となり、両者を合わせた認知度は 22.8%となりました。また、格安SIMカードの認知者に利用状況を聞くと、17.5%(調査対象者全員の4.8%)が「現在利用している」と回答し、 5.3%(調査対象者全員の1.4%)が「過去に利用したことがある」と回答しています。格安SIMの利用者はまだ限定的と言えます。
また、女性より男性の方が認知度は高く、利用率は男性30代が9.5%で最も高く、男性20代が8.2%、男性50代が7.8%となっています。

■半数のユーザーがスマートフォン(Android)で利用
格安SIMカードの利用者に利用状況を聞いたところ、格安SIMカードを挿して利用している端末は、「スマートフォン(Android)」が 49.3%と約半数で、以下、「タブレット(Android)」、「iPhone」、「モバイルWi-Fiルーター」と続いています。
また、利用している端末の購入は、「SIMフリーの端末を新規に購入」が37.7%、「オークションや店舗等で中古の端末を購入」が26.1%、「過去に携帯電話会社との契約で利用していた端末」が24.6%となっています。
月額の利用料金では、46.4%が「501円~1000円」と回答しており、500円以下の利用者も合わせ半数が月1000円以下という格安の料金で利用しています。また、2000円以下の累計で7割を超えています。
格安SIMカードは、ほとんどのプランで格安の代わりに高速通信可能なデータ通信量に制限がありますが、この制限を超過した経験を聞いたところ、制限を超えた経験が「ない」が65.2%と三分の二を占め、制限を超えた経験があるのは三分の一となっています。

■格安SIMを利用しない理由は、「通信量の制限」と「新たな端末が必要」がトップ2
一方、「検討したが利用していない」と回答した人にその理由を聞いたところ、「通信量の制限がある」が28.2%で最も高く、「利用できる端末を新たに入手する必要だった」が28.2%、「携帯電話会社との契約が残っている」が25.6%と僅差で続いています。
また、格安SIMカードの認知者に、端末の入手に対する不満を聞いたところ、「SIMフリーで魅力的な端末が少ない」が32.3%、「対応する端末がわかりづらい」が31.2%、「SIMフリーで魅力的な端末が高い」が23.7%となっています。

■非利用者の興味関心度は28.1%
格安SIMカード非利用者に対して、格安SIMカードの概要を簡単に説明した上で興味・関心の有無を聞いたところ、「非常に興味・関心がある」が6.4%、「興味・関心がある」が21.7%となり、格安SIMカードに興味・関心度は合わせた28.1%となりました。

■総括
スマートフォンなどのモバイル機器のデータ通信料金を節約できるとして注目が集まっているMVNOの格安SIMカードですが、認知度は 27.4%、利用率は4.8%と、ともにまだ限定的な状況です。一方で、簡単な説明を加えた上での非利用者の興味関心度は28.1%となり、今後、サービ スの認知が広がれば興味関心や利用率も上がる可能性があります。また、利用に至らなかった理由で「通信量の制限」がトップに上げられていますが、利用者の 三分の二は制限を超えたことが無いと回答しており、頻繁に制限されているユーザーは11.6%に過ぎません。自分にあったプランを選択することで、格安 SIMカードをうまく利用しているユーザーが多いことが推測されます。ただ、利用する端末については課題が残っています。格安SIMカードを挿す端末の入 手にあたっては、端末の少なさや対応端末のわかりづらさ、価格面で不満に思うユーザーが多く、阻害要因となっていると推測されます。


【調査概要】
調査対象:NTTコム リサーチの保有する消費者モニター
有効回答数:1,106サンプル
サンプリング:性年齢階層別インターネット利用人口構成比に整合するように抽出
調査手法:ウェブアンケート
調査期間:2014年6月17日(火)~6月19日(金)
調査企画:株式会社インプレスビジネスメディア インプレス総合研究所
調査実施機関:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

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