東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場動向調査 

2014年07月30日
CyberZは、シード・プランニングと共同で、東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場動向調査を行いました。

【調査概要・調査方法について】

本調査の対象国・地域は、アジアの中でも特にスマートフォンの普及率および周辺サービスの利用者が急速に拡大している、日本・中国・韓国・台湾・香港を対象としております。調査方法については、現地企業へのヒアリングおよび、関連市場の調査によって国別動向や市場規模予測を算出しております。また、市場規模の定義は、対象国・地域内におけるスマートフォンゲームの売上高および、対象国・地域外のゲーム会社によるスマートフォンゲームの売上高を合算したものとし、推計により算出しております。なお、本調査におけるスマートフォンゲームとは、ユーザーがスマートフォン端末上でプレイするゲーム全般を示し、スマートフォンネイティブアプリやスマートフォンブラウザゲーム、タブレット端末上でプレイするゲームも含まれています。調査結果は、下記の通りです。

【1】 東アジアのスマートフォンゲーム市場規模(2012年-2016年)
2013年の東アジアスマートフォンゲーム市場規模は、9,168億円、前年比191.3%へ拡大
成長率トップは台湾、次いで中国。市場規模における構成割合は日本が59.6%と最も大きい結果に。

東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場では、スマートフォン端末の普及とともに、GooglePlayをはじめとしたプラットフォームの課金基盤が整備された、スマートフォンゲームユーザー数が急速に拡大し、一人当たりの課金額も大きく増加しました。2012年から2013年にかけては、各国・地域において、気軽にプレイできるパズルゲームやランニングゲーム、パズルにRPG要素を兼ね備えたゲームタイトル等がヒットタイトルとなり、LINE、WeChat、カカオトークなど数億人規模のユーザーを有する無料通話・メッセージアプリやFacebookが、スマートフォンゲームを急速に普及させる役割を担いました。また、大手IT事業者がスマートフォン向けゲームプラットフォーム事業への注力を本格化し、ユーザーがスマートフォンゲームに対して課金する環境が整備されるとともに、大手ゲーム会社の参入が相次ぎ、様々なジャンルのスマートフォンゲームの提供が進みました。この結果、東アジアにおけるスマートフォンゲーム市場規模は9,168億円、前年比191.3%と急成長しました。国・地域別動向は以下に記載します。

【2】 中国のスマートフォンゲーム市場
2013年の中国スマートフォンゲーム市場は2,100億円、対前年比247.1%。
東アジアのスマートフォンゲーム市場規模における中国の構成割合は22.9%。

中国では2012年頃より、国内携帯電話メーカーによる高スペックで低価格なスマートフォン端末の普及が急速に進み、2013年のスマートフォン契約数は4億台を突破し、スマートフォンゲームユーザーは3億人規模と想定されています(※5)。中国国内では、Google Playが実質的に提供されておらず、BaiduやQihoo360、UCWeb等、独自の課金決済機能を持つスマートフォンゲームプラットフォームが数多く存在しており、ユーザーの多くはこれらのプラットフォームからダウンロードして遊ぶ傾向にあります。2013年には、大手IT事業者によるスマートフォンゲームプラットフォーム事業への注力が本格化し、ユーザーの課金環境が整いました。2012年中頃より人気を博しているカードバトルゲームや、PCオンラインゲームにおいても高い人気を持つMMORPGゲーム、そしてポーカーゲームなどの課金性向の高いジャンルのゲームがユーザーから大きな支持を得ました。この結果、ユーザー数の増加とともに、一人あたりの課金額が増加しました。2013年後半には、数億人規模のユーザーを有するTencent社の無料通話・メッセージアプリWeChatがスマートフォンゲーム事業を開始したことにより、同アプリ上のユーザー同士のつながりを介して、スマートフォンゲームの普及が促進されました。これらを背景に、2013年の中国スマートフォンゲーム市場は2,100億円、対前年比247.1%に達しました。

【6】 日本のスマートフォンゲーム市場
2013年の日本スマートフォンゲーム市場は5,468億円、対前年比178.0%。
東アジアのスマートフォンゲーム市場規模における日本の構成割合は59.6%。

日本は、東アジアで最もスマートフォンゲーム市場規模が大きい国です。人口約1.3億人(※9)に対する普及率は5割を超え、東アジアにおいては普及率の伸びしろが最も高いといえます。スマートフォンが普及する以前より、フィーチャーフォンにおけるブラウザゲーム市場が形成され、世界的に見ても特殊な市場構造をしています。ブラウザゲーム市場は、2012年頃よりスマートフォンへの市場移行が進んでいます。また、2012年後半より、ネイティブアプリゲームの普及が急速に進み、2013年にはパズルRPGゲームが国民的なヒットタイトルとなり市場の拡大をけん引しました。日本においても、FacebookやLINEなどのソーシャルメディアがスマートフォンゲームの普及に大きな役割を果たしました。2013年の日本スマートフォンゲーム市場は5,468億円、対前年比178.0%に達しました。

【7】 2014年以降の東アジアのスマートフォンゲーム市場
2014年の東アジアスマートフォンゲーム市場は、1兆2,454億円、対前年比135.8%。
2017年には、2013年の約2.4倍、2兆円規模に到達する見込み。

2014年の東アジアスマートフォンゲーム市場は、日本・中国におけるスマートフォンユーザー数の増加や、各国・地域におけるユーザー一人あたりの課金額の増加により、グローバル市場を牽引する高い成長率で市場が拡大することが見込まれます。幅広く普及しているソーシャルメディアを強力なチャネルとして、これまでのカジュアルゲームに加え、課金性向が高いRPGなどのミッドコアゲーム(※10)が普及し、市場拡大の後押しをすることが予想されます。日本と中国は、引き続きスマートフォン端末の普及によるスマートフォンゲームユーザーの増加が市場の成長を後押しすることが予想されます。日本は、2013年時点で1,400億円規模(※11)と推測されるフィーチャーフォンゲーム市場などの需要を取り込みながら、市場は順調に成長することが予想されます。韓国は、国内市場においてはソーシャルメディアをチャネルとしたスマートフォンゲームの普及は既に一巡しており、成長率は2013年と比べると緩やかになると考えられます。2014年は、RPGゲームが、多様なチャネルを通して普及し、堅調な市場成長が予想されます。香港は、グローバル展開をするゲーム会社のパイロット市場として、多くの国・地域から魅力的なゲームタイトルが集まり、高い水準の成長が進むことが予想されます。台湾は、香港と同様の言語圏であり、強い市場関連性があるとみられ、国内のみならず日本を含む東アジア域内外の多くの国・地域のゲームタイトルの普及が市場の成長を後押し、高水準で市場成長が進むことが予想されます。

2015年以降は、日本・中国におけるスマートフォンの普及進展や、各国・地域における大手IT事業者によるゲームの課金・決済機能の充実化、流通基盤の整備が進み、既存のPCオンラインゲーム市場の一定割合がスマートフォンへと移行することなどにより、市場は拡大を続けることが予想されます。域内におけるスマートフォンゲームの相互流通が加速することにより、各国・地域においてユーザーは様々な国・地域のゲームで遊ぶことが出来るようになると考えられます。この結果、2017年の東アジアのスマートフォンゲーム市場は2013年の約2.4倍、2兆1,705億円に達すると推測されます。


【調査概要】
調査主体:株式会社CyberZ
調査時期:2014年1月から2014年6月
調査方法:スマートフォンゲーム市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォンゲーム市場
調査機関:株式会社シード・プランニング

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[CyberZ]
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