平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査 

2014年08月29日
厚生労働省は、平成24年高齢期における社会保障に関する意識等調査を実施。
高齢化の進展に伴い、我が国の社会保障給付費は毎年増加を続けており、そのうち約7割が年金、高齢者医療、介護をはじめとする高齢者に対する給付となっている。そこで、本調査においては、老後の生活感や社会保障に係る負担のあり方などについての意識を調査することで、社会保障制度改革を始めとした今後の厚生労働行政施策の企画・立案のための基礎資料を得ることを目的とした。の20歳以上の世帯員を調査対象とした。

【調査結果】

1 老後感
・「老後生活」のイメージは5割以上が年金受給生活


老後の生活といった場合、どういう生活を思い浮かべるかについては、「年金を受給するようになった生活」が最も多く 54.0%、次いで「仕事から引退したり、仕事を人に任せるようになった生活」が 38.4%、「老化に伴い体の自由がきかなくなった生活」が 34.7%、「子どもが結婚したり独立した後の生活」が 14.3%となっている。性別にみると、男性女性ともに「年金を受給するようになった生活」の割合が最も多くなっているが、次に多いのは、男性では「仕事から引退したり、仕事を人に任せるようになった生活」で 46.6%となっているのに対し、女性では「老化に伴い体の自由がきかなくなった生活」が 36.6%となっている。

年齢階級別にみると、いずれの年齢層においても「年金を受給するようになった生活」が最も多くなっている。「仕事から引退したり、仕事を人に任せるようになった生活」や「子どもが結婚したり独立した後の生活」については、若い世代で多くなっている。
また、「老化に伴い体の自由がきかなくなった生活」「配偶者と死別した生活」「生涯現役と考えているので、現役と特に変わるところはない」「家事を人に任せるようになった生活」については、高年齢層で多くなっている。

2 老後とは何歳からか
・老後は「65 歳から」と「70 歳から」に分かれる


何歳ぐらいから老後と考えるかについては、「70 歳から」が 32.0%、「65 歳から」が 28.6%と、ほぼ同じ割合になっている。年齢階級別にみると、他の年齢層に比べ、若い世代では「60 歳から」の割合が多くなっているのに対し、高年齢層では「75 歳から」「80 歳以上」の割合が多くなっている。

3 老後の不安
・最も不安なのは健康


老後において最も不安に感じるものは、「健康の問題」が最も多く 45.7%、次いで「生活費の問題」が 35.1%となっている。年齢階級別にみると、若い世代では「生活費の問題」の割合が多くなっているのに対し、高年齢層では「健康の問題」の割合が多くなっている。

4 就労希望年齢
・生涯働き続けたいとする者が約8%


何歳まで働きたいかについては、「65 歳まで」とする者が 27.3%、「60 歳まで」とする者が19.6%、「70 歳まで」とする者が 17.6%となっている。また、「生涯働き続けたい」とする者は 7.7%となっている。
年齢階級別にみると、年齢が高くなるにつれて、働きたいとする年齢が高くなっている。

5 老後の働き方
・日数や時間を減らしたいとする者が約5割


老後に働く場合、どのような働き方を希望するかについては、「働く日数を減らしたり、時間を短くして働きたい」の割合が 53.2%、「老後は働かずに過ごしたい」が 27.3%、「現役世代と同じようにフルタイムで働きたい」とする者は 5.6%となっている。

6 老後の収入源
・最も頼りにするのは公的年金


老後の生計を支える手段として最も頼りにする(1番目に頼りにする)収入源は、「公的年金」が最も多く 59.5%、次いで「自分の就労による収入」が 16.7%となっている。年齢階級別にみると、65 歳以上では「公的年金」が8割弱を占めているが、若い世代では「自分の就労による収入」「貯蓄または退職金の取り崩し」「配偶者の就労による収入」など、「公的年金」以外の割合が多くなっている。
これを世帯の生活意識の状況別にみると、ゆとりがあると感じている世帯層では、他の世帯層に比べ「貯蓄または退職金の取り崩し」「家賃や銀行の利子などの資産収入」の割合が多くなっている。

また、老後の生計を支える手段について、1番目に頼りにするものと2番目に頼りにするものの組合せをみると、「公的年金」と「貯蓄または退職金の取り崩し」を選択した者の割合が25.3%と最も多くなっており、次に「公的年金」と「自分の就労による収入」を選択した者が9.5%となっている。

7 老後の生きがい
・老後の生きがいは教養・趣味を高めること


老後の生活の中で生きがいを感じることは、「教養・趣味を高めること」が最も多く 46.5%、次いで「子どもや孫の成長」が 43.0%、「家族との団らん」が 35.7%となっている。
性別にみると、男性は「教養・趣味を高めること」が 46.1%で最も多く、女性は「子どもや孫の成長」が 46.9%、「教養・趣味を高めること」が 46.8%となっている。また、「働くこと」「スポーツをすること」の割合は男性の方が多く、「子どもや孫の成長」「友人や地域の人との交流」の割合は女性の方が多くなっている。
年齢階級別にみると、「教養・趣味を高めること」「子どもや孫の成長」「家族との団らん」は若い世代で多くなっているのに対し、「友人や地域の人との交流」「働くこと」「地域活動への参加」は高年齢層で多くなっている。

8 老後生活における子どもとの同・別居について
・子どもとの同居希望が減少傾向


現在、子どものいる者について、老後生活での子どもとの同居意識をみると、同居を希望する者は 27.1%となっており、過去の調査結果と比べると、減少傾向となっている。
同居を希望する者の内訳をみると、条件なしで「同居したい」とする者が 15.7%、「元気なうちは別居し、病気になったら同居したい」が 6.7%、「配偶者がいなくなったら同居したい」が 4.7%となっている。
一方、別居については、「子どもが近くにいれば別居でもよい」が 38.3%、条件なしで「別居したい」が 11.0%となっており、合わせて 49.3%を占める。
年齢階級別にみると、同居を希望する者の割合は、40 歳代が最も少なく、70 歳以上が最も多くなっている。

9 年をとって生活したいと思う場所
・年をとって配偶者がいなくなり一人となった場合、在宅で生活したい者が約8割


年をとって「配偶者がいなくなり一人となった場合」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」(68.3%)などの在宅での生活を望む者が 80.9%となっている。
年齢階級別にみても、すべての年齢階級で「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」が大きな割合を占めている。

・介護を必要とする場合、在宅で生活したい者が約4割、施設が約3割

年をとって「介護を必要とする場合」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」(18.7%)などの在宅での生活を望む者が 43.1%、「特別養護老人ホームなどの施設」が 29.8%、「病院などの医療機関」が 9.2%となっている。年齢階級別にみると、すべての年齢階級で「特別養護老人ホームなどの施設」が多くなっている。

・人生の最後をむかえるときは、在宅で生活したい者が約4割、医療機関が約3割

年をとって「人生の最後をむかえるとき」にどのような場所で生活したいかについては、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」(37.5%)などの在宅での生活を望む者が 41.3%、「病院などの医療機関」が 27.9%となっている。
年齢階級別にみると、年齢階級が上がるにつれ、「住み続けた自宅(子どもの家への転居を含む)」の割合が少なくなり、代わりに、「病院などの医療機関」の割合が多くなっている。


【調査概要】
・調査の対象:平成24年国民生活基礎調査(所得票)の対象単位区から無作為に抽出した360単位区内のすべての世帯の20歳以上の世帯員を調査対象とした。(注)平成24年国民生活基礎調査は、東日本大震災の影響により、福島県を対象から除いたものとなっている。
・調査の実施日: 平成24年7月12日(木)
・調査の方法:あらかじめ調査員が配布した調査票に、調査対象となった世帯員が自ら記入し、後日調査員が回収する方式(留置自計方式)により実施した。

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[厚生労働省]
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