「企業のブランディング」に関する意識・実態調査 

2014年09月01日
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、「企業のブランディング」に関する取り組みについて調査をおこないました。
「ブランドイメージを形成する企業の取り組み」に注目。実際にこうした領域の業務に携わる、広報/IR、人事、総務などの、バックオフィス業務担当者500名を対象として、「企業のブランディング」に関する意識・実態調査を実施。

【調査結果】

◆企業ブランドを形成する要素、「商品・サービス」に加えて重視されるポイントとは?

企業のブランドイメージとは、どのように作られるのでしょうか。はじめに、今回の調査対象であるバックオフィス業務の担当者に、「企業のブランドにとって大切だと思うポイント」を聞きました。その結果、63%と、もっとも多くの人が選んだのは、「商品・サービス」という回答。企業活動の根幹であり、顧客との接点である「商品・サービス」は、企業のイメージを形成する中心的な要素であると言えるでしょう。
一方で、「商品・サービス」以外に多かったのは、「広報活動」(35%)や「コーポレートロゴ」(28%)、「採用活動」(25%)などの回答。バックオフィス業務の担当者たちは、「商品・サービス」だけではなく、自らが携わるバックオフィスの領域も、企業のイメージにとって大切な要素であると考えていることが分かりました。

また、その理由を自由回答形式で聞いたところ、「顧客にとって良い商品を提供することが第一だが、並行して正確な情報を提供することも重要で、この2点は甲乙つけることはできないから」(49歳・男性・人事)や、「最高の商品の提供は、それ相応の社屋や広報活動などの基盤があってこそ成立すると思うから」(27歳・男性・財務/会計/経理)、「商品で利益を得ることは大事だが、それに留まらず、社会活動・貢献をしなくては持続する企業にはなれない時代だから」(34歳・女性・総務)といった回答が寄せられました。企業の顔となる広報活動はもちろん、採用活動、CSRなど、社会との接点となる企業活動も、ブランドイメージを高める上で大切な要素です。また、バックオフィス領域の業務を通じて「商品・サービス」の価値を守ることでブランド形成に貢献できるという意見も見られました。

◆ブランディングにつながるのは、「顧客目線」の改善と進化

このように、ブランドイメージは「商品・サービス」を中心に、様々な要素により形成されます。バックオフィス領域の業務も、その大切な1要素です。そこで、企業のバックオフィス業務の担当者として他企業の取り組みを見た際に、他企業のどういった考え方・ポイントを特に参考にしているかも調べたところ、上位2項目には、「信頼性が高い」(42%)と「消費者・顧客のことを考えている」(41%)という回答がほぼ同率で並びました。一方、顧客との関係性を示すこれらの回答とは異なり、次点以降には、「安定感がある」(35%)、「チャレンジングである」(29%)と、企業の取り組みに対する姿勢を示す回答が続いたことも特徴的です。

さらに、その具体的な理由をたずねると、「お客様のことを考えた徹底的な社員教育があるから」(29歳・女性・総務)、「顧客のニーズに常に対応しているから」(49歳・女性・人事)といった回答が多く見られました。顧客目線に立って取り組みをおこなっていることが、外部から見ても分かるというのが1つのポイントであると言えるでしょう。
また、「大企業で安定性があるのに、変革が絶えず進んでいるから」(29歳・男性・法務)、「新たな市場に対してのアプローチがチャレンジングだから」(40歳・男性・法務)、「昔のブランドイメージを守りつつ、躍進していっているから」(48歳・女性・財務/会計/経理)といったように、変化に対する積極的な姿勢が支持される傾向があるようです。消費者のニーズは常に変化するものです。顧客のことを考えれば、その時々に求められることに応じて、企業も変わり続けねばなりません。そうした取り組みを続けることで、企業への信頼は生まれます。信頼の上に成り立つ安定感を維持しつつも、現状に満足せずにさらなる改善のためにチャレンジし進化していくことが、企業のブランドイメージにとって重要だと考えられているようです。顧客視点に立ち、「信頼性」と「チャレンジ精神」のバランスを安定して保つことにより、より良いブランドイメージを作り上げられると考えられます。

◆ブランド確立のカギは「信頼性」と「チャレンジ精神」…変革に前向きな企業は少数派?

こうした改善に取り組むためには、企業は様々な変化に直面しなければなりません。そこで、「変革に対して、自社は前向きであると感じますか?」と聞いたところ、「感じる」と回答した人は3割程度(35%)にとどまりました。約7割の人が「感じない」と回答しており、その理由としては、「保守的で、客観的視点や外部の情報を取り込んで活かそうとしないから(38歳・女性・広報/IR)」、「よくも悪くも保守的な会社だから(31歳・男性・財務/会計/経理)」といった声が多く寄せられました。自身で注力したいことはあるものの、企業としては動きづらい体制であると感じている人は多数いるようです。

一方で、前向きであると感じている人の意見としては、「次々と新しいもの・ことにチャレンジしているので」(46歳・女性・広報/IR)に代表されるように、変わり続けることに積極的な姿勢を支持するコメントが目立ちます。同時に、「昔ながらの価値観も大事にしつつ、グローバル環境で日本人以外とも共有できるものに変えようとしているため」(35歳・男性・人事)など、ここからも、チャレンジし続ける姿勢を持つことが重視されているように見受けられます。「今がちょうど、変革のタイミングであるから」(47歳・女性・総務)といった、今まさに変革をしている途中であるというコメントも多数あり、企業の変革がポジティブに受け止められている実態が明らかとなりました。
「信頼性」と「チャレンジ精神」。この2点が企業のブランドイメージを作り上げる上で、大切な要素であると言えるでしょう。


【調査概要】
・調査名:「企業のブランディング」に関する意識・実態調査
・調査対象:20代~40代 男女500名 (年代別に均等割付け)
 ※企業のバックオフィス業務に携わっている方 (職種:人事・広報/IR・受付・法務・総務・財務/会計/経理)
・調査期間:2014年8月7日(木)~2014年8月10日(日)
・調査方法:インターネット調査

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