オウチーノ総研は、20~39歳の未婚女性443 名と、子どもがいる 40~65歳の既婚女性 663 名を対象に「『仕事と結婚・出産』に関するアンケート調査」を行った。まず、「仕事で『管理職』になりたいと思っていますか?」と聞いたところ、未婚・既婚子持ち女性ともに「なりたい」と回答したのは10%未満だった。次に、20~39 歳未婚女性に、「あなたは、仕事と結婚・出産についてどう考えますか?」という質問をしたところ、46.1%は、「出産後も仕事をしたい」と回答し、「結婚・出産後は仕事をやめたい」と回答したのは19.2%だった。一方で、40~65 歳既婚子持ち女性の 51.4%が「結婚・出産を機に仕事をやめた」と回答した。

【調査結果】

1. 「『管理職』になりたい」と考える女性は、10%未満。

まず、仕事で「管理職」になりたいと思っているか聞いてみた。
20~39 歳未婚女性は、「なりたい」と答えた人が 8.6%、「なりたくない」が 26.6%、「どちらでも 」が 61.0%、 「現在管理職である 」が3.8%だった。一方、40~65 歳既婚子持ち女性は、「なりたい」と答えたのが 2.6%、「なりたくない」が 15.4%、「どちらでも」が 28.8%、「現在管理職である」が 2.7%、「働く予定なし」が 50.5%だった。「働く予定なし」を除くと、「なりたい」が5.2%、「なりたくない」が31.1%、「どちらでも」が58.2%、「現在管理職である」が5.5%だった。未婚・既婚に関わらず、管理職願望を持っている人は 10%未満とごくわずかだった。

「なりたい」と思っている人の理由としては、20~39 歳未婚女性では「給料が上がるから」(34 歳)が最も多く、他には「会社に勤めている以上は目標だから」(37 歳)、「レベルアップしたいから」(26 歳)などが挙がった。40~65 歳既婚子持ち女性では、「責任のある立場で業務を行い、給与面でも満足したいから」(43 歳)や「仕事をするうえで、やりがいがあるから」(58歳)などが挙がった。一方、「なりたくない」と思っている人の理由としては、20~39歳未婚女性、40~65歳既婚子持ち女性の両グループとも、「責任のある立場につきたくない」(29 歳)という回答が最も多く、「管理職になる器ではないから」(54 歳)という回答が 2 番目に多かった。40~65 歳既婚子持ち女性で 3 番目に多く挙がったのは、「家庭との両立ができないから」(41 歳)という回答だった。

2. 20~39 歳未婚女性の 46.1%は、「子どもを産んだ後も仕事をしたい」と回答。

次に、20~39 歳未婚女性に、「あなたは、仕事と結婚・出産についてどう考えますか?」という質問をした。「結婚したら仕事はやめたい」と回答した人は 11.3%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」が 7.9%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」が25.6%、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」が 20.5%、そして「結婚したくない」が 20.3%、「結婚はしたいが、出産はしたくない」が 14.4%だった。46.1%は「子どもを産んだ後も仕事をしたい」と回答した。
結婚・出産願望がある人のみに限ると、「結婚したら仕事はやめたい」が 17.3%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」が12.1%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」が 39.1%、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」が 31.5%だった。割合としてもっとも大きかったのは「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」だった。
「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」と「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」を選んだ理由は、ともに「お金が必要だから」(23 歳)が最多だった。2 番目に多かったのは、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」の場合は「子どもが小さいうちは育児に専念したいから」(28 歳)だった。「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」の場合は、「好きな仕事を続けたいから」(35 歳)や「今の仕事にやりがいを感じるから」(39 歳)など、今の仕事を辞めたくない、という回答だった。

3. 40~65 歳既婚子持ち女性の 51.6%が「結婚・出産を機に仕事をやめた」と回答。

今度は、40~65歳の既婚子持ち女性に、仕事と結婚・出産についての理想と現実を聞いた。
まず、結婚する前に「結婚したら仕事はやめたい」と考えていた人は 25.0%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」が 15.5%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」が26.5%、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」が 20.5%だった。
それに対し実際のところは、「結婚したら仕事はやめた」という人が33.7%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になった」が 17.9%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働いた」が 21.7%、そして「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けた」が 12.5%だった。47.0%が結婚前に「出産した後も仕事をしたい」と考えていたのに対し、実際に出産後も仕事をしている人は 34.2%だった。一方、「結婚・出産したら仕事をやめたい」と考えていた人は 40.5%だったのに対し、実際には 51.6%と過半数が結婚・出産を機に仕事をやめたことが分かった。

4. 女性が考える「女性の活躍」のために必要なこと―産休・育休・短時間勤務等の充実と、職場復帰しやすい仕組み作り。

最後に、女性が社会で活躍するために必要なことは何だと思うか、聞いてみた。回答は、15 個の選択肢のなかから当てはまるものを最大 3 個選んでもらった。
20~39 歳未婚女性のなかで最も支持率が高かったのが「職場の産休・育休・短時間勤務等の充実」で 42.4%、2 番目が、「子育て後に元の会社に復帰できる仕組み」で37.0%、3番目が「出産・子育てに対する職場の理解」で29.6%だった。一方、40~65 歳既婚子持ち女性のなかで最も多かったのが「子育て後に元の会社に復帰できる仕組み」で 40.1%、2 番目が「職場の産休・育休・短時間勤務等の充実」で 36.8%、そして 3番目が「出産・子育てに対する職場の理解」で 36.7%だった。「待機児童の解消」は、両グループとも第 4 位だった。以降は、「在宅勤務ができる仕組み」や「出産・子育てに対する旦那の理解・育児参加」、「女性の給与・待遇の向上」などが挙がった。「女性役員・管理職の増加」「女性政治家の増加」という選択肢もあったが、どれも支持率は 3%に満たなかった。

女性が考える「女性が社会で活躍するために必要なこと」とは、妊娠・子育て中も融通を利かせながら働ける仕組みや、一度職場を離れても復帰しやすい仕組みを作ること、そしてそれに対して職場が理解を示すことであることが分かった。
子どもを産んだ後も仕事をしたい、という女性の半数以上は、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」、つまり子どもが小さいうちは育児に専念したい、という人たちだ。そのような人たちにとって、最長でも子どもが 1 歳半になるまでしか取得できない育児休業では不十分だろう。女性の活躍を推していく上では、子どもを育てながら働けるよう支援するだけでなく、一度職場を離れた後再度復帰しやすい仕組みを作ることが、必要不可欠なのだろう。


【調査概要】
有効回答 20~39 歳の未婚女性 443 名、子どもがいる 40~65 歳の既婚女性 663 名
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2014 年 9 月 26 日(金)~9 月 29 日(月)

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[オウチーノ総研]
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