くすりと製薬産業に関する生活者意識調査 

2014年10月21日
日本製薬工業協会(製薬協)広報委員会では、一般生活者を対象として、くすりや製薬産業に対する意識調査を行っています。本年度の調査は、1996 年実施の第 1 回から数えて 8 回目の調査となります。

【調査結果の要約】

第1章 処方薬の情報とイメージ

■ 医療関係者から処方薬についての説明を受けた人の割合は過去5回調査で最多。
  説明満足度も前回よりアップ。
・説明実施率 94.0%(0.9ポイント増)
・説明満足度 92.6%(2.0ポイント増)

■ 副作用経験率は前回よりやや減少、副作用関心度は微増。
・副作用経験率 35.4%(2.7ポイント減)
・副作用関心度 58.7%(1.2ポイント増)

■ 処方された薬のメーカー名の認知意向率、認知率はともに時系列で下降傾向。
・認知意向率 28.9%(2.6ポイント減)
・認知率
 「全て知っている」+「大体知っている」・・・19.6%(0.7ポイント減)
 「全く知らない」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37.1%(1.4ポイント増)

■ 入手したい処方薬情報上位は「薬の効能・効果」「薬の副作用」「薬の種類・成分・特長」
医療関係者からの説明上位は 「薬の服用方法」「薬の効能・効果」「薬の種類・成分・特長」
患者側の情報ニーズとのギャップが大きいのは 「薬の副作用」「薬の飲み合わせの注意」

■ 処方薬の情報源は「インターネット」が圧倒的に多い
  「インターネット」での情報入手率が高いのは50代、60代

■ 「新薬」「ジェネリック医薬品」の認知 90.4%(0.1ポイント減)
服用薬が「新薬」か「ジェネリック医薬品」かの認知 75.8%(14年調査新設)
選択意向
 「ジェネリック医薬品」 52.3%(5.6ポイント増)
 「医師にまかせる」 33.8%(4.5ポイント減)
 「新薬」 8.9%(1.0ポイント増)
選択理由
 「新薬」・・・・・・・・・・・・・ 「品質」69.7% 「信頼」65.5%
 「ジェネリック医薬品」・・「価格」90.5%

■ 処方薬への信頼層は90.0%、時系列では08年から僅かに減少傾向だったが、今回上向き。「安心」「よく効く」などのイメージで支持が高い。
・処方薬への信頼感 90.0%(1.0ポイント増)
・処方薬のイメージ
 「医師が処方してくれるので安心」・・・・92.8%(1.3ポイント増)
 「市販の薬よりもよく効く」・・・・・・・・・・・ 89.0%(0.3ポイント増)

第2章 製薬産業のイメージと期待

■ 製薬産業への信頼度は、10年調査から下降傾向である。
製薬産業のイメージは、社会的必要性、技術力、研究開発への熱心さなどに対する高評価を維持している。 一方で、自然環境への取り組み、消費者の声を聞く、情報公開などの評価は低イメージであるが、これらのイメージは時系列で上向きである。

・製薬産業に対する信頼感 80.9%(4.7ポイント減)
・イメージ上位
 ・ 「社会的に必要性が高い産業」 93.0%(0.5ポイント減)
 ・ 「技術力が高い産業」 91.8%(1.2ポイント減)
 ・ 「高収益をあげている産業」 88.2%(1.0ポイント増)
・評価上昇の大きいイメージ
 ・ 「情報を積極的に提供している産業」 49.5%(9.5ポイント増)
 ・ 「自然環境を守ることに熱心な産業」 40.2%(6.7ポイント増)
 ・ 「国際化が進んでいる産業」 79.3%(6.3ポイント増)

■ 製薬産業を知る情報源として以下の3つが多い。
 ・ 「テレビ、ラジオのニュースや番組で」37.5%
 ・ 「新聞の記事で」34.7%
 ・ 「インターネット(ウェブサイト)で」33.2%

■ 製薬産業からの情報入手意向は68.7%(5.6ポイント減)で減少傾向である。

■ 新薬開発について
「長い年月や莫大な費用をかけても新薬開発は必要」という考え方を肯定する人は93.0%(0.4ポイント増)、「製薬会社は新薬開発について内容を知らせるべき」は84.8%(0.2ポイント減)、「欧米等が進んでいるので、日本がやることはない」に対しては74.8%(8.0ポイント減)が否定している。

■ 新薬創出時の業務連携先への金銭支払について(14年調査新設)
支払についての認知率は48.0%、 支払を公開していることの認知は21.1%
支払情報公開についての評価率は65.1%(「評価できる」+「ある程度評価できる」)

■ 「治験」について「ある程度知っている」「治験という言葉は知っている」の双方を合わせた認知層の割合は、84.5%(1.9ポイント減)で前回よりやや減少。

■ 「治験」に対する考え方では、「新薬開発にとって必要不可欠である」が56.6%(6.4ポイント減)で最も多く、次いで「開発中の薬を投与するので不安がある」33.5%(4.9ポイント減)、「治験にともなう副作用などのリスクを説明してもらっているか不安がある」29.4%(4.6ポイント減)と続く。
また、「治験に関心を持っている」は24.9%(1.9ポイント減)である。

■ 「治験」への参加意向は34.4%(5.6ポイント減)。
参加してもよいと思う理由は、「社会の役に立つ」56.0%(5.8ポイント減)、「新しい薬を試すことができる」50.6%(1.2ポイント増)。

■ 製薬産業、製薬会社への期待点としては「よく効く・早く効く薬の開発」「安全な、副作用の少ない薬の開発」「情報開示」「新薬の開発/さらなる研究開発」「倫理観・モラル・誠実さ・コンプライアンス」などが上位。

■ 作ってほしい薬では、「がんに効く薬」が圧倒的に多い。大きく離れて、他に「認知症・アルツハイマー」「難病」などが上位にあげられた。

第3章 生活者の健康と薬・医療とのかかわり

■ 「入院」および「通院」したことがある受診経験率は、74.6%(4.3ポイント減)。

■ 処方薬の服用経験率は88.2%(3.3ポイント減)となり、過去5回の時系列データの中で最も低い。

■ かかりつけの薬局のある人は29.9%(0.1ポイント減)。

■ 「患者参加型医療」に対する認知は「知っている」「ある程度知っている」「言葉は知っている」合計 27.3%

■ 「患者参加型医療」に必要なことは、「医師、薬剤師が疾患や治療法の情報を説明し患者が選択」41.5%、「セカンド・オピニオンを受けやすくする」39.6%、「診療(カルテ)情報を患者に開示する」38.1%、「インフォームド・コンセントを徹底する」36.9%、「医師、薬剤師、製薬会社が医薬品や副作用の情報を提供」36.6%が上位項目。


【調査概要】
・調査目的:医療用医薬品や製薬産業(会社)に対する患者・生活者の理解や認識の実態を把握し、医薬品や製薬産業に対する信頼感を高めるための広報活動の基礎資料とする。今回は2012年(平成24年)調査に続く第8回目の調査である。
・調査地域:首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)京阪神圏(大阪府、京都府、兵庫県、奈良県)
・対象 満20歳以上の男女(ただし、医療関係者・製薬企業従事者等は除く)
・標本数 2,000人
・抽出方法  インターネット調査用パネルより無作為抽出
・調査方法 インターネット調査
・調査期間 2014年(平成26年)6月24日~27日
・調査機関 GMO リサーチ株式会社

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[日本製薬工業協会]
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