アジア10カ国、検索数から見る日本への旅行を考える時期調査 

2014年10月29日
グローバルマーケティングを展開するアウンコンサルティングは、アジア10カ国を対象に、年間でどの時期に、日本が旅行先として検索されているのかを調査いたしました。※アジア10カ国には国と地域を含みます。

日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年までに、訪日外国人2000万人を目標に掲げています。また、東南アジア向けのビザ緩和もあり、今後日本により多くの外国人観光客が訪れることが予測できます。アウンコンサルティングでは、アジア10カ国における日本の人気観光地を基に、アジア10カ国において、年間でどの時期に、日本の観光地に関するキーワードが多く調べられているのか、各国の大型連休を踏まえ調査をいたしました。

【調査結果】

■アジア各国、3月~8月に日本の観光地に関する検索数が多くなる傾向

日本の人気観光地と、キーワード「旅行」、「観光」、「ホテル」、「ツアー」を組み合わせ(例:北海道 旅行)、アジア10カ国を対象に、月間の検索数の推移を調査いたしました。各国で大型連休の時期は異なりますが、年間を通して見ると、3月~8月に、アジア各国の人々は、日本の人気観光地のホテルやツアー等を検索している傾向にあることが見えてきました。右の図は、各国の日本の人気観光地に関するキーワードの年間の合計検索数に対する各月の検索数割合となります。
実際に、2014年4月~9月の関西空港に発着した国際便を利用した外国人客数が日本人客数を初めて上回り、訪日外国人は増加の一途にあることが伺えます。

■韓国
2014年1月30日~2014年2月1日まで、旧正月として大型連休のため、日本の人気観光地に関する検索数が増えたことが考えられます。また、2014年6月~8月にかけ、日本の人気観光地に関する検索数は大きく増加しています。このことから、韓国へ観光プロモーションをかける時期として、旧正月の時期と6月~8月にかけて行うことが、特に効果的であることが考えられます。

■中国
2014年6月から、日本の人気観光地に関するキーワードの検索数が急激に減少しています。この原因として、2014年6月初め頃から、中国政府がグーグルのサービスに対して規制を行ったことが挙げられます。2014年1月30日~2014年2月5日までは、春節のため7連休と大型連休であり、検索数も多くなっていることから、春節の時期に観光地として日本に注目している中国の人々が多いことが伺えます。

■台湾
他のアジア各国に比べ、日本の人気観光地に関する検索数は大変多くなっています。アジアの中でも、台湾の人々は、日本を観光地としてより注目していることが伺えます。年間を通して日本の人気観光地に関するキーワードの検索数が多くなっていますが、2014年5月~8月にかけて特に検索数が伸びていることから、この時期に台湾へ観光プロモーションをかけると特に有効であることが伺えます。

■香港
日本の人気観光地に関する検索数が、台湾、タイに次いで多くなっています。2014年の前半に、春節やレント、復活節と大型連休であるのにも関わらず、香港も台湾同様、2014年5月を筆頭に8月にかけ、日本の観光地に関する検索数が多い傾向にあります。この時期に香港へ観光プロモーションをかけることが特に有効であると伺えます。

■タイ
台湾に次いで日本の人気観光地に関する検索数が多くなっています。2014年4月と2014年7月が、年間の中で日本の人気観光地に関する検索数が最も多いという結果が出ました。2014年4月はタイの旧正月(ソンクラーン)、2014年7月は三宝節と入安居があり、共に大型連休でした。この結果から、タイの人々は大型連休に合わせて、日本への旅行を検討していることが予測できます。

■マレーシア
断食月“ラマダン”明けを祝う休日「ハリラヤ・プアサ」が2014年7月28日、29日にありました。しかし、1年を通してまとまった連休が少ないため、日本の人気観光地に関する検索数も1年を通して大きな変化がないことが特徴です。マレーシアは、月や連休に関係なく観光プロモーションをかけることが有効だと予測できます。
※断食月“ラマダン”の時期は毎年11日ずつ早くなっていくため、祝日「ハリラヤ・プアサ」も毎年日付が異なります。

■シンガポール
日本の人気観光地に関する検索数が、月によって大きく差が出ました。2014年1月の旧正月には、日本の人気観光地に関する検索数が大変少なくなっていますが、2014年3月~8月にかけては、検索数は大きく上がっています。このことから、3月~8月にかけて、シンガポールの人々は、日本を観光地として注目していることが伺えます。

■インドネシア
マレーシア同様、日本の人気観光地に関する検索数が、1年を通して大きく変化がないことが特徴として挙げられます。
2014年7月28日~8月1日までは、断食明け大祭である「イドゥル・フィトリ」と政令指定休日であり、1年を通して1番の大型連休でした。この時期に日本の人気観光地に関する検索数が増加していることから、インドネシアの人々は、大型連休の際に日本を観光地として注目する傾向にあることが伺えます。
※断食月“ラマダン”の時期は毎年11日ずつ早くなっていくため、祝日「イドゥル・フィトリ」も毎年日付が異なります。

■ベトナム
1年を通して、アジア各国の中でも日本の人気観光地に関する検索数は特に少なくなっています。2014年1月28日~2月5日までが旧正月で、9連休と大型連休でした。しかし、2014年1月~2月にかけて、日本の人気観光地に関する検索数は特に少なくなっています。台湾と香港同様、2014年5月~8月にかけて日本の人気観光地に関する検索数が多くなっており、この時期にベトナムの人々の関心が、日本の人気観光地に向いていたことが伺えます。

■フィリピン
ベトナム同様、1年を通して、アジア各国の中でも日本の人気観光地に関する検索数が特に少ないことが特徴として挙げられます。その中で、2013年12月から日本の人気観光地に関する検索数は上がり始め、2014年8月に検索数は1年を通して1番多くなりました。大型連休に関係なく5月~8月にかけて観光プロモーションを行うことが、フィリピンでは特に有効であると予測できます。


【調査概要】
調査主旨:アジア10カ国、検索数から見る日本への旅行を考える時期
対象の国と地域:韓国、中国、台湾、香港、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナム、フィリピン
調査機関:アウンコンサルティング調べ
調査時期:2013年9月~2014年8月

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[アウンコンサルティング]
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