インターネット調査会社のマーシュは、全国の10代~50代男女を対象に、オーラルケアに関する調査を実施。

【概要】

厚生労働省が平成23年に実施した「歯科疾患実態調査」によると、4mm以上の歯周ポケット、歯石の沈着、プロービング後の出血など、何らかの歯肉の所見を有する人は15歳以上の7割を上回るという結果が出ています。
一方で、ステイン除去や歯周病予防に特化したハミガキ製品が続々と発売され、ソニッケアーエアーフロス(フィリップス)やポケットドルツ(パナソニック)がヒット商品となった近年、オーラルケアに対する消費者の意識はどのようになっているのでしょうか。
全国の10代から50代までの男女(小中学生を除く)を対象に、オーラルケアについてのイメージ、オーラルケア用品の使用状況、歯と口の健康について気になる事、自分の口臭が気になったときに取る行動などを調査しました。

【調査トピックス】

◆オーラルケアという言葉からイメージするものは「虫歯の予防」63.1%、「歯周病の予防」67.1%、「口臭の予防」60.0%

◆歯ブラシのみの使用者が約8割を占め、電動歯ブラシ使用者は7.5%、歯ブラシ・電動歯ブラシ併用者は10.9%

◆現在気になる(またはやや気になる)ことは、「虫歯」68.5%、「歯周病」65.6%、「口臭」69.7%

◆自分の口臭が気になったときの対処法は、「歯を磨く」59.7%、「飴、ガム、ミントを食べる」55.8%、「水で口をゆすぐ・うがいする」47.0%

◆虫歯経験者(治療済みを含む)は75.2%

◆歯周病経験者(治療済みを含む)は17.5%、歯周病に「なっているかどうかわからない」も3割


【調査結果】

Q1.「オーラルケア」という言葉から、どのようなことをイメージされますか。あてはまるものをすべてお選びください。また、オーラルケアのイメージとは関係なく、あなたが「歯や口の中の健康」について関心のあることをすべてお選びください。(それぞれ複数選択可)

■「オーラルケア」という言葉からイメージすること/「歯と口の健康」について関心があること N=750
オーラルケアという言葉からイメージするものは、「虫歯の予防」が63.1%、「歯周病の予防」が67.1%となり、「口臭の予防」も60.0%となっている。特にイメージすることがない人は15.5%だった。「歯周病の予防」は40代以上の認識が高く8割弱に上るが、20代では47.3%にとどまった。
一方、オーラルケアのイメージとは関係なく歯や口の健康について自身が関心のあることを回答してもらったところ、「虫歯の予防」が62.7%で最も多く、次いで「歯周病の予防」が56.4%、「口臭の予防」が55.1%となり、8割強の人が何らかの関心事があることがわかった。歯周病に関しては、50代で72.0%と最も高いが、19台でも36.7%と約3人に1人が関心を持っていることがわかる。

Q2.あなたが現在使用されているオーラルケア用品を、すべてお選びください。(複数選択可)
※オーラルケア:虫歯や歯周病を予防するために、歯や口の中を清潔に保つ手入れすること

■現在使用しているオーラルケア用品 N=750
現在使用しているオーラルケア用品を選択してもらったところ、「歯ブラシ」が88.9%、「歯みがき粉」が76.5%、「歯間ブラシ・デンタルフロス」が30.4%、「マウスウォッシュ・洗口液」が27.7%となった。「電動歯ブラシ」の使用者は17.5%となっており、10代では10.0%、30代では17.3%、50代では29.3%と、年代が高いほど使用率が高い傾向となった。
男女別では、女性に比べて男性の方が歯ブラシの使用率がやや低く、歯みがき粉については17.1ポイントもの差があった。また、歯間ブラシ・デンタルフロスの使用率は男性17.6%に対し女性は43.2%と、女性の利用が多いことがわかる。

<歯ブラシ・電動歯ブラシ使用状況>
上記の回答結果を元に歯ブラシの使用状況をまとめると、歯ブラシのみ使用者が78.0%で8割弱を占める。電動歯ブラシ使用者は7.1%、歯ブラシと電動歯ブラシ併用者は10.9%となった(電動歯ブラシには電動エアー歯ブラシ、電動水流歯ブラシも含む)。また、歯ブラシ・電動歯ブラシのいずれも使用していなかった人は4.0%で、歯みがき粉や洗口液のみを使用している人もごく少数存在するようだ。

Q3.歯と口の中に関する下記の項目について、現在、あなたはどの程度気になっていらっしゃいますか。(1つずつ選択)

■歯と口の健康について気になっていること N=750
【虫歯】【歯周病】といった歯と口の健康に関する7つの項目について、現在自分がどの程度気になっているかを答えてもらった。【虫歯】が「気になる」(以下、すべて気になる・やや気になるの合計)と答えた人は全体の68.5%、【歯周病】は65.6%で、それぞれ6割を超えた。さらに高いのが【歯垢・歯石】の76.1%、【歯の着色汚れ】の71.2%。【口臭】も69.7%と7割近い人が気にしていることがわかった。【歯並び・噛み合わせ】は56.3%、【舌苔(ぜったい)】(舌の表面に食べものや細菌が付着して溜まったもの)は42.0%となった。

※口臭が「気になる」「やや気になる」と回答した方
SQ3-1.ご自身の「口臭」について、どのようなことが気になりますか。あてはまるものをすべてお選びください。(複数選択可)

■【口臭が気になる人】自分の口臭について気になっていること n=523
前問で、自分の口臭が「気になる」または「やや気になる」と回答した人に、どのようなことが気になるのか答えてもらった。最も多いのは「自分の口臭の有無や強さがわからないこと」で59.7%、次いで「自分の口臭に周りの人が気づくか、不快にさせていないか」が56.0%となった。はっきりとした自覚があり「自分に口臭があること」を選択した人は37.5%だった。    また、「口臭を除去する方法が知りたい」「口臭を予防する方法が知りたい」がそれぞれ4割を上回った。

※口臭が「気になる」「やや気になる」と回答した方
SQ3-2.ご自身の「口臭」が気になったときは、何かされていますか。あてはまるものをすべてお選びください。(複数選択可)

■【口臭が気になる人】自分の口臭が気になったときの対処法 n=523
続けて、自分の口臭が気になったときにどのような行動を取るかを答えてもらったところ、「歯を研く」が59.7%で最も多く、次に「飴、ガム、ミント菓子を食べる」が55.8%、「水で口をゆすぐ・うがいする」が47.0%となった。「特に何もしない」と答えた人は7.6%だった。

※全員
Q4.現在、あたなは虫歯がありますか。また、歯科医院で治療はされていますか。(1つ選択)

■虫歯の有無と治療状況 N=750
現在虫歯があり、「治療中または治療予定である」と答えた人は全体で6.1%、「そのままにしている」と答えた人が12.1%で、現在ある虫歯を認識している人は2割弱となった。「過去に虫歯があったが、治療済みである」と答えた人は56.9%で、7割を超える人が虫歯を経験しており、「今まで虫歯になったことはない」という人は8.5%と1割を下回る。また、「虫歯があるかどうかわからない」と答えた人が16.3%おり、虫歯があるかも知れないという意識がありながらも、歯科医院には行っていない人もいるようだ。

※全員
Q5.現在、あなたは歯周病(歯肉炎・歯周炎)がありますか。また、治療はされていますか。(1つ選択)

■歯周病の有無と治療状況 N=750
歯周病があると認識している人は、全体の10.3%。そのうち「歯科医院で治療中または治療予定である」と答えた人は3.1%、「自分でケアをしている」は3.9%、「そのままにしている」は3.3%となっている。歯周病があったが「治療済みである」と答えた人は7.2%おり、これらを足した歯周病経験者は17.5%という結果になった。特に50代で多く、33.3%と3人に1人が経験しているが、20代~40代ではそれぞれ10%台、10代では8.0%と1割弱存在する。
しかし、厚生労働省が平成23年に行った『歯科疾患実態調査』によると、軽度なもの(「歯石の沈着」「プロービング後の出血」)も含めると歯肉に何らかの所見があった人は15歳以上で7割を上回るという結果が出ており、今回の回答結果とは大きな差が生じている。多くの「歯周病になっているかどうかわからない」「今まで歯周病になったことはない」と答えた人の中に、歯周病の症状にまだ自覚のない人や予備軍が少なからず存在している可能性が考えられる。


【調査概要】
調査名:オーラルケアに関する調査
調査対象者:全国の10代~50代男女(小中学生を除く)
有効回答数:750s
調査期間:2014年10月21日~10月23日
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社マーシュ
アンケートモニターサイト「D STYLE WEB」の登録会員を対象に実施

その他、詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[マーシュ]
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