2014年世界の不動産投資 

2015年01月15日
総合不動産サービス大手のJLLグループ(JLL)がまとめた投資分析レポートによると、2014年通年の世界の商業用不動産投資額は、速報ベース※1で前年同期比18%増の7,000億ドル※2となり、2010年以来5年連続増加、リーマンショック前の2007年の9割の水準に回復しました。日本の2014年通年の投資額は、前年同期比7%増の438億ドル(円建てでは18%増の4兆6,900億円)となり、円建ての投資額としてはリーマンショックが起きた2008年と同程度の水準となりました。2015年の世界の商業用不動産投資額の見通しは、7,300-7,500億ドルと予測しています。

確報および全体の調査結果をまとめたレポートは、1月末に発行する予定です。ハイライトは以下のとおりです。

・2014年通年の世界の商業用不動産投資額は、前年比18%増の7,000億ドルとなった。リーマンショック前のピーク(2007年)の取引額7,580億ドルの9割までの回復となった。

・2014年第4四半期の投資額は、前年同期比4%増、前期比28%増の2,180億ドルとなり、取引が活発だった2013年第4四半期に続き2,000億ドルを突破した。

・日本の2014年通年の投資額は、前年同期比7%増の438億ドル、円建てでは18%増の4兆6,900億円となった。日本の2014年第4四半期の投資額は、前年同期比32%増の152億ドル、円建てでは52%増の1兆7,400億円※3となった。

・J-REIT市場においては、12月に積水ハウス・リート投資法人が資産規模1,143億円で上場したほか、11月に日本初のヘルスケア特化型上場リートである日本ヘルスケア投資法人が上場するなど、3つのREITが新規上場を果たした。また、パシフィックセンチュリープレイス丸の内やみずほ銀行旧本店ビルなどの大型取引も見受けられ、投資額は前年同期比、前四半期比ともに大幅増加となった。2014年通年では、2013年に市場をけん引した上場REITによる取引額は減少したものの、私募REITやその他ファンドによる取引の拡大が寄与し全体の投資額は増加した。

・アメリカ大陸における2014年通年の投資額は、前年同期比24%増の2,980億ドルとなり、引き続き世界の不動産投資を牽引した。アメリカ、ブラジル、メキシコで継続して投資活動が活発だった一方、カナダでは昨年を若干下回るパフォーマンスとなった。

・EMEAにおける2014年通年の投資額は、前年同期比21%増の2,670億ドルとなり、アメリカに続き高い水準となった。コア市場であるイギリス、フランス、ドイツにおける堅固な成長(前年同期比17%増)に加え、北欧諸国は41%増、中東欧は51%増、ベネルクスは61%増、南欧70%増となり、近隣諸国でも大幅な成長が見られた。

・アジア太平洋地域における2014年通年の投資額は、前年同期比1%増の1,280億ドルとなった。しかしながら、2014年第4四半期の投資額は420億ドルとなり、四半期ごとの投資額としては、同地域において最高額となった。

・2015年通年の世界の商業用不動産投資額は7,300-7,500億ドルで、6年連続で増加すると予測している。



※1:速報値であり、今後変更になる場合があります。
※2:通貨単位は、別途記載がない限りすべて米ドルとします。
※3:第4四半期為替レート:2014年10月1日~2014年12月31日平均(1ドル114.94円)

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[JLL]
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