孫の教育・将来に対する祖父母の意識 

2015年01月21日
第一生命保険のシンクタンク、第一生命経済研究所は、全国の孫がいる 55~74歳の男女1,000名を対象に、孫の将来・教育への関心や孫の教育費の支援意向等についてたずねるアンケート調査を行いました。

【調査結果のポイント】

孫の将来について考えることがあるか
● 孫の将来について「考えることがある」祖父母は62.7%
● 最年長の孫が中高生の祖父母では、81.4%が「考えることがある」

孫の教育に関心があるか
● 孫の教育に「関心がある」祖父母は70.7%
● 最年長の孫が中高生の祖父母では、81.1%が「関心がある」

孫にもっと身につけてほしいと思うこと
● 上位3項目は「体力、健康」(44.0%)、「思いやり、優しさ」(29.3%)、「学力、知識」(26.2%)
● 最年長の孫が中高生の祖父母では第2位に「学力、知識」(31.6%)

孫の教育費に関する支援の相談経験と祖父母の支援意向
● 孫の親から支援を相談された経験がある祖父母は 7.3%
● 支援の意向をもつ祖父母は 24.8%

直近1年間に祖父母が孫世帯に行った経済的支援
● 最も多く行った経済的支援は「孫へのプレゼントやお祝いなど」(74.2%)

直近1年間に孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合
● 82.6%の祖父母が直近1年間に何らかの経済的支援を行っている
● 老後資金が「かなり足りない」祖父母の 75.7%が経済的支援を行っている

直近1年間に孫の親から受けた経済的支援
● 約半数の祖父母が、直近1年間に何らかの経済的支援を受けている

孫の才能を伸ばすことや将来の経済的自立に対する祖父母の意識
● 祖父母の 95%前後が「孫の才能はできるだけ伸ばしてやりたい」「孫には将来、経済的に自立できるよう育ってほしい」と考えている

【調査結果】

孫の将来について考えることがあるか
孫の将来について「考えることがある」祖父母は 62.7%
最年長の孫が中高生の祖父母では、81.4%が「考えることがある」

はじめに、孫の将来について考えることがあるかをたずねたところ、「よくある」と答えた人が 20.2%、「ときどきある」と答えた人が 42.5%と、合わせて 62.7%の人が考えることがあると答えました。
この割合を、祖父母の性別や年代、最年長の孫の学齢別に比較した場合、祖父より祖母、64 歳以下より 65 歳以上、最年長の孫が中高生の人で特に高くなっています。最年長の孫が中高生の祖父母では、孫の将来について考えることが「よくある」と答えた人が 37.0%、「ときどきある」と答えた人が 44.4%と、合わせて 81.4%を占めました。

孫の教育に関心があるか
孫の教育に「関心がある」祖父母は 70.7%
最年長の孫が中高生の祖父母では、81.1%が「関心がある」

次に、孫の教育に関心があるかをたずねたところ、「関心がある 」と答えた人が 20.4%、「やや関心がある」と答えた人が 50.3%と、合わせて 70.7%の人が関心があると答えました。
この割合を、祖父母の性別や年代、最年長の孫の学齢別に比較した場合、祖父より祖母、64 歳以下より 65 歳以上、最年長の孫が中高生の人で特に高くなっています。最年長の孫が中高生の祖父母では、「関心がある」と答えた人が 26.0%、「やや関心がある」と答えた人が 55.1%と合わせて 81.1%を占めました。初めての孫が中高生期を迎える時期には、祖父母が孫の将来について考えたり、孫の教育への関心が最も高まるのかもしれません。

孫にもっと身につけてほしいと思うこと
上位3項目は「体力、健康」(44.0%)、「思いやり、優しさ」(29.3%)、「学力、知識」(26.2%)
最年長の孫が中高生の祖父母では第2位に「学力、知識」(31.6%)

次に、孫にもっと身につけてほしいと思うことを3つまでの複数回答でたずねました。
その結果、「体力、健康」(44.0%)、「思いやり、優しさ」(29.3%)、「学力、知識」(26.2%)が上位3項目としてあげられました。「特にない」は 15.8%であったことから、8割以上の祖父母は、孫に身につけてほしいことについて何らかの考えをもっていると考えられます。
なお、最年長の孫が中高生の祖父母では、孫に身につけてほしいと思うこととして「体力、健康」(39.8%)に次いで「学力、知識」(31.6%)をあげています。

孫の教育費に関する支援の相談経験と祖父母の支援意向
孫の親から支援を相談された経験がある祖父母は 7.3%
支援の意向をもつ祖父母は 24.8%

調査の結果、最も親しくつきあっている孫の教育費に関して、孫の親から支援を相談された経験がある祖父母は 7.3%、支援の意向がある祖父母は 24.8%でした。
右側のグラフで祖父母の支援意向をみると、孫世帯の暮らし向きについて「厳しく、心配」と答えた祖父母では 40.9%、自身の暮らし向きについて「ゆとりがあり、心配ない」と答えた祖父母では 35.4%、老後資金の見通しが「十分または最低限ある」と答えた祖父母では 31.3%が教育費の支援意向をもっています。

直近1年間に祖父母が孫世帯に行った経済的支援
最も多く行った経済的支援は「孫へのプレゼントやお祝いなど」(74.2%)

次に、直近1年間に祖父母が実際に行った、孫世帯への経済的支援の実態についてみてみましょう。なお、ここでの経済的支援には、教育費(孫の塾や習い事の費用、孫の学費や受験のための費用)に加えて、孫へのプレゼントやお祝い、外食、旅行やレジャーの費用、孫世帯への生活費・生活用品の援助、使途を限らない孫のための積み立てや預貯金、孫世帯の住宅の取得費用などを含めています。
調査の結果、直近1年間に祖父母が最も多く行った経済的支援は「孫へのプレゼントやお祝いなど」(74.2%)であり、「孫と行った外食の費用」(60.0%)、「孫と行った旅行やレジャーの費用」(39.4%)が上位3項目としてあげられました。なお、「どれもない」と答えた祖父母は 17.4%であったことから、祖父母による孫世帯への経済的支援は、その内容に違いはあるものの、かなり広く行われていると考えられます。
また、これらの平均回答項目数は、孫世帯の暮らし向きについて心配する祖父母や、自身の暮らし向きに心配がないと答えた祖父母、老後資金の見通しがついている祖父母で多く、それ以外の祖父母に比べて多様な経済的支援を行っていることがうかがえます。

直近1年間に孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合
82.6%の祖父母が、直近1年間に何らかの経済的支援を行っている
老後資金が「かなり足りない」祖父母の 75.7%が経済的支援を行っている

また、図表6は、直近1年間に孫世帯への経済的支援を行った祖父母の割合を、孫世帯の暮らし向きや祖父母の暮らし向き、老後資金の見通し別に示したものです。これをみると、老後資金の見通しについて「わからない」と答えた人を除いて、おおむね8割前後の祖父母が何らかの形で経済的支援を行っていることがわかります。
注目されるのは、自身の老後資金の見通しに関して「かなり足りない」と答えた祖父母の75.7%、「わからない」と答えた祖父母の54.8%(参考値)が経済的支援を行ったと答えている点です。この結果は自身の老後資金の見通しに不安を感じていたり、自身の老後資金の見通しについて考える機会をもたずにいる祖父母であっても、孫世帯への経済的支援を行っていることを示しています。これらの結果は、祖父母自身の老後の資金プランや生活設計を考える場合に、このような孫世帯への経済的支援も含めた形で検討していく必要があることを示唆しています。

直近1年間に、孫の親から受けた経済的支援
約半数の祖父母が、直近1年間に何らかの経済的支援を受けている

続いて、祖父母の側が、直近1年間に孫の親から受けた経済的支援の実態をみてみましょう。
孫の親から受けた経済的支援としてたずねた3項目のうち、最も多くの祖父母があげたのは「あなたや配偶者へのプレゼント、お祝いなど」(46.9%)でした。このほか「孫や孫の親と行った旅行やレジャーの費用」では13.5%、「生活費・生活用品の援助」では10.6%となっています。なお、「どれもない」と答えた人は51.3%を占め、祖父母自身が孫世帯に対して行った支援が「どれもない」と答えた17.4%を30ポイント以上も上回りました。
なお、祖父母による支援と孫の親による支援の関係をみた場合、祖父母による支援と孫の親による支援の双方が行われているケースが44.9%で最も多く、祖父母による支援のみが行われているケースが37.7%でこれに次ぎました。また、祖父母による支援と孫の親による支援の双方とも行われていないケースは13.6%、孫の親による支援のみが行われているケースは3.8%でした。

孫の才能を伸ばすことや将来の経済的自立に対する祖父母の意識
祖父母の 95%前後が「孫の才能はできるだけ伸ばしてやりたい」
「孫には将来、経済的に自立できるよう育ってほしい」と考えている

最後に「孫の才能はできるだけ伸ばしてやりたい」「孫には将来、経済的に自立できるよう育ってほしい」という2つの考え方についての祖父母の意識をみてみましょう。
前者(左側のグラフ)については 94.8%、後者(右側のグラフ)については 95.9%と、いずれの考えについても 95%前後の祖父母がそう思うと答えています(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計割合)。
孫世帯や祖父母自身の暮らし向き、あるいは祖父母自身の老後資金の見通しによって、これらの回答傾向に大きな違いはみられません。つまり、孫世帯の暮らし向きや自身の経済状況の違いにかかわらず、祖父母のほとんどは、孫の将来の経済的自立を願い、孫の才能をできるだけ伸ばしてやりたいと考えていることがあらためて確認できます。


【調査概要】
調査対象 全国の孫がいる 55~74 歳の祖父母 1,000 名
調査方法 株式会社クロス・マーケティングのモニターを用いたインターネット調査
調査時期 2014 年 11 月5日~7日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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[第一生命経済研究所]
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