パワーモジュールの世界市場に関する調査 2014 

2015年02月16日
矢野経済研究所は、パワーモジュールの世界市場について調査を実施した。

<パワーモジュールとは>
本調査におけるパワーモジュールとは、電力変換で使われるパワー半導体のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードを複数個実装し、専用ケースに封入したIGBTモジュールや、IGBTモジュールなどに過電流や過熱などの保護回路を内蔵したIPM(Intelligent Power Module)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を実装し封入したMOSFETモジュールを指す。
いずれも、搭載機器のインバータ/コンバータ回路に使われるが、回路構成に応じて様々な製品種類があり、モジュールの仕様(耐圧/電流値、サイズ、実装されるパワー半導体の数)も異なる。

【調査結果サマリー】

◆2014年におけるパワーモジュールの世界市場は37.2億ドルの見込み
2014年のパワーモジュール世界市場規模(メーカ出荷金額ベース)は、前年比13.4%増の37.2億ドルに拡大する見込みである。サーボモータや汎用インバータなどの産業機器向けの需要が増加した他、中国市場における省エネ規制強化によるインバータエアコンの販売増加や、事故のために低迷していた鉄道向けの受注も回復してきており、2013年後半から2014年にかけて市場は堅調に推移している。

◆パワーモジュール世界市場の2015年から2020年までの年平均成長率(CAGR)は12.0%で推移し、2020年には80.3億ドルに成長と予測
2020年におけるパワーモジュールの世界市場規模(メーカ出荷金額ベース)は80.3億ドルに成長と予測する。中国、インド、東南アジア諸国向けの白物家電向けや、産業機器向けの需要が拡大すると共に、新エネルギー向け機器用についても2015年より緩やかな増加基調に戻ると考える。自動車向けは、世界的な環境規制や燃費規制の影響から、EPS(電動パワーステアリング)やHV/EV向けのパワーモジュール需要が見込め、需要分野の中で最も成長率は高いと予測する。

◆2020年における世界のパワーモジュールのメーカ出荷数量は2億2,224万8,000個と予測
需要分野別にパワーモジュールの搭載個数を分析すると、2020年における世界のパワーモジュールのメーカ出荷数量は2億2,224万8,000個になると予測し、2015年の1億2,553万2,000個から大きく成長する見込みである。


【調査概要】
・調査期間:2014年11月~2015年1月
・調査対象:パワー半導体メーカ、パワーエレクトロニクス機器メーカ
・調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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