女性の防災意識とネット活用に関する意識調査 

2015年03月10日
ブレインネットプレスは、20~50代の女性を対象に、「防災対策とネット活用」の意識調査を実施。実践している防災対策や、知識を得るメディア、ネットの活用度などを調査しています。

【調査結果サマリー】

・日頃の防災対策「特に何もしていない」がほぼ半数

・情報源はテレビが1位。ネット検索とリアルの会話が同率2位

・災害時の連絡方法は、携帯電話、メール、LINE

・「ネットは防災に役立つが、活用しきれていない」が7割

・コンテンツに求めるのは「簡潔さ」がトップ


【調査結果】

半数近くの女性は防災対策を「何もしていない」

日頃から行っている「防災対策」を教えてください(複数回答可)
現状で、実際に行っている防災対策を聞くと、「特に何もしていない」がダントツの1位に(46.2%)。防災対策の現状は、決して十分とは言えないようです。対策の内容は、「災害袋(23.4%)」「非常用の飲み水・食品(20.2%)」「家具の配置や固定を工夫(20.7%)」が上位ですが、いずれも全体の2割程度しか実践していません。防災アプリの活用は10.9%にとどまりました。

情報源はテレビが過半数。ネット検索とリアルの会話が同率で2位

防災対策に必要な知識をどのように入手していますか?(複数回答可)
防災に関する情報源は、テレビが一番多く、過半数の人が利用していると回答しました(55.7%)。インターネット検索とリアルの会話(友人や家族から話を聞く)が同数(30.9%)だったのは、非常に興味深い結果です。 防災に関しては、女性が知識を得る情報源を、下のようなイメージで表現できます。

災害時の連絡方法、Twitterは10%以下。LINEが台頭

災害時、家族や知人との連絡手段として準備している方法を教えてください(複数回答可)
震災時に接続が難しいとされた携帯電話が、未だ主要な連絡手段になっています。有効な連絡手段として取りざたされたTwitterやFacebookは、ともに10%以下(7.5%)ですが、代わりにSNSではLINEの利用率が、33.1%まで伸びています。災害伝言ダイヤルやネット掲示板といった災害時のサービスは、さほど高い利用率ではありません。

「ネットは防災に役立つが、活用しきれていない」が7割

インターネットを「防災対策」に活用していると思いますか?
「十分活用している(20%)」「インターネットは防災に役立つと思うが、十分活用しきれていない(70.6%)」を合わせると90%以上。ほとんどの人が、「インターネットが防災に役立つ」との認識を持っていることがわかりました。しかし、実際に十分活用できている人は全体の20%。インターネットの重要性を理解しながら、納得いく使い方ができていないのです。

ネットを活用している人は検索している

防災知識を仕入れるインターネットの情報源
(インターネットを防災に十分活用している人/役立つと思うが十分活用しきれていない人の比較)
インターネットを防災知識の収集に「十分活用している」と答えた20%のうち、過半数(51.2%)がインターネット検索で情報を取っています(ネットを活用しきれていない人の約2倍)。SNSでの情報収集もネットを十分活用している人のほうがよく使っていますが、割合からすれば1割以下です。 検索を使いこなすことが、賢いネット防災のポイントになりそうです。SNSは興味のきっかけにはなりますが、体系的な情報収集には向きません。

検索する端末はスマホよりパソコン。ただし20~30代はほぼ同率

防災対策をネット検索で調べるなら、どの端末を使いますか?(複数回答可)
全体では、スマートフォンの48.4%に対して、自宅のパソコンは71.8%。ただし、20~30代に限れば、スマホの利用率が上がります。パソコンとともに6割強で並び、今後は逆転することが予想されます。

ネット検索の不満、1位は「検索キーワードがわからない」

パソコンやスマートフォンで検索するときに、日頃から困っている点、不満に感じている点を教えてください(複数回答可)
防災対策に限らず、日頃インターネット検索する際の不満を尋ねました。「不満がない」と答えた人が、21.2%で4位。8割の回答者が、何かの不満を抱えていることになります。1位は「どんなキーワードで検索すれば良いのか分からない」で32.6%。検索結果が多すぎる、検索結果に見たいページが表示されない、といった意見が続きました。

役に立つコンテンツのポイントは「簡潔さ」

防災対策の情報を調べるとき、役に立つのはどんなサイト?(複数回答可)
検索でたどり着いたWebサイトには、「簡潔さ」を求める人が45%。2位は39.9%の「記事のわかりやすさ」で、「情報量が多く充実している」を0.2ポイントだけ上回っています。情報を詰め込むだけではなく、ユーザーのほしい情報を早く、わかりやすく提供できるコンテンツの設計が必要です。運営者や外見の信頼性を重視する人は20%前後と、さほど多くありませんでした。

まとめ

調査結果を見る限り、女性の防災意識は、高いとは言えません。東日本大震災から4年、危機感が薄らいでいることは確かです。直後に同じ調査をしていれば、結果はまた違っていたでしょう。
一方、インターネット環境も、4年の間に大きく変化しました。若い世代を中心にスマホが通信の主要なツールになり、LINEはもはやコミュニケーションの主要なインフラになっています。

実に9割の人が、インターネットが防災に役立つと考えていることがわかりました。企業や行政は、まだまだインターネットを使って、生活者に情報を届ける余地があります。とはいえ、情報があふれており、ユーザーはコンテンツを取捨選択しています。簡潔さ、わかりやすさが重要で、自分の知りたい情報に早くたどり着けるコンテンツを、自然に選んでいるのです。


【調査概要】
調査内容:女性の防災意識とネット活用に関する意識調査
調査期間:2015年3月
調査対象:20~50代の女性411名
調査方法:インターネット調査
半数近くの女性は防災対策を「何もしていない」

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[ブレインネットプレス]
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