ウェザーニューズは、災害に対する意識や対策を調査する『減災調査2015』の結果を発表。
この調査は、震災から4年を迎え、一人一人の災害への意識を更に高めて被害軽減につなげられるよう、3月7日~11日、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」や携帯サイト「ウェザーニュース」を通して実施し、5日間で延べ30,834名に参加いただきました(回答者の性別は男性61%、女性39%、年代は19歳以下が2%、20代が3%、30代が15%、40代が40%、50代が31%、60代が9%)。
本調査では、2010年および2012年に実施した『減災調査』の結果との比較検証も行いました。

【調査結果】

SNSは被害軽減につながると7割の人が認識も、実際に投稿した人は2割以下

~全体の7割がSNSに投稿することが減災活動につながると認識~

東日本大震災が発生した後、インターネットを使った情報の伝わり方や信頼性について話題になりました。そして、震災から4年経ち、スマホの更なる普及によってインターネットがより身近になりました。ウェザーニューズは、現在における災害時のSNS(Social Networking Service)の活用について調査するため、「災害時、SNSに状況を投稿することは減災活動につながると思いますか?」と質問し、“つながる”“つながらない”から選んで回答してもらいました。結果、“つながる”が73%、“つながらない”が27%となり、全体の7割以上がSNSに投稿することが減災活動につながると考えていることがわかりました。
また、回答者から寄せられたコメントを見てみると、特に、災害時にSNSへ投稿されている情報を受けることに積極的な傾向が見られました。

▼“つながる”と回答した方のコメント
・リアルタイムに情報を発信したり取り入れたりできるから。
・震災時は、地域により情報不足になりやすい反面、未確認情報も存在するので、情報入手方法は多くあった方がよい。
・災害時は停電になることが多くTV等の情報は得ることができない。防災無線も聞き取り難い等、多々問題はある。SNSは身近であるし、家族の連絡を取るために必ず携帯は持って避難する。電波が届く状態であれば非常に有効である。反面誤った情報が流れると混乱も起こるし、二次災害が起こる可能性もある。災害時の投稿ルール、マナーが守られる事が重要になると思う。
・テレビやラジオなどでは流れてこないピンポイントの情報をリアルタイムで得ることができるから。震災の時、ツイッターで流れていた、ガソリンスタンドやスーパーの情報、道路状況などが参考になった経験があり、危険回避や落ち着いた行動に結びついたと思うので。
・広範囲の情報をいち早く入手可能で、判断力の材料になりうるから。

▼“つながらない”と回答した方のコメント
・私の周りには、SNSを利用し混乱したことで、嫌な思いをされた方がいました。正しい情報が正確に伝わらない大変な時に、嫌な思いをしたり、混乱に巻き込まれたくありません。
・情報が溢れ過ぎ、確実な情報なのかが判断出来ない。ツールに頼り過ぎると、使用出来ない時に自分の判断での行動がとれない人が増える。
・焦りや思い込み、不安な気持ちで、書き込まれてしまい、確実な情報か解らず、振り回される恐れがあるから。
・全員が一斉に使えばシステムがパンクするので、一時的に必要な人が使えなくなると思うから。

~災害時、SNSに投稿したことがある人は2割以下、自ら情報発信することには消極的~

また、「災害時、あなたはSNSに投稿したことがありますか?」と質問し、“ある”“ない”“SNSを使ったことがない”から選んで回答してもらいました。回答を分析した結果、“ある”が19%、“ない”は63%、“SNSを使ったことがない”が18%となりました。SNSへの投稿が減災活動につながると考える方は7割以上であるのに対し、災害時、実際に投稿したことがある方は2割に満たないことがわかりました。このことから、「受け手」としてSNSの情報を積極的に使いたいと思っている人が多い一方で、「送り手」として自分から情報発信を行うことには消極的な傾向があると言えそうです。

年代別では、投稿経験のある方が最も多い世代は20代で3人に1人、年代が上がるにつれて投稿したことがある方の割合が減少し60代以上で10人に1人と非常に少ない結果となりました。「送り手」としての積極性は若年層ほど高く、高齢になるほど減少していくようです。
また、男女別に分析すると、男性は“ある”が21%、“ない”が64%、“使ったことがない”は15%、女性は“ある”が17%、“ない”が61%、“使ったことがない”は22%となり、男性のほうがやや積極的にSNSへ投稿しているようですが、男女間で目立った違いはみられませんでした。都道府県別に分析したところ、経験したことがある方の割合が多いのは福島県、徳島県、秋田県、長野県、宮城県、東京都(全て23%)となり、最も少ない県は香川県、鹿児島県(11%)となりました。全体的に北日本ほど“ある”と答えた方が多く、西日本ほど経験者が少ない傾向が見られました。

また、「災害時、SNSに状況を投稿することは減災活動につながると思いますか?」という質問に“つながる”と回答した方を、SNSの利用経験の有無で分析したところ、普段SNSを使っているかどうかに関わらず、災害時のSNSへの投稿は減災活動につながると考えている方が6割以上いることがわかりました。特に、これまでに災害時に投稿した経験のある方で“つながる”と考える方は87%と最も多く、経験者ほどSNSの重要性を感じている傾向がみられました。

全体の8割が非常食を準備!最も準備しているのは宮城県民で約9割が非常食を備蓄

~ただし、震災時に用意した非常食はそろそろ期限切れの恐れも~

万が一被災したときのために、どれだけの非常食を備えているのか調査するため、「非常食はありますか?」との質問をし、“水+食料”“食料のみ”“水のみ”“ない”から選択して回答してもらいました。その結果、“水+食料”が47%、“水のみ”が18%、“食料のみ”が13%、“ない”が22%となり、2人に1人が“水+食料”を準備していることが明らかになりました。 震災前に実施した『減災調査2010』では、“水+食料”が37%、“水のみ”が14%、“食料のみ”が10%、“ない”が39%となっています。また、震災から1年半後に実施した『減災調査2012』では、“水+食料”が52%、“水のみ”が16%、“食料のみ”が10%、“ない”が22%でした。このことから、震災以前に非常食を準備している方は約6割であったのに対し、現在は約8割が非常食を準備しており、多くの方が震災の翌年と同程度の非常食を準備していることがわかりました。

また、都道府県別に分析したところ、最も非常食を準備している地域は宮城県で約9割の方が備蓄しており、東日本大震災を経験した太平洋側のエリアほど、準備している割合が多い傾向が見られました。震災を経験したことで災害に対して高まった意識が現在も継続されていると考えられます。
ただ、震災時に用意した非常食はそろそろ期限切れの恐れもありますので、十分に備蓄されている方でも再度ご確認することをおすすめします。

非常食の備蓄量は全国平均3.3日分!宮城県は4人に1人が1週間分を備蓄

非常食の備蓄量を調査するため、「非常食は何日分用意していますか?」と質問し、“約1日分”“約3日分”“約1週間分”“ない”から回答してもらいました。結果、“約3日分”準備している方が43%と最も多く、全体平均では3.3日分の非常食を備えていることがわかりました。

震災前に実施した『減災調査2010』では、“約1日分”が11%、“約3日分”が33%、“約1週間分”が11%、“ない”が45%となっています。また、震災から1年半後に実施した『減災調査2012』では、“約1日分”が18%、“約3日分”が42%、“約1週間分”が12%、“ない”が28%でした。震災以前の調査では、1日から7日間程度の食料を備蓄している方は5割の方(1日分と3日分と1週間分の合計)しかいなかったのに対し、現在は7割まで増加していることから、震災の翌年と同程度の備蓄量を保っていることがわかりました。

避難の判断基準は?自身で考え判断する人が約半数と増加傾向

避難するときの判断基準に変化があったか調査するため、「避難するときのあなたの基準は何ですか?」と質問し、“自治体の避難指示・勧告”“周囲の様子”“自分で状況を判断”から回答してもらいました。結果、“自治体の避難指示・勧告”は25%、“周囲の様子”は30%、“自分で状況を判断”は45%となり、自分で判断する方が半数近いことがわかりました。
また、2010年や2012年の結果と比べると、“自治体の避難指示・勧告”の割合が年々減少し、反対に“自分で状況を判断”の割合が2010年は30%、2012年は40 %、今年は45%と増加傾向であることがわかります。震災以降、自分の身は自分で守るという意識がじわりと増加しているようです。

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[ウェザーニューズ]
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