「書籍・電子書籍」に関する意識・実態調査(1年間に1冊以上本を読む20~40代男女対象) 

2015年04月23日
生活者の意識・実態に関する調査を行うトレンド総研は、消費者の“本”との接し方についての実態を探るべく、1年間に1冊以上本を読む20~40代の男女500名を対象として、「書籍・電子書籍」に関する意識・実態調査をおこないました。

【調査結果】

■ 普段の読書形態、「紙の本」優勢の一方で、「電子書籍」とのダブル使い派も

まず、普段の“読書形態”について、「紙の書籍」、「電子書籍」のどちらで読書をしているかを調査しました(小説・漫画・実用書・雑誌などジャンルは問わず)。
その結果、「紙の書籍だけを読む」と回答した人が圧倒的に多く77%。「電子書籍だけを読む」と回答したのはわずか7%にとどまったものの、「紙・電子書籍のどちらでも読む」人は16%いることが分かりました。
「電子書籍」が登場し始めた当初は、閲覧可能なブックリーダーを持っているかどうかでその活用率に差がついたことが想定されますが、スマートフォンやタブレット端末などで容易に「電子書籍」が閲覧できる今、その傾向は変化してきていると考えられます。
そこで、「電子書籍」が閲覧可能なデジタルデバイスの保有率と、そのデバイスでの「電子書籍」の利用経験(過去1年以内を目安とした利用経験)を聞いたところ、利用経験がもっとも多かったのは「スマートフォン」(27%)で、保有率と比例した結果であると言えます。スマートフォンの保有率は66%、タブレット端末は31%と、全体で94%の人が「電子書籍」が閲覧できるデバイスを持っている一方で、実際に閲覧したことがある人は45%と半数程度となりました。

■ 年代差が開いた「電子書籍」のメリット…20代の理由1位は「すぐに読める」利便性

次に、「電子書籍」を読んでいると答えた人に対して、その理由を探ると、「無料で閲覧・入手可能な本があるから」(53%)、「読みたいと思ったときにすぐに読めるから」(51%)が上位に。また、「本を保管するスペースがとられないから」(50%)、「持ち歩きに便利だから」(49%)など、「紙の書籍」にはないポイントにメリットを感じる人が多いようです。
特に若年層ほどこの傾向が強く、20代の「電子書籍」利用者の理由としてもっとも多かったのは、「読みたいと思ったときにすぐに読めるから」(65%)、続いて「持ち歩きに便利だから」(54%)。「読みたいと思ったときにすぐ読めるから」では、40代の利用者(39%)と比較すると、約1.6倍の差が出ています。30代も20代と同様の回答傾向でしたが、40代利用者の理由としてもっとも多かったのは「本を保管するスペースがとられないから」(61%)で、「無料で閲覧・入手可能な本があるから」(47%)が続き、年代によって異なるポイントにメリットを感じていることが明らかになりました。

■ 約3人に1人がキュレーションサービスを活用。「本」以外の“入り口”からの情報接点も

続いて、「紙の書籍」、「電子書籍」といった形態や、コンテンツのジャンルに関わらず、「本」全般との情報接点について調査をおこないました。読む「本」を選ぶ際に参考にしている、または、「本」の情報収集源にしているものとしては、「書店でのPOPなど書店員による情報」(33%)、「オンライン書店などでのユーザーのレビュー」(29%)が僅差でトップ2に。「本」に関するプロである書店員と、本好きの一般ユーザーという差はあるものの、「紙の本」と「電子書籍」は、情報収集源が類似していると捉えられます。そのほかには、「雑誌・新聞など紙の媒体の書評」(24%)、「オンライン書店のWEBサイト・アプリ」(22%)なども参考にされているようです。

日々大量の情報が発信され、情報収集方法が多種多様にある現代において、「本」の情報に限らず、消費者の情報収集の方法や、情報との接点は変化し続けていると言えます。増加する一方の情報量の中で、何が自分にとって価値のある情報かを効率的に見極める方法や、情報の信頼度などが問われ、情報収集ツールと呼ばれるのは、情報選別のためのものであることがほとんどです。数ある情報収集ツール・サービスの中でも特に多くの新サービスが登場しているカテゴリは、情報の取捨選択をした上で整え、その結果、ユーザーと親和性の高い情報を提供する「キュレーションサービス」でしょう。特定ジャンルに偏らず総合的に情報を発信しているものから、最近では食やファッション、旅行など、特定のジャンルの情報に特化したキュレーションサービスも登場しており、情報の取捨選択や情報との接点は、今後ますます多様性を増していくと考えられます。

こうした背景をふまえ、「本」の情報収集においてもキュレーションサービスが使用されているかどうか、さらに、「本」と消費者との情報接点・接触について、「本」とは関連のない情報に触れることによって、「本」を購入したり、手に取るきっかけになり得るかどうかについて、その可能性を探りました。

「本」に特化していないキュレーションサービスを選択肢として、「本」の情報に触れたことがあるかを聞いたところ、33%と約3人に1人が「ある」と回答。具体的には、「NAVERまとめ」(70%)、「掲示板のまとめサイト」(41%)といった、総合的な情報が網羅されているキュレーションサービスでの情報接触が多い結果に。これらに続いたのは、女性向けのファッション・美容やライフスタイル情報を主に取り扱う「MERY」(7%)や、ファッションや雑貨、インテリアなどのライフスタイル情報を中心とした「キナリノ」(6%)で、共に特化型であり、ライフスタイル情報が主であるという共通点があると言えます。
また、「本と直接的に関連がない話題・情報に触れたことや、店舗に行ったことなどがきっかけで、本を読みたくなった・読んだ経験はありますか?」という質問に対しては、約7割が「ある」と答えており、「本」と消費者との情報接点のポイントが、「本」以外の面に広がっている様子がうかがえます。

今回の調査は、「本」を取り巻く環境が変化している中での消費者の読書形態の実態が改めて明らかになったと同時に、「本」との情報接点の変化が垣間見える結果となりました。


【調査概要】
・調査期間:2015年4月6日~4月7日
・調査対象:20~40代 男女 500名
 ※性別・年代別に均等割付
 ※1年間に平均して1冊以上本を読む方
 内訳:1週間に数冊以上 13% / 1週間に1冊程度 23% / 2~3週間に1冊程度 17% / 1ヶ月に1冊程度 22% /2~3ヶ月に1冊程度 13% /半年に1冊程度 6% / 1年に1冊程度 6%
・調査実施機関:楽天リサーチ株式会社
・調査方法:インターネット調査

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