同居・近居に関する調査 

2015年05月07日
野村不動産アーバンネットは、「同居・近居に関する調査」を実施。
近年、注目を集めている居住形態が“二世帯近居(以下、近居)“という住まい方です。世帯を持つようになると、直面するのが親との関係性。別居を選ぶ人もいれば、二世帯住宅を選ぶ人もいます。一緒に住むわけではないけれども、最寄駅を同じにするような近いエリアに住んだり、同じマンション内で別フロアに住む、といったように、お互いの家を気軽に行き来できるような距離で別々に住むという居住形態が“近居”です。
そこで、実際に “同居”・“近居” をしている親世代・子供世代に、現在の居住形態や、居住形態を選ぶにあたって譲れないポイントなどを調査いたしました。

【調査結果のポイント】

・“近居”している人の 8 割が現状に満足しており、“同居”よりも満足度が高い 結果

・プライベートを確保したいというのが、“同居”ではなく“近居”を選ぶ理由 結果

・“同居”している人は、“近居”の「ほどよい距離感」を羨ましいと思っている 結果

・親を心配している子世代、孫に会いたい親世代が“近居”を選択している 結果


調査の結果、「親・子供の面倒を近くで見たい」という意見が多い一方で、「プライベート空間を確保したい」という意見も多く、“近居”という住まい方はこれからますます注目されるでしょう。

【調査結果】

【1】 現在、“近居”している人の 8 割が現状に満足しており、“同居”をしている人は「ほどよい距離感」を求める傾向に

“近居”をしている人、“同居”をしている人それぞれに、“近居”のメリット 4 つを説明したうえで、「どのような居住形態にしたいか」を質問しました。
結果、“近居”をしている人は「今のままがいい」が 84.0%と大多数を占めましたが、“同居”をしている人については67.6%で、“同居”よりも“近居”の方が居住形態への満足度が高いという結果となりました。
“同居”している人が“近居”したいと考える理由としては、
・同居だとお互いの生活観の違い、騒音などがうるさい、生活に口を出されるのがうるさい
・近からず、遠からず、というのが理想
といった意見が見られました。親の年齢などを考えると離れられないが、“同居”だとプライベート空間もしくはプライバシーに関して敏感になり、「近からず、遠からず」というほどよい距離感が保てる“近居”を理想と考える人が多いことがわかりました。

【2】 プライベートを確保したいというのが、同居ではなく近居を選ぶ理由

現在、“近居”をしている人に、“同居”を選択しなかった理由を質問しました。
現在“近居”をしている人が“同居”を選択しなかった理由の最多回答は、「プライベートを保ちたいから」で 63.8%。続いて多かったのは、「ライフスタイルが違うから」の 52.4%となり、起床・就寝時間や食事の時間、お風呂の使い方などの違いから親世代と子世代でストレスが生まれることを避けて、お互いのライフスタイルを尊重しあいたいと考えている人が多いことがわかりました。以降、「夫婦水入らずで過ごしたい」が 17.9%、「嫁姑問題が気になる」が 15.0%で続きました。お互いの過剰な干渉を避けたいという理由で、“同居”を避ける傾向にあるようです。

また、現在、“同居”をしている人に、“近居”について感じるメリットを質問しました。
圧倒的に多かった回答は「ほどよい距離感」で 73.9%、次に「共働きが可能」が 13.8%、「子育てのサポート」が 6.9%と続き、子育て世代にとっての身近にサポートを頼める人の存在の重要さが伺えます。

【3】親を心配している子世代、孫に会いたい親世代が「近居」を選択している

居住形態を選ぶにあたって妥協できない点はどういったところなのでしょうか。
30-49 歳、50-69 歳の両年代それぞれに、親視点・子視点に立って回答をしていただき、その結果をまとめました。
まず、子視点からの回答は、両年代共に一番多かったのが「親の様子が心配」で 61.6%と 77.0%となり、近居を選ぶ理由のトップが「プライベートを保ちたいから」であった一方で、相手を思いやる気持ちがとても強いようです。
また、30-49歳の子世代からは、「共働きだから、子供の面倒を見てほしい」、「経済的支援を受けたい」という回答も目立ち、子育て世代における所得の伸び悩みの影響を感じられます。

一方で、親視点からの回答では、「孫のそばにいて、成長を見たい」という意見が両年代共に 40%台の結果となりました。
相手の様子が気になるという点は両年代に共通する意見となりましたが、「子供の様子が心配」、「経済支援をしてあげたい」については、50-69 歳の親世代と 30-49 歳の子世代の意見の差がありました。親というのは子供がいくつになっても心配するものだということが伺えます。

【4】実際に近居をしているからの声 - 「ほどよい距離感」なのに「すぐに駆けつけられる」
実際に近居している人はどういったことが良かったと感じているのか質問しました。

<ほどよい距離感>
・お互い助け合いながら、深く干渉しないちょうど良い距離
・お互いに好きに過ごせている
お互い干渉しあわないちょうどよい距離感が“近居”の魅力と感じているようです。

<すぐに駆けつけられる>
・同じマンションの上、下なので、つかず離れずの関係で用事が有れば電話がきて、駆けつけるとか、電話が無くても様子を見にいける
ほどよい距離感だけではなく、何かあったときにすぐに駆けつけられるのは、安心感にもつながります。

<関係の修復も>
・今まで、金銭、食事、洗濯など親に任せきりだった娘が、結婚して、近くに離れた事によって、喧嘩が絶えなかった親子関係が、お互い良い関係を保てるようになった
・以前、同居していた時には思いやりが持てなかったが、今は変わった

<経済的なメリットも>
・子供を見て貰え、経済的にも助かる
・経済的にもいいと思うし孫たちとも接し楽しい日々を過ごせる
・経済的に有利です
“近居”によって経済的なメリットを享受しているという意見も多く見られました。

<嫁・姑問題の回避に>
・気兼ねなく生活できるところが一番いいです、親と同居すると妻の方が気を使わなければならないので
嫁・姑問題は多くの家庭にとって悩ましい問題。“近居”であれば、直接会う機会が減るので、揉めるきっかけも自ずと減ることになります。


【調査概要】
・調査期間:2015 年 3 月 25 日~3 月 30 日
・調査対象:
 親と同居・近居している 30~49歳の男女 125 名
 子と同居・近居している 50~69歳の男女 125 名、計 500 名
・調査方法:インターネット調査

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