民間企業における「2015年 夏季賞与」実態調査 

2015年06月23日
エン・ジャパンが運営する人事担当者向け中途採用支援サイト「エン 人事のミカタ」上でサイトを利用している299社を対象に「2015年 夏季賞与」についてアンケート調査を行いました。

【調査結果概要】

夏の賞与支給時期が到来。日本経団連の発表によると大手企業の2015年夏のボーナス平均妥結額は91万3106円と、昨年夏より2.43%増え、3年連続の伸びとなっています。金額は7年ぶりに90万円台と、2008年のリーマンショック以前の水準に近づいているようです。

★ 33%の企業が「2014年よりも夏季賞与を増額予定」と回答。
「増額予定」の回答が多かった業種トップ3は「広告・出版・マスコミ関連」、「金融・コンサル関連」、「商社」。
★ 賞与の増額率、約半数の企業が「1~5%未満」と回答。増額理由は「業績が好調」「社員の意欲向上」。
★ 景気回復を「実感できていない」と回答した企業が、「実感できている」と回答した企業を上回る結果に。

【調査結果詳細】

1:33%の企業が「2014年よりも夏季賞与を増額予定」と回答。「増額予定」の回答が多かった業種トップ3は、「広告・出版・マスコミ関連」、「金融・コンサル関連」、「商社」。

「昨年の夏季賞与支給額と比較して、2015年の支給予定額に変化はあるか」と伺ったところ、54%の企業が「昨年と変わらない」と回答したものの、「増額予定」とした企業は33%と2年前の同調査(25%)に比べ8ポイント増加しました。円安の影響から輸出関連の企業が業績好調であることや、政府の賃上げ要請が賞与増額の一因となっているものと考えられます。
従業員規模別では、1001名以上の企業は賞与を「減額予定」と回答した企業がありませんでした。業種別でみると、全業種で「増減予定」が「減少予定」を上回っていることから、景気の回復基調を感じられる結果となっています。また、「増額予定」の回答が多い業種トップ3は「広告・出版・マスコミ関連」(46%)、「金融・コンサル関連」(44%)、「商社」(41%)となりました。

2:賞与の増額率、約半数の企業が「1~5%未満」と回答。増額理由は「業績好調」「社員の意欲向上」

夏季賞与を「増額予定」と回答した企業に増額率とその理由を質問したところ、もっとも多かったのは、「1~3%未満」(24%)、次いで「3%~5%未満」(21%)でした。増額理由の第1位は「業績が好調」(80%)、第2位「社員の意欲向上」(54%)です。ベースアップを実施した企業からは、賞与は給与を基準に試算されることから『給与の増額に伴って賞与も増額』という声もありました。

3:賞与を「15%以上」減額予定とする企業は27%。減額理由は「業績不振」。

夏季賞与を「減額予定」と回答した企業に対して、減額率と理由を質問したところ、もっとも多かったのは、「15%以上減」と「わからない」という回答が同率の27%でした。減額の理由は、 「業績不振」(73%)という回答が圧倒的に多く挙げられました。

4:景気回復を「実感できていない」と回答した企業が、「実感できている」と回答した企業を上回る結果に。

昨年と比較して「景気の上昇・回復」を実感しているかという質問について、「感じない」(「どちらかというと感じない」「まったく感じない」の合算)と回答した企業が40%で、27%の企業が選択した「景気の上昇・回復を実感できている」(「非常に感じる」、「どちらかというと感じる」の合算)を上回る結果となりました。『会社の業績は上がっても、手取りは増えていない』、『増税によるマイナスが大きい』など、まだまだ景気回復が労働者の実感にはつながっていないことがうかがえます。

非常に感じる・どちらかというと感じると回答された企業の理由
•客単価が上昇している。(流通・小売関連)
•採用環境の変化や、報道の内容。(サービス関連)
•顧客企業の業績改善の為、前年比5%アップ程度売上が伸びています。(不動産・建設関連)
•出張時のホテル等が予約しにくい。稼働率が高まっている。(IT関連)
•在庫調整もあり生産量は大きく変わらないが安定した受注が望めるため。(メーカー)
•取引先との面会時に必ず仕事量について尋ねるようにしているが、ほとんどが「仕事が増えている」と答えたため。(メーカー)

変化はないと回答した企業の理由
•株価は上昇したが、為替の影響によるもので国内の経済状況はあまり好転していないと感じる。店頭での商品の動きなども、大きな変化はない。(サービス関連)
•顧客の顧客(最終的な購買者)の価格に対する意識・購買意欲や量に変化がみられないから。(メーカー)
•リーマンショックや震災期より回復しつつあると思うが、日経平均程とは思えない。(広告・出版・マスコミ関連)
•まだ数字に反映されていない。(商社)
•建築業界全体は景気回復しているが、作業単価の見直しが伴っておらず収益増加に結びついていない。(不動産・建設業界)

まったく感じない・どちらかというと感じないと回答した企業の理由
•一部の大企業だけが円安の恩恵を受けていて、中小企業には実感できない。(IT関連)
•私自身スーパーに買い物へ行っても、景気の恩恵があるとは感じない。(広告・出版・マスコミ関連)
•仕事は増えているが原材料高騰等の要因があり、賃金・賞与が上昇していない。(不動産・建設業界)
•物価が高くなり材料費等が高騰しているのに加え、受注もゆるやかな回復にとどまっているため。(メーカー)
•売り上げ増、収益増と実感する事業体は一部。(金融・コンサル関連)
•消費税が上昇しているのにも関わらず給与体系も現状維持で実際に業績も厳しい状況。回復とは一概には言えない状況下であります。(不動産・建設関連)

わからないと回答した企業の理由
•輸出産業を中心に「良い」という情報が大きく報道されているが、販売価格値上げによる国内消費不振の傾向も出ており、何をもって良い・悪いかの判断がつきづらい。(サービス)
•売り上げの大部分を親会社に依存。親会社の業績次第で景気の上昇・回復を実感できるかと言われるとわからないというのが回答になります。(サービス関連)
•増税によるマイナスも大きく、上向きと感じる時もあれば減速と感じる時も多いため。(IT業界)


【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:『エン 人事のミカタ』利用企業 299社
調査期間:2015年4月15日 ~ 2015年5月19日

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[エン・ジャパン]
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