『外国人観光客市場とプロモーション活動』に関する現状と課題調査 

2015年08月05日
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)と実践女子大学人間社会学部准教授 斎藤明(以下 斎藤明研究室)は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」会員モニターの、観光関連サービス業に従事するビジネスパーソンを対象として、『訪日外国人観光客(以下、インバウンド)』獲得に向けたプロモーション(インバウンド・プロモーション)活動の現状、さらにインバウンド市場獲得に向けて高い注目を集める、英語または英語以外の外国語でのSNS活用についての現状と課題について調査しました。本調査は、NTTコム オンラインと斎藤明研究室が共同で調査の企画・設計・分析を行ったものです。

【調査結果の総括】

インバウンド市場は、対前年比において顕著な増加を示しており、魅力的な市場機会であると同時に、今後の優先課題であることが伺える結果となりました。
増加傾向にあるインバウンドへの対応として提供されているサービスとして、クレジットカード決済や英語での情報提供に加えて、Wi-Fi等のインターネット接続環境の提供もすすんでいる状況が伺える結果となりました。また今後のインバウンド・プロモーション活動での課題として、「情報発信充実」「能力向上」「連携強化」の3つの課題領域が伺える結果となりました。
インバウンド・プロモーション施策として、多言語(英語または英語以外の外国語)でのSNS活用への高い注目が伺える一方、課題として、運用に関する人的リソースの不足や迅速な対応が出来ないこと等があげられる結果となりました。
SNS上のインバウンドの意見の調査・分析については、実施意向の無い回答に比して、実施予定および検討中が高い割合を示し、今後、インバウンドのニーズにあう商品・サービスの充実に向けた活用への期待が伺える結果となりました。

【調査結果のポイント】

(1)   インバウンド市場対応が今後の優先課題としたのが、約半数
インバウンド市場獲得を今後の優先課題(「どちらかといえば、あてはまる」、「あてはまる」「非常にあてはまる」の合計)である回答が、48.5%となり、約半数を占める結果となりました。加えて、インバウンド市場を魅力的な市場と捉えている回答者も50.8%と過半数となる結果となり、インバウンド市場への関心の高さが伺えました。

(2)   インバウンド増加状況について、対前年比:120%以上は 3割以上
同市場の獲得を今後の優先課題でかつ、魅力的な市場と捉えている就業者(43.2%)に限定した場合、インバウンド増加状況について、「対前年・2割以上の増加」が33.4%と最も高い割合を示し、続いて「対前年・1割以上の増加(21.4%)」、「対前年・1割未満の増加(21.1%)」との結果となりました。
一方、インバウンド受入への不安について「英語や英語以外でのコミュニケーション」が54.8%と最も高く、次いで「外国人観光客のマナー(44.6%)」、「英語や外国語(英語以外)での案内(31.9%)」、「接客ノウハウ(30.3%)」、「外国人観光客のニーズにあう商品・サービスの拡充(27.6%)」の結果となりました。

(3)   インバウンド対応のための提供サービスでは「インターネット接続(Wi-Fi等)」が4割
インバウンド対応として、現在提供しているサービスについて、「クレジットカード決済」が55.4%と半数を超え、次いで、パンフレットや利用ガイド等の「英語での案内(53.9%)」「英語でのHP(47.7%)」と上位をしめる一方、「インターネット接続(Wi-Fi等)(40.9%)」が4割を超える結果となりました。

(4) インバウンド・プロモーション活動での課題は「情報発信充実」「能力向上」「連携強化」
今後のインバウンド・プロモーション活動での課題について、「情報発信充実」「能力向上」「連携強化」の分野において、それぞれ「広報・情報発信の充実(33.1%)、英語HPの開設(32.2%)」、「従業員の語学力(37.5%)、接遇スキル(37.2%)向上」、「観光協会(29.7%)、国内の旅行会社(29.1%)海外の旅行会社(27.6%)、との連携強化」が上位を占める結果となりました。

(5) インバウンド・プロモーション施策として、注目を集める多言語によるSNSの活用
インバウンド・プロモーション活動での現状での取り組みに関連して、「英語や他の外国語でのSNSの開設」の現在の実施(「積極的に実施」「ある程度実施」の合計)状況(英語22.9%、他の外国語22.3%で取り組み項目のうち最下位)に比して、今後の実施(「実施予定・準備中」、「実施検討中」の合計)予定については、「英語でのSNS開設」42.1%、「英語以外の外国語でのSNS開設」41.5%と高いポイントを示し、インバウンド市場獲得に向けて多言語でのSNS活用への注目の高さが伺える結果となりました。

(6) 多言語でのSNS運用への課題は、「迅速な対応」と「人的リソース不足」
英語または英語以外の外国語でのSNSを運用する理由としては、「インバウンドのSNS利用が多い(56.3%)」、「インバウンドからの問い合わせへの迅速な対応(47.4%)」があげられる結果となった一方、英語または英語以外での外国語でのSNS運用に関する課題として、「運用人材の不足(46.6%)」、「SNS上での問合せ等への迅速な対応ができない(42.1%)」があげられる結果となりました。

(7) SNS上でのインバウンドの意見の分析と活用が期待
インバウンド受入に際しての不安として、「外国人観光客のニーズにあう商品・サービスの充実(27.6%)」があげられ、加えて英語または英語以外の外国語でのSNS運用の理由として、「インバウンドの意見を聞きたいから(27.2%)」があげられていることに関連して、SNS上の外国人観光客の意見(以下、インバウンド・データ)を活用した調査・分析の実施状況について、「実施予定・準備中」が35.7%と最も高く、次いで「実施を検討中(29.6%)」、と「行うつもりがない」の6.1%)に比して、それぞれ、高い値を示す結果となり、今後インバウンド・データの分析と活用への期待される結果が伺えました。


【調査概要】
調査対象: 「NTTコム リサーチ」登録モニター
調査方法: 非公開型インターネットアンケート
調査期間: 平成27年6月25日(木)~平成27年7月2日(木)
有効回答者数: 747名
回答者の属性:
【業種】:小売業:10.3%、飲食業:7.4%、宿泊業:17.5%、旅客運輸(鉄道・飛行機・タクシー等):29.7%、観光:11.6%、スポーツ・娯楽・演劇・施設:3.7%、医療関連:6.8%、その他:12.9%

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