ミャンマーにおけるビジネスパーソンを取巻くメンタルヘルス環境の新傾向を調査 

2015年08月06日
渡航医学の調査研究をおこなう関西福祉大学 勝田吉彰研究室は、ミャンマー駐在ビジネスパーソンを取巻くメンタルヘルス環境について継続的に調査しております。

ミャンマーにおけるビジネスパーソンはインフラ関連・現地人の扱い・感染症など多彩なストレス要因にさらされていることが判明、さらに、ストレス要因としての「日本の本社」の萌芽がみられました。また、将来のアルコール問題発生のリスクが見通せる結果となりました。

【調査結果のポイント】

(1) ミャンマー駐在者のストレス要因は通信インフラ・生活インフラ・交通インフラ

(2) 現地人(ミャンマー人)との付き合い方も困惑要因

(3) 余暇の過ごし方からアルコール問題の発生余地がうかがえる

(4) 感染症の存在がストレス要因に(狂犬病・デング熱・肝炎)


【調査結果】

(1) ミャンマー駐在者のストレス要因は通信インフラ・生活インフラ・交通インフラ
ストレスを感じる要因としてネット回線の不備・居住用家屋の不足・急激に悪化した渋滞とそれに代わる公共交通機関の不足が多数を占めました。さらに、数は多くないながらストレス要因として「日本の本社」の萌芽がみられています。

(2) 現地人(ミャンマー人)との付き合い方も困惑要因
経済発展とともに変化するミャンマー人気質。突然家賃の倍増を要求され交渉余地なく退去を余儀なくされるなど、従来の書籍に書かれている「純朴で親日なミャンマー人」と異なるイメージに当惑するケースが見られています。また、アルコールが入るとともに部下のミャンマー人どうしが投石を始めた、受傷に至る喧嘩になった等、ミャンマー人気質に関する情報が不足しているゆえの当惑が認められます。

(3) 余暇の過ごし方からアルコール問題の発生余地がうかがえる
余暇の過ごし方はインターネットが首位ながら、飲酒(複数で飲み)>カラオケ=飲酒(ひとり酒)とアルコール関連が首位を占めました。これは本研究者が前職時代、スーダン・セネガル・中国で目撃したのと同様現象で、将来のアルコール依存症等メンタル問題や健康問題発生が懸念されます。これは現地外国人向け医療機関の受診状況からも推測されるところです。

(4) 感染症の存在がストレス要因に(狂犬病・デング熱・肝炎)
市街中心地における大量の野良犬闊歩に可視化される狂犬病、今年前半で1万例越えのデング熱がストレス要因として認識されていますが、実際には他に消化器感染症(赤痢アメーバ・ジアルジア)や寄生虫疾患(顎口虫など)が問題化しています。


【調査概要】
調査方法   :アンケート調査および聞取り調査
調査期間   :2014~15年2月(学術論文として掲載 日本渡航医学会誌)
回答者の属性 :日本企業駐在員・外国企業駐在員・自営業者。

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