「防災意識と対策の現状」についての調査 

2015年08月18日
オレンジページ「くらし予報」では「防災意識と対策の現状」について調査しました。
この数字をどう見るかは、個々人の防災意識によって異なると思われますが、報道・広告のキャンペーン、自治体の呼びかけなどに比べると、日本人の「自分だけは大丈夫だろう」という“ぼんやりとして危うい”防災意識がうかがえる結果となりました。

【調査ダイジェスト】

・防災用品の備えは東高西低。東北70%、近畿43%、九州30%

・災害用伝言ダイヤルを「きちんと使える」人は10.2%

・災害体験者は「日ごろの備えと近所づきあいが大切」と回答


【調査ダイジェスト】

防災用品の備えは東高西低。東北70%、近畿43%、九州30%

「ご自宅に防災用品を備えていますか?」という問いに対して「備えている」という回答は全国で51.5%。これを地域別に見ると東北では70.0%、近畿では42.7%、九州では30.0%と、防災用品の備蓄状況からみた個人の危機管理態勢は東高西低という結果が出ました。東日本大震災はまだ生々しい記憶とともに教訓として残っていますが、起きてすでに20年がたった阪神・淡路大震災はすでにやや遠い記憶となって薄れているのでしょうか。
防災用の備品中、食料・飲料カテゴリーでの1位は水が84.0%、2位はカップラーメンなどのインスタント食品が62.6%、次いで非常食、お菓子という順番でした。定番のイメージがある乾パンは27.2%で7位という結果に。しかし、それら食品の消費期限の管理となると「気が向いたときに見る程度」が60.2%と、備えただけで満足しているともとれる家庭もすくなくありませんでした。
また、居住地域の避難訓練については「年に1回以上参加している」が7.5%、「参加する年と、しない年がある」が16.3%というのに対し「参加していない」が76.2%と、圧倒的な1位。避難場所についても「なんとなく知っている」人が44.0%と「きちんと知っている」40.8%をわずかに抜き、これも「なんとなく大丈夫」と考えがちな日本人の危機意識をうかがわせる結果となりました。

災害用伝言ダイヤルを「きちんと使える」人は10.2%

「契約している通信会社の災害用伝言ダイヤル(伝言板)を使えますか?」の問いには「なんとなく使えそう」47.4%、「使えなそう」42.4%という、“どちらかといえば使えない”人たちに対して「きちんと使える」人はわずか10.2%と、ここでも「なんとなく」な危機管理態勢が露顕しています。
災害時の家族間の取り決めに関しても「集合場所を決めている」「まずは自分の身の安全を確保」という多数回答のほかに「メールや電話で連絡を取り合う」という回答も少なからずありました。阪神・淡路、東日本の両大震災のときもメールと電話が数日間ストップしたことを考え合わせると、早急に家族間の取り決めを具体的にしておく必要がありそうです。

災害体験者は「日ごろの備えと近所づきあいが大切」と回答

実際に被災した人たちの回答には「近所どうしで助け合ったので、日ごろのおつきあいが大切です」という内容のものも多くありました。「いざというときに助け合えるご近所のかたはいますか」という問いには「いる」、「いない」がおおよそ半々。都市部では隣の家の家族構成も顔も知らないということも多い昨今ですが、災害というフィルターを通してみると、このことはおろそかにはできない問題です。
状況がいったん落ち着いて避難状態となったときも「体験者の話によると“本当に遠くの親類より近くの他人”だそう」(40歳女性・専業主婦)、「人と人とのつながりが大事。避難所で見知らぬ人どうしが助け合っていたから」(35歳女性・専業主婦)などの回答は大きな教訓となります。
そして時間がたつと「喉もと過ぎれば……」という状態も訪れます。しかし、「停電で全室の空調がストップしたので“電気以外の暖房器具も備えよう、車は常にガソリンを満タンにしておこう”と決意したのに、結局まだしていません。でも、懐中電灯、乾電池、ラジオ、水は常に用意、補充。これだけはずっと続けています」(45歳女性・その他)という東日本大震災の被災者の回答が、最低限の備えの指針となるのではないでしょうか。


【調査概要】
調査対象:オレンジページくらし予報モニター会員・女性(有効回答数)958人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2015年6月19日〜6月23日

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