備蓄に関する調査(震災経験者対象) 

2015年08月26日
「水を考えるプロジェクト」は、“生活者”と“水”についての意識・実態調査をおこなっています。当プロジェクトでは9月1日の“防災の日”を前に、東日本大震災経験者(東北在住)262名、阪神大震災経験者(近畿地方在住)264名の計526名を対象に、人が生きていくために欠かすことができない「水」や、その他物資の備蓄についての意識実態・現状を調査いたしました。

本調査の結果、「震災前後で事前に備えることの大切さを感じた」という意識実態や、ライフラインの断絶などが原因で、「9割以上が震災時に“水”が必要だったと感じた経験がある」ということがわかりました。

【調査結果】

■震災前後で災害時の備えに対して約8割の意識が向上!
 震災前に比べ、備蓄をしている人の数が約2倍に増加


震災前後での災害時の備えに対する意識の実態を調査いたしました。
その結果、東日本大震災や阪神大震災を経験した方々の多くが、震災をきっかけに、災害時の備蓄に対する意識が向上していることが明らかになりました。
震災前後で約8割の意識が変わり、震災前の2倍にあたる、2名に1名が備蓄をするようになっている実態がわかりました。

震災前に「備蓄していた」人のみに『備蓄していた食料の量についてあてはまるものを教えてください』と質問したところ、約半数にあたる49.6%が「備蓄していたが、足りなかった」と回答。このことから、震災時に十分な備蓄が出来ていたのは8人に1人ほどと、非常に少ないことが明らかになりました。

農林水産省の『緊急時に備えた家庭用食料備蓄ガイド』では、「電気、ガス、水道といったライフラインが停止する可能性が非常に高いため、最低限の飲料水と、缶詰又は調理せずに食べられる備蓄食料品(アルファ米、乾パン等)を3食分備えると良いでしょう。」と、一定量の食料の備蓄の必要性を紹介しています。

震災前はわずか25.3%のみが「備蓄をしていた」が、震災後は56.1%(2人に1人以上)が「備蓄をしている」と回答していることからも、食料備蓄に対する意識が高くなったことが伺えます。

また、自宅での備蓄に対する意識が高まりを見せる中、『職場で、災害時のために食料品を備蓄していますか(備蓄していましたか)?』と震災前後での食料品の備蓄実態について質問したところ、「備蓄している」が16%から38.8%と、こちらも約2倍の備蓄率に上昇していることが明らかになりました。

■9割以上が震災時に“水”が必要だったと回答!
 必要にもかかわらず、3割が手配に時間が掛かったと回答


震災時に、どのような物資が必要だったかを調査いたしました。
その結果、ライフラインに関係する物資で高い数値を示しました。
特に、9割以上の人が水の必要性を強く感じていたことが明らかとなりました。
調査では、「水」(92.0%)のほか、暗所で活躍する「懐中電灯」(77.9%)や、情報源になる「ラジオ」(70.7%)などで7割を超える人が必要性を感じていたという結果となりました。

農林水産省の『緊急時に備えた家庭用食料備蓄ガイド』で「発災後は、3日に限らず1週間程度は、電気、ガス、水道といったライフラインが停止する可能性があるため、まず、1週間分の水とカセットコンロ等の熱源を確保すると良いでしょう。」「ガスや水道の復旧作業に1週間以上の時間を要することが想定されます。」と、紹介しているように、もっとも回答率の高かった「水」の92.0%をはじめ「ガスコンロ」(57.4%)、「ガソリン・灯油などの燃料」(53.6%)など、ライフライン断絶の際の代案となる物資について、必要だと感じていた方々が過半数以上いたことがわかりました。
東日本大震災経験者の経験者は「水」(90.5%)、「ガソリン」(78.6%)、「ラジオ」(78.2%)の順に数字が高く、阪神大震災経験者では、「水」(93.6%)、「懐中電灯」(75.0%)、「ティッシュ」(64.4%)の順で必要性を感じていたという結果になりました。2位3位の順番は違えど、「水」についてどちらも必要性を高く感じていたことが明らかになりました。
さらに、同ガイドでは、水の備蓄の必要量について、「1日に1人あたり飲料水として最低限必要な量は、1リットル程度です。ただし、調理に使用する水等の飲む以外の水も含めると、1日3リットル程度あれば安心です。また、湯せん、米や野菜、食器を洗ったりする水は、別途必要です。」と紹介しています。

また、『物資が不足して手配に時間がかかったものは何ですか?』の質問に対して、3人に1人が「水」(28.5%)と回答していることからも、必要な物資として「水」がもっとも高くなっていることがわかります。

■備蓄水は“ペットボトル派”が6割!
 用途によっては備蓄方法を使い分ける必要も!


水を考えるプロジェクトとして、震災時にもっとも必要な物資として回答を集めた、人が生きていくために欠かすことができない「水」についての備蓄実態調査をいたしました。
その結果、実に6割もの人々が、ペットボトルによる水の備蓄をおこなっていることがわかりました。

今回の調査で「9割以上の人が(災害時に)水の必要性を強く感じた」という結果が出たように、何らかの方法で水を備蓄している人がいる一方、約5人に1人が「(水の)備蓄をしていない」という実態が明らかとなっています。
また、「ペットボトルで水を備蓄している」と6割もの人が回答していますが、「お風呂にお湯をはっている」が18.4%、「水道水をペットボトルなどに詰めて」が9.1%、「ウォーターサーバーの水を備蓄している」が5.7%と、様々な方法で水を備蓄している実態がわかりました。


【調査概要】
・調査方法: インターネットリサーチ
・回答数: 526名
 東日本大震災経験者(東北在住):262名
 阪神大震災経験者(近畿地方在住):264名
・調査日: 2015年7月23日(木)~2015年7月26日(日)
・調査主体: 水を考えるプロジェクト

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[水を考えるプロジェクト]
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