「60歳以降の就業及び健康」に関する意識・実態調査(40代~70代男女対象) 

2015年10月28日
味の素は、全国の40代~70代の男女計2,000名を対象に実施した「60代以降の就業及び健康」に関する意識と実態のインターネット調査について結果をまとめました。

調査の結果、40代、50代の6割以上の人が60歳以降も働き続けたいという意向を示した一方で、40代から70代の 6割の人が60歳以降の就業に対する不安のトップに体力面への不安を挙げており、また60代、70代では筋力の低下に懸念を示す割合が高いなど、高齢者が就業に関して体力、健康面で不安を抱える実態が明らかになりました。加えて40代と比べて、60代、70代では、人との出会いやつながりを大事にしたい、社会や地域に役立ちたいという思いが強く、さらに60歳以降も働いている人の方が、リタイアしている人よりも、達成感ややりがいを求めるなど、人生に対して高い意識をもっていることから、高齢者の就を支援することが生活の充足感をみたし、QOL(生活の質)の向上や健康寿命の延伸につながることが示唆されました。

【主な調査トピックス】

・『60歳以降の就業意向』について、40代、50代の6割以上が60歳以降も働きつづけたいと回答。

・40代-70代が考える、『60歳以降の就業に対する不安』の第1位は「体力が続かない」で6割、「雇用先が見つからない」の2倍。

・60代、70代では、足や腕の筋力、握力の低下を実感、体力面での懸念が明らかに。

・40代-70代におけるロコモの認知度は4割程度で、メタボの9割の1/2、予防対策も進んでおらず、栄養摂取に課題。

・『人生観や価値観』は年代間での違いが明らかに。60代、70代は「社会や地域に役立つ人生を送りたい」、「人との出会いやつながりを大事にしていきたい」、一方で40代、50代では「仕事など、人生で成功を収めたい」、「金銭的に豊かな生活を送りたい」。


【調査結果】

・40代、50代で60歳以降も働き続けたい人は6割以上。
『60歳以降の就業意向』に関して、40、50代の「働きたい」、「どちらかといえば働きたい」と考えている人の合計は、6割以上。また男女別で見ると、40~60代男性では 約7割が働きたい意向を示しました。
『リタイアした年齢』について、60代、70代の人がリタイアした年齢は平均62.8歳、『何歳まで働くと思うか』との設問には、60代、70代でまだリタイアしていない人は平均70.7歳まで、40代、50代では平均62.5歳まで働くと思っており、年代間で違いがみられました。

・40代-70代が考える、60歳以降の就業に関する不安の1位は「体力」で6割以上、次いで「健康 維持」。「雇用先が見つからない」などの雇用環境よりも体力・健康に対する不安が上位に。

『60歳以降の就業に関する不安』について、全体のトップは「体力的に続けられない」、次いで「健康を維持する」が上位に並び、「雇用先が見つからない」は4位、「自分に向いている仕事がない」は5位、と体力面での不安が高い傾向を示す結果となりました。年代別で見た場合、40代、50代では約7割が体力面の不安を示しました。
また、『体力の衰え』に関する設問においては、5年前に比べると8割の人が、10年前と比べると9割の人が「衰えを感じている」と回答しています。

・60歳以降の就業で体力面が不安とされる中、60代、70代では「足の筋力の低下」、「握力の低下」など筋力の低下を実感し、「足腰が弱くなった」などロコモティブシンドロームになりやすい傾向に。

60歳以降の就業不安に続き、現在の健康実態を把握するため、『身体で気になること』について年代別で見たところ、60代、70代では、40代と比べて「足の筋力の低下」や「握力の低下」が、70代では「腕の筋力の低下」についても高い値を示し、一方で40代では、60代、70代と比べて「疲労感・疲れやすい」が高い傾向にありました。
また『5年前と比べて身体に起きていること』については、60代、70代では、筋肉の低下などからロコモティブシンドロームになりやすい状態が懸念されていますが、本調査でも、60代、70代において、「足腰が弱い」、「つまずくことが多い」、「片足立ちで靴下がはけない」などで3割を超える結果となっています。

・40代-70代において、ロコモはまだまだ知られていない、メタボの認知の1/2程度。

ロコモティブシンドロームについて、その認知率、内容理解率をメタボリックシンドロームとともにたずねたところ、ロコモはメタボの認知率、内容理解率を大幅に下回り、まだまだ知られていない実態が明らかになりました。

・40代-70代で、筋力・筋量の低下を含むロコモよって引き起こされる『寝たきり』について、将来その不安を抱く人は7割以上。その一方で、何も予防対策を行っていない人は4割以上。特に「たんぱく質摂取」など栄養面での意識は低く、予防行動にも課題。

加齢とともに、筋力・筋量の低下を含むロコモの症状が進み、寝たきりになる可能性が懸念されます。そこで『将来、寝たきりになることへの不安』について聞いたところ、全体の7割が不安であると回答しています。
一方で『寝たきりの予防として行っている対策』については、「行っていることはない」と答えた人が最も多く、4割を超えています。また「意識的に歩くようにしている」が4割程度となっている一方、栄養摂取では、「5大栄養素」、「たんぱく質」の摂取が1割程度にとどまり、 栄養摂取における課題が示唆されました。

・栄養面での課題が懸念される中、60代・70代においては、5年前と比べて「食べる量が減った」、 「肉を食べる量が減った」など、食習慣の変化が明らかに。

『5年前と比べた食習慣の変化』について、60代、70代になると「食べる量が減った」、「肉を食べる量が減った」 などの項目で40代、50代に比べて高い結果となりました。筋肉をつくるためには、肉や魚などに多く含まれる良質なたんぱく質の摂取が欠かせません。しかし調査からは高齢者の課題であるたんぱく質の摂取不足の懸念が示唆されることとなりました。

・『健康を維持したい理由』は、年代間で違いが明らかに!60代、70代は「自立した生活」や「周りへの心配をかけたくない」、40代、50代は「働き続けたい」、「働き続ける必要がある」。

『健康を維持したい理由』について聞いたところ、年代間によって異なり、60代、70代では、40代、50代よりも「自立した生活」や「迷惑を掛けたくない」の割合が高く、また40代、50代はでは、働くことを理由に健康を維持したい割合が多いことが明らかになりました。

・『人生観や価値観』も年代間での違いが明らかに。60代、70代は「社会や地域に役立つ人生」、「人との出会いやつながりを大事に」に対し、40代、50代は「仕事など、人生で成功を収めたい」。

『人生観や価値観』について、60代、70代は40代と比べて「社会や地域に役立つ人生を送りたい」、「人との出会いやつながりを大事にしていきたい」など、社会とのかかわりに関する項目で意識が高く、一方で40代、50代では他の年代に比べて「仕事など、人生で成功を収めたい」、「金銭的に豊かで、ぜいたくな暮らしがしたい」といった個人的な暮らしに関する意識が高くなっており、年代間における違いがみられました。

・特に男性60代、70代で、現在、“働いている人”と“リタイアしている人”を比べた場合、“働いている人”の方が「常に人生で挑戦していきたい」など人生に対する意識が高く、価値観の違いが明らかに。

男性60代、70代で、現在働いている人とリタイアしている人を比べたところ、働いている人の方が「達成感ややりがいを感じられる人生を送りたい」、「常に人生で挑戦していきたい」などの項目で高い結果となりました。

・冬は「つまずきやすい」・「転びやすい」季節であり、特に60代・70代は要注意。
また地域的に北エリアの冬は「体力の低下」もあいまって、転倒には十分な注意が必要。


各設問に対して該当する季節について聞いたところ、「つまずきやすい」及び「転びやすい」季節については、ともに冬が1位。また年齢別に見た場合、年齢が上がるほど、冬に「転びやすい」、「つまずきやすい」と感じている傾向が明らかになりました。また「食欲が落ちる」季節については、8割が夏と回答し、冬は1割程度にとどまることがわかりました。


【調査概要】
調査対象:全国の40~70代男女2000名
調査時期:2015年9月
調査方法:インターネット調査
調査内容:60歳以降の就業意向と不安、現状の健康状態、寝たきり・要介護、ロコモティブシンドロームなどに対する意識・取り組みなど
有効回答数:2000サンプル

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