新大人研レポート20:シニアから新大人へ、新型50・60代に(40~60代調査) 

2015年11月12日
博報堂新しい大人文化研究所では、40~60代を“新しい大人世代“と呼び、調査研究を行っています。

今回の調査結果から、新しい大人世代は、「今の暮らしを保ちたい」だけにとどまらず、「生活を充実させ・楽しむ」ために自身の健康の維持・向上を目指し、介護予防を心がけていることが見えてきました。

「健康維持」に関しては全体の91.1%が「健康を維持して今の生活を保ちたい」と答えており、「いまの健康を向上させてさらに生活を充実させたい・楽しみたい」は82.1%にのぼりました。「健康」がゴールなのではなく、ゴールはあくまで「生活を充実させたい・楽しみたい」であり、その手段としての健康を心がけていることがわかりました。新しい大人世代にとって「健康」は歳を重ねても楽しく充実した生活を送るための手段の一つという気持ちが強くなっているようです。

一方で、前向きな新しい大人世代においても、相変わらず「介護」という問題は重要なテーマとなっています。50・60代の20%が「現在、介護が必要な家族がいる」と回答しており、男女別でみると女性の方が「介護が必要な家族がおり、自分も介護に携わっている」割合が高くなっていました。
また、介護に対する負担について聞いてみると、五大負担(精神的負担、時間的拘束、肉体的負担、金銭的負担、情報の不足)のうち最も高いのは「精神的負担」となりました。しかし、その経験からか、自身はなんらかの「介護予防」をしようとしており、60代の「介護予防」をしている割合は83.2%と前向きな意識が伺えます。

【調査結果】

■「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」は9割で、年齢が上がるほどその気持ちは傾向は強い。
「健康を維持して今の暮らしを保ちたい」と思う人は、全体の91.1%であり、 60代95.6% 、50代90.5% 、40代87.3%というように、年齢が高いほどその気持ちは強くなっています。また、男女別でみると男性に比べ女性のほうが健康維持欲求は高い傾向にあるようです。

■「健康を向上させて生活を充実させたい・楽しみたい」は8割強。
「健康を向上させて、生活をさらに充実させたい・楽しみたい」は全体で82.1%であり、年代別に大きな差はありません。ただし、男女別にみると、男性の40代77.7%、50代78.4%、60代79.7%に対し、女性が40代83.5%、50代88.0%、60代84.6%と女性の割合が高く、男性に比べ女性の方がその欲求が高くなっています。

■要介護家族を抱えるのは50・60代の2割。
要介護家族のいる割合は、40代では10.4%ですが、50・60代では約20%となっています。やはり介護家族を抱えるのは50代からといえます。とくに「自分が介護に携わっている」割合は女性の60代で9.8% 、50代では12.2%と男性の60代5.8%、50代6.0%の倍近くになっています。

■家族の介護における負担は五大負担のうち「精神的負担」が最も大きい。
家族の介護の五大負担(精神的負担、時間的拘束、肉体的負担、金銭的負担、情報の不足)のうち、最も大きいのは精神的負担の73.6%で、40代・50代が78%台となっています。介護保険制度がスタートした15年前から、精神的な負担が最も大きいという調査結果は一貫して変わらない傾向です。

■自分自身の「介護予防」として8割が具体的な予防策を実践。
60代の「日頃介護予防として心掛けていること・実行していること」は、1位「定期健診」50.3% 、2位「適度な運動」48.1% 、3位「散歩など」45.6% となっています。続く4位が「手先や指を動かす」35.2%、5位が「新聞や本を読んで頭を使う」33.8%であり、認知症を意識しているとみられます。いずれにせよ、60代の83.2%がなんらかの「具体的な取組み」をしており、介護予防策を実践していることがわかりました。


【調査概要】
調査主体:博報堂 新しい大人文化研究所
調査対象:40~60代男女
対象エリア:
 1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)
 中小都市(首都圏、熊本市・岡山市以外の政令指定都市および岩手県・宮城県・福島県を除く)
対象者数:2,700サンプル
調査手法:インターネット調査
調査日時:2015年3月20日(金)~3月22日(日)

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[博報堂]
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