電力・ガスの小売自由化に関する消費者調査(戸建て住宅、分譲マンションに居住している30代から60代男女) 

2015年11月18日
楽天リサーチは、電力・ガスの小売自由化に関するインターネット調査を実施しました。今回の調査は、2015年9月25日(金)から28日(月)の4日間、楽天リサーチに登録しているモニター(約230万人)の中から、全国の持ち家戸建て、または分譲マンションに居住する30代から60代の男女、計800人を対象に行いました。

【調査結果】

■自由化の認知:電力については7割、ガスは3割が自由化されることを認知

電力、ガスの両方の自由化について知っている人は27.6%、電力についてのみの認知は44.7%、ガスについてのみの認知は0.5%であった。各々足し合わせると、電力で72.3%、ガスで28.1%の認知となる。電力自由化など、数ヵ月後に施行が控えているこの時期において、認知率が7割というのは決して高いとはいえない。生活費の中で決して低い支出費目ではないにもかかわらず、関心度は低いと推察される。特に、30~40代女性という生活費に敏感な層で電力自由化の認知率が低くなっているように(30代女性56.1%、40代女性59.7%)、現状では自分ごととして捉えている度合いは小さいと推察される。

■自由化の必要性:電力に対しては7割弱、ガスに対しては5割強が自由化は必要と回答

電力、ガスの自由化の必要度を質問したところ、電力に対しては66.7%(30.4%が「絶対必要」、36.3%が「まあ必要」)、ガスに対しては54.4%(「絶対必要」21.3%、「まあ必要」33.1%)が必要と回答した。必要性を感じないと回答した人は、電力で4.3%、ガスで9.6%に留まった。
これを、電力、ガスの両方の自由化を知っている人に限定すると、電力自由化に対しては79.6%(「絶対必要」41.6%、「まあ必要」38.0%)、ガス自由化に対しては70.5%(「絶対必要」34.0%、「まあ必要」36.5%)と、必要とする割合が高まる。不要とする人はより少なくなる。今後認知が進むとすると、この状況に近くなり、電力、ガス両方の自由化を必要とする人が大半を占めると考えられる。

■自由化への期待:料金が下がることは当然として、顧客サービス向上も期待されている。

電力、ガス共に、自由化によって期待することとしては、「料金が下がる」ことを挙げた人が最も多い(電力:84.1%、ガス66.6%)。電力とガスでは、電気料金に対する期待の方が大きくなっている(この点は、認知者ベースで見ても確認された)。次いで、「顧客サービスが向上する」を挙げる人が多い(電力:45.6%、ガス:32.3%)。特に電力に対して自由化を「絶対必要」とする人は、この「顧客サービスの向上」を期待する割合が一段と高くなっている。翻ると、顧客サービス向上に対する要望の強さが、自由化の必要度を規定しているという側面が見受けられる。
認知率のレベルも影響していると思われるが、全般的に電力に対する期待の方が大きい。

電力、ガスに対して、各々「絶対必要」「まあ必要」「必要なし」のnは下記の通り  
電力)絶対必要:243   まあ必要: 290  必要なし:267
ガス)絶対必要:171   まあ必要:265   必要なし:365

■自由化に対する心配点:「どの会社を選ぶべきか」ということを気にする人が多い

電力に対しては43.2%、ガスに対しては33.3%が「どの会社を選ぶか等、混乱する」ということを心配している。「悪徳な会社が参入してくる」点も不安に思っているが(電力:41.7%、ガス:36.6%)、信頼できないところ含め多くの会社が選択肢としてあると、どれが自分(の世帯)にとって最適であるかが判断できず、迷ってしまうということを懸念していると考えられる。或いは、間違った選択をしてしまうのではないかという点を、今から不安視している様子がうかがえる。主軸のない状態で多くの会社が候補としてあると、アクションが抑制されるケースが出てくると思われる。
これらの会社選定に対する不安に次いで大きいものは、「自然災害発生時に不具合が生じる」こととなっている(電力:39.0%、ガス:34.9%)。

電力、ガスに対して、各々「絶対必要」「まあ必要」「必要なし」のnは下記の通り  
電力)絶対必要:243   まあ必要: 290  必要なし:267
ガス)絶対必要:171   まあ必要:265   必要なし:365

■電力は「ガス会社」、ガスでは「電力会社」と「総合商社」が異業種への主な変更意向先

電力に関しては、自由化された際に変更したい会社としての一番手は「電力会社」で、46.6%が最も契約したい会社として挙げている。しかし、複数回答を見ると「ガス会社」を候補として挙げる割合も結構高く(25.1%)、電力自由化が始まると、ガス会社からの購入を検討するケースが多くなると考えられる。「ガス会社」以外では、「通信会社」「総合商社」が候補となる割合が高い。
一方、ガスの場合は、「ガス会社」を最も契約したい会社として選択する割合が最も高い(40.8%)。ガス会社以外の候補としては、「電力会社」(13.1%)、「総合商社」(9.8%)を挙げる割合が相対的に高いが、電力における「ガス会社」ほどの有力な候補とはなっていない。「電力会社」がそれほど強い対抗馬となっていない分、「総合商社」の存在感が強くなっている。
「電力会社」、「ガス会社」のいずれにおいても、「経営が安定している・資金力がある」点が最大の選択理由となっている。エネルギー会社としての実績が評価されていると考えられる。その他、「電力会社」に対しては「発電・送電に関する知見がある」点も重要な選択理由となっている。「ガス会社」に対しては、このような特徴的な評価ポイントは(全体としては)見当たらない。

■2割値下げで5割、3割値下げで8割が会社を変更すると回答

1割程度の値下げであれば、電力で12.9%、ガスで16.6%の変更意向であるが、2割になると5割に跳ね上がる。3割安となると8割程度が変更意向を示す。実際にどのような料金プランになるかは現時点では明らかではないが、2割安が実現されれば、情勢変化といってもいいレベルの変更の生ずる可能性がある。


【調査概要】
調査エリア:全国
調査対象者:戸建て住宅、分譲マンションに居住している30代から60代の男女
回収サンプル数:800サンプル
調査期間:2015年9月25日(金)から28日(月)
調査実施機関:楽天リサ-チ株式会社

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[楽天リサーチ]
 マイページ TOP