PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)は、ペイパルと調査会社イプソスによる越境 EC グローバル調査のレポートを公開しました。この調査は、オンラインショッピングおよび越境 EC に関する消費者の行動と意識について、日本を含む世界 29 か国の 23,200 人の消費者を対象に実施されました。
このリリースでは日本の調査結果に加え、29 か国の中で日本から購買の多い国および最も訪日観光客の多い国である米英中韓豪を主要 5 か国とし、それらの調査結果を中心にした内容になっています。

【調査結果】

中国の越境 EC は拡大傾向に

今月「独身の日」で話題になった中国市場ですが、一般の消費者の間で越境 EC が今まで以上に過熱していることは引き続き注目に値します。今年の調査結果から、35%のネット購入者が 2015 年に 1度以上は海外サイトでショッピングをしたことがあると回答しました。この割合は 2014 年には26%でした。また、海外サイトでの購入の動機として「正規品を購入したい」を挙げた人は 45%である点は他国と加えて突出しています。ちなみに、2015 年 4 月に行ったペイパルの調査によると、子どもを持つユーザーの半数以上は「正規品を購入したい」ことが動機となっており、中国のネットショッピングユーザーが海外サイトで購入する際のトップ 5 に楽天がランクインしているなど、引き続き日本を含む海外へのオンラインショッピングへの高い関心・ニーズと呼応する結果となっています。

日本でも世界でも広がる海外ネットショッピング

今回調査した越境 EC 経験者の割合は、調査した 29 カ国において約 3 割から 8 割となっており、海外ネットショッピングが特別なものではなく、 すでに多くの国において生活の一部となっていることが示されています。日本においては、言葉の壁などの問題により海外ネットショッピングはあまり普及していないという認識が一般的ですが、今回の調査により、日本でも実に 10 人に 1 人が過去1年間に海外サイトでショッピングした経験があるということが分かりました。一方、これは調査した29 カ国の中で最も少ない割合であり、今後さらなる成長が見込まれます。

越境 EC におけるスマートフォンの主流化

調査対象の 23,200 人のうち、47%が越境 EC でスマートフォンを利用した経験があると回答しました。購入金額ベースで見ても、全体の 16%の取引がスマートフォン経由で行われており、スマートフォンが越境 EC も含むオンラインショッピング全般において主流になりつつあることが分かりました。特に中国は 83%と突出してスマートフォン利用の割合が高く、また金額ベースでも 34%と非常に高くなっています。また、各主要国の越境 EC のスマートフォン利用経験割合は、韓国 52%、米47%、英 40%、豪 38%、日本でも 33%と、スマートフォンへの対応がますます必須となりつつあります。

越境 EC に見られる世界の消費者の傾向


越境 EC 経験者の割合
・ネットショッピング利用者における越境 EC 経験者の割合は、調査した 29 カ国において約 3 割から 8 割と、越境 EC がすでに多くの国において生活の一部となっている模様。
・主要五カ国を見ると*¹、中国では 35%の回答者が越境 EC を経験しており、豪州ではそれを上回り 65%にのぼる。
・日本(12%)とアメリカ(22%)は他国を比べると割合が少ない。国内サイトでのショッピングに充足しているためかと推測される。

購入先の人気国について
・グローバル平均で見ると、世界的に人気が高い国はアメリカ(1位)と中国(2位)。回答者の4人に1人がアメリカから、5人に1人が中国から過去1年の間に購入したことがあるという結果が導かれた 。
・日本も購入先の人気国として、5位にランクイン。特に主要 5 か国においては、中韓で2位に、米豪で4位に、 英で5位 にランクイン。
・日本人消費者が買う人気国は、アメリカ、中国、韓国がトップ3。

購入アイテムについて
・グローバル平均でみると全体では 1 位洋服・靴・アクセサリー(49%)、2 位電気製品(32%)、3 位 電子書籍・アプリ・ソフトウェア・デジタルコンテンツ(31%)。
・主要五か国と日本で見ても、洋服・靴・アクセサリーはすべての国で1位にランクインしており、米 47%、英豪 45%、日本 33%という結果から突出した人気が伺える。
・中国・韓国ではどちらも化粧品・美容関連製品が 2 位となっており、このカテゴリの製品は特に海外サイトで買い求めたい消費者が中韓に多いことが判明。
・洋服・靴・アクセサリー、電気製品、デジタルコンテンツ以外ではトラベルサービス、本・オーディオビデオソフト、おもちゃ・ホビーグッズも人気が高い。
・日本の消費者が越境 EC で購入するトップ3は洋服・靴・アクセサリー、トラベルサービス、本・オーディオビデオソフト。

利用デバイスについて
・過去 12 か月で越境 EC に際してスマートフォンを使った消費者の割合はグローバルでは 47%となっており、越境 EC においてもスマートフォン対応は必須に。
・主要五か国の中において、中国は 83%と突出してモバイル利用・スマートフォン利用が高い。
・次いで韓国 52%、アメリカでは 47%、イギリスでも 40%、オーストラリア 38%となっており、日本人消費者においても 33%と、スマートフォンは EC の主流になりつつある 。

購入の決め手について
・購入を後押しする最大要因は、「配送料無料」や「返品の送料無料」など送料に関するものと、「支払い方法の安全性」があげられる。
・「配送料無料」は米、英、豪で 1 位。
・「支払方法の安全性」は日本と中国で 1 位に、米、英、豪で 2 位にランクイン。中国では 45%の回答者が 「正規品を購入したい」と回答し、2位にランクイン。

「カゴ落ち(=カートに商品を入れた後、購入までたどり着かないこと)」について
・「送料の高さ」「到着までの時間の長さ」や「税金・通関手数料の不明瞭さ」など越境 EC にとっての本質的なハードルが理由として多く挙げられている。
・一方で、「サイトのセキュリティに対する不安(米 3 位、豪 2 位)」、「購入時の支払い方法やプロセスがわかりにくい(韓国では『送料の高さ』を圧して 1 位)」、「サイトにアカウント登録をしたくない(日 1 位、豪 3 位)」などの回答からは、決済や個人情報の登録に際して発生する煩雑さへの抵抗感や安全性に関する意識が垣間見える。

越境 EC における支払いについて
・グローバル平均ではペイパルが 1 位。調査対象国の大多数の国(29 か国中 22 か国)でペイパルは 1 位。
・ペイパルが1位でない国においても、韓国、ロシア、日本、スイス、シンガポール では ペイパルが 2 位。
・中国では AliPay(67%)が 1 位、Union Pay(51%)が 2 位、ペイパル(38%)が 3 位。
・越境 EC における支払いに関して求めるものは、グローバル平均では「支払い方法の安全性(45%)」がトップ。
・米(53%)、英(60%)、豪(66%)、日本(43%)でも共通して「安全な支払方法かどうか」を最も重要視。
・韓国では「利便性の高い支払方法かどうか」(28%)、中国では「支払いのスピード」(51%)を最も重要視。


【調査概要】
ペイパルの依頼を受けて調査を行ったイプソスは、対象となった 29 か国(英国、アイルランド、フランス、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、ポーランド、トルコ、ロシア、イスラエル、アラブ首長国連邦、米国、カナダ、ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、インド、中国、日本、韓国、シンガポール、オーストラリア、南アフリカ、ナイジェリア、エジプト)のインターネット対応機器*を所有する、使用する、または所有しかつ使用する成人(18 歳以上、総数 23,354 名)のデータについて、各国約 800 名にインタビューを行いました。このインタビューは 2015年 9 月 17 日から 10 月 28 日までに間にオンラインで行われました。日本での現地調査は標本となる 800 名を対象として 9月 23 日から 10 月 5 日まで実施しました。

データはすべての国のネットショッピング利用者数、および 4 か国(スロバキア、シンガポール、エジプト、およびアラブ首長国連邦)のインターネット利用者の人口学的プロファイルについて重み付けしています。

*デスクトップ PC/ラップトップ/タブレット/スマートフォン/他の種類の携帯電話/電子手帳/ワイヤレス音声およびデータ通信対応の PDA/インターネット接続可能なゲーム機(例:Wii)

** オンライン利用者を典型的に表す年齢、性別、および地域(スイスでは年齢と性別)。ナイジェリアではオンライン利用者のプロファイルが得られていないため割当標本は設定していません。

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