第8回「介護に関する意識調査」 

2015年11月04日
オリックス・リビングは、「介護の日」(11 月 11 日)に合わせ、今年も全国の 40代以上の男女 1,238 名(男性 782 名、女性 456 名)を対象に、第 8 回「介護に関する意識調査」を実施。

【調査結果】

【介護離職せず家族の介護と仕事を両立できると思うのは約 1 割】

・家族を介護する必要が生じた場合、介護離職せず「仕事」と「介護」の両立について、「できると思う」と回答した人は約 1 割(9.7%)となりました。働き盛りの 40 代、50 代では、男女ともに 1 割未満となり、仕事と介護の両立の難しさを表す結果になりました。


【家族の介護、約 9 割が不安。男性は費用面、女性は精神的な負担】

・家族の介護について、「不安を感じる」(37.0%)、「やや不安を感じる」(48.3%)と約 9 割(85.3%)が不安を感じると回答しました。

・家族の介護に対する不安について、約 7 割(67.6%)が「精神的な負担」と回答。男女で比較すると、一番大きな不安は、男性は「費用面」(69.7%)、女性は「精神的な負担」(74.3%)と回答しました。

・自身の家庭の老老介護について、「不安を感じる」(35.0%)、「やや不安を感じる」(47.7%)と約 8 割(82.7%)が不安を感じると回答しました。年代別にみると、50 代が男性(83.0%)、女性(91.0%)となり、他の年代に比べ高い結果になりました。


【自身の介護、約 9 割が不安を感じるも具体的な準備をせず。理由はイメージがつかないから】

・自身の介護についても「不安を感じる」(37.7%)、「やや不安を感じる」(48.9%)となり、約 9 割(86.6%)が不安を感じると回答しました。

・自身に介護が必要になったときについては、「まだ何も考えていない」(67.6%)、「考えているが、まだ家族に伝えていない」(24.6%)となり、約 9 割(92.2%)がまだ具体的には家族に伝えていない結果になりました。

・将来に不安を感じながらも具体的な準備をしていない理由は、「イメージがつかないから」(45.8%)、「まだまだ先だと思うから」(35.3%)、「分からない」(16.4%)という結果になりました。

・自身の高齢期以降に発生する事項で既に家族に伝えていることについて、「何も伝えていない」(56.1%)が一番多く、次いで「延命治療の要・不要」(33.0%)、「葬儀について」(22.5%)、「重大病名の告知の要・不要」(15.3%)、「墓の形式」(13.7%)、「資産の処分方法」(9.7%) 、「介護の形式」(8.4%)という結果になりました。


【人生設計の中に介護費用を約 7 割が含まず】

・人生設計の中に介護費用が「含まれていない」と回答した人は、約 7 割(72.4%)でした。年代別にみると、40 代では男性(85.4%)、女性(86.1%)と、男女ともに約 9 割の人が「含まれていない」と回答しました。


【介護保険料の負担開始時期、40・50 代では 20 歳からが妥当】

・介護保険料を負担している実感については、「ある」(36.8%)、「少しある」(33.3%)となり、約7 割(70.1%)が介護保険料を負担している実感があると回答しました。

・介護保険料の負担を何歳からするべきかについては、「50 歳以上」(29.0%)、「20~24 歳」(20.7%)、「40~44 歳」(16.9%)の順となりました。年代別に見ると、40 代と 50 代については、「20~24 歳」と回答した人が最も多い結果になりました。


【高齢期の地方移住等は約 7 割が希望しない】

・高齢期になった場合、大都市圏からの地方移住等については、「希望しない」(27.5%)、「どちらかというと希望しない」(41.8%)となり、約 7 割(69.3%)が希望しない結果になりました。また、男性 40 代(56.9%)→60 代以上(72.9%)、女性 40 代(62.1%)→60 代以上(80.7%)と男女共に年齢が上がるにつれて地方移住等を希望しない割合が高くなる結果になりました。

・大都市圏からの地方移住等に否定的な理由としては、「引っ越しが面倒くさいから」(25.3%)、「家族(子ども、孫)の家との距離を広げたくないから」(23.5%)、「今の家が好きだから」(23.5%)となりました。


【介護が必要になった場合、60 代以上の女性は多世代の人々が多く住む場所への移り住みを希望】

・高齢期になって介護が必要になった場合、移り住みたいところについて、「家族が一緒に移り住めるところ」(31.8%)、「自分と同じ高齢で介護が必要な人々が多く住むところ」(25.0%)、「多世代の人々が住むところ」(22.1%)となりました。60 代以上の女性は、「多世代の人々が住むところ」(30.9%)を希望する結果になりました。


【配偶者による介護希望、男性約 7 割に対し女性約 4 割】

・ 配偶者の介護については、「配偶者を介護したい」(45.1%)、「配偶者を介護したい気持ちはあるが、現状を考えると難しい」(31.5%)を合わせ約 8 割(76.6%)が配偶者を介護したい意向となりました。男女別にみると、配偶者を介護したい意向を示す男性が約 8 割(82.5%)に対し、女性は約 7 割(66.9%)となり、男女間に違いが出る結果になりました。

・配偶者を介護できる自信について、「自信はない」(33.0%)、「自信はあまりない」(55.0%)と約 9 割(88.0%)が自信はないと回答しました。

・配偶者による介護については、「配偶者に介護されたい」(26.2%)と「配偶者に介護されたい気持ちはあるが、現状を考えると難しい」(29.1%)を合わせると約 6 割(55.3%)が配偶者による介護を希望する意向となりました。男女別にみると、男性が約 7 割(66.4%)に対し、女性では約 4 割(36.7%)となり、こちらも男女間に違いが出る結果になりました。

・配偶者に介護されたい理由は、「配偶者を信頼しているから」(31.6%)、「配偶者は安心(安全)だから」(24.4%)、「配偶者に愛情があるから」(18.4%)となり、介護されたくない理由は、「配偶者以外に介護された方がいいから」(35.3%)、「配偶者は介護してくれないと思うから」(17.0%)となりました。


【認知症になった場合、女性の約 8 割が施設入居を希望。理由は大切な人に迷惑をかけたくないから】

・自身が認知症を発症し、大切な人を忘れてしまった場合、「施設に入る」と回答した人は、約7 割(71.1%)でした。男女別にみると、女性約 8 割(80.3%)、男性約 7 割(65.7%)となり、男女差が表れる結果になりました。

・介護してほしい理由は、「自宅にいたいから」(40.0%)、施設に入りたい理由は、「大切な人に迷惑をかけたくないから」(64.2%)と回答した人がそれぞれ最も多い結果になりました。


【介護ロボットは、人手より気を使わないため、約 8 割が肯定的】

・介護ロボットによる身体介護については、「推奨されていれば受けてもよい」(69.0%)、「積極的に受けたい」(9.4%)となり、約 8 割(78.4%)が介護ロボットについて肯定的な結果になりました。

・介護ロボットに肯定的な理由としては、「ロボットは気を使わないから」(52.7%)、「本当は人の手が良いが気を使うから」(26.5%)となり、例年通り、人手による介護を受けることに心理的負担がある様子がうかがえました。


【コミュニケーションロボットを日常的に使用したい人は約 3 割】

・介護ロボットによる身体介護を受ける場合、日常的に使いたいロボットについては、「歩行を補助するロボット」(64.3%)、「排泄を補助するロボット」(52.7%)、「認知症による徘徊や転倒を発見するための見守りをするロボット」(48.7%)となりました。「話相手の代わりをするロボット」であるコミュニケーションロボットを日常的に使いたい人は約 3 割(28.2%)という結果になりました。


【社会保障制度充実のための消費増税、肯定的な意見が昨年より増加。理由はすぐに対応すべき問題だと思うから】

・福祉・介護などの社会保障制度を充実させるための増税実施について、「増税して良かったと思う」と回答した人は約 2 割(22.0%)となりました。これは、増税前のおととし(42.7%)から激減した増税直後の昨年(18.9%)より増加しました。



【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
サンプル数:1,238
対象:全国の 40 代以上の男女
実施期間:2015 年 9 月 30 日(水)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
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