2016年以降の消費活性キーワード(普段の生活に関する定性調査及び定量調査から) 

2016年01月25日
ジェイアール東日本企画は、昨年2015年8月、10月に「普段の生活に関する定性調査及び定量調査」を実施し、その調査結果から、モノへの欲が減退してきていると指摘される昨今の生活者心理を踏まえた、2016年以降の消費活性キーワードを発表いたします。

調査分析の結果、近年、多方面から指摘される「モノ消費からコト消費へ」という消費傾向シフトの裏側には、時代・社会の 移り変わりによる生活者の価値観変化を背景に誕生した新しい生活ニーズ=「豊かな経験・体験を積み重ねて日々を充実 させたい。その結果が豊かな人生につながる」などの心理が存在しており、モノではなくコトの方がその新しい生活ニーズをかなえ られると生活者が考えていることが分かりました。
イマドキの生活者にモノを愛してもらうためには、モノとコトを別々のもの(比較対象)とするのではなく、コト=経験・体験を豊かにしてくれる手段(ツール・装置)としてモノの価値を強調、強化し、提供していくことが有効であると考えます。

このような、コトの時代の生活者にモノが愛されるための新たな考え方を、ジェイアール東日本企画では、『Way of Things (WoT)=モノの手段化』と命名し、新しい消費活性のキーワードとして発表いたします。
近年、注目される「Internet of Things (IoT)=モノのインターネット化」と同様に、モノの価値を再浮上させる考え方です。

『WoT』は、生活者ニーズを「Be/Do/Have」の3階層でとらえる「消費者ニーズの法則」(著:梅澤伸嘉)をベースに導き出した新しい考え方。コトorモノの二元論で考えると、どうしてもコトが強く支持される中で、生活ニーズを叶えるコト=経験・体験を下支えし、より豊かにするための手段(方法)としてのモノの価値を強調、強化するという考え方に立脚しています。

※梅澤伸嘉「消費者ニーズの法則」を基に作成

詳細1 モノからコトへの実態

今回、ジェイアール東日本企画では若年層やその親世代を対象とし、彼らの消費実態を把握するため。定性調査・定量調査を実施いたしました。
その結果、モノへの執着はなく、モノの所有には消極的であることが理解できる一方で、旅行や学習、エステ、マッサージなど、いわゆるコトには強いニーズがあることが確認できました。

詳細2 モノよりコトが欲しい理由

「コト」が重視される背景としては、社会背景の移り変わりにより萌芽した生活者の新しい8つの価値観を背景に、 新しい生活ニーズ=「豊かな経験・体験を積み重ねて日々の生活を充実させたい。その結果が豊かな人生につながる」などの心理が誕生したことが考えられます。 その新しい生活ニーズをかなえられるのは、モノよりもコトであると生活者が考えていることからコトが支持されていることが 分かりました。

生活者の新しい8つの価値観
■生活者が欲しているコトはどんな価値観に基づく経験・体験か?
1蓄積志向 (思い出として残り、後々まで楽しめそうな経験・体験) 58.1%
2共有志向 (家族・友人など周囲の人と喜びや楽しさを共有できる経験・体験) 55.3%
3現在志向 (その時しかできない・その時することに意味がある経験・体験) 50.2%
4固有志向 (代わりのきかない・再現できない・希少な経験・体験) 48.2%
5発見・感動志向 (想像を超える・はじめての発見や感動がある経験・体験) 42.6%
6成長志向 (自分の身になる・自分の変化や成長を実感できる経験・体験) 39.0%
7創造志向 (自分が企画・準備段階から関わる・楽しむことのできる経験・体験) 26.9%
8貢献志向 (誰かの役にたった・誰かを喜ばせることができる経験・体験) 19.3%
出典:jeki 「普段の生活に関するアンケート調査」(2015年10月)

新しい生活ニーズとコトが支持される構造
■ 生活者ニーズを「Be/Do/Have」の3階層でとらえる「消費者ニーズの法則」のフレームで 考えると、新しい価値観の顕在化により、第二階層の生活ニーズが変化。
■ その変化した生活ニーズをかなえる手段として、モノよりコトが支持されている。

⇒このような構造からなるコトの時代にモノが愛されるアプローチとは?

詳細3 コトの時代にモノが愛されるアプローチとは?

以上の調査結果より、イマドキの生活者の、経験・体験=コトを重視する傾向は顕著に現れており、そんな生活者にモノを愛してもらうためには、モノとコトを別々のもの(比較対象)とするのではなく、コト=経験・体験を豊かにしてくれる手段(ツール・装置)としてモノの価値を強調、強化し、提供していくアプローチが有効であると考えます。

「消費者ニーズの法則」では、下位ニーズを満たすことで上位ニーズが満たされると考えられており、言い換えれば下位ニーズが、上位ニーズを満たす手段になると言えます。


【調査概要】
<定性調査>
jeki 「普段の生活に関するグループインタビュー調査」(2015年8月)
対象:首都圏1都3県在住の
「20代有職女性」グループ
「30代有職女性」グループ
「女子中高校生をもつママ」グループ
「男子大学生(アンダー26歳)」グループ

<定量調査>
jeki 「普段の生活に関するアンケート調査」(2015年10月)
調査対象 : 1都3県在住、18-54歳男女(高校生除く)
サンプル数 : 18-34歳 900s  35-54歳 200s
調査実査・分析協力:株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ジェイアール東日本企画]
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