九州来訪外国人行動リサーチ(中国(上海)、韓国、台湾、タイの4つの国・地域) 

2015年11月05日
電通九州は、九州におけるインバウンド市場の現状把握とさらなる活性化を目的に、「九州来訪外国人行動リサーチ」を実施しました。

本調査では、九州への「インバウンド」観光客の傾向を国・地域ごとに読み解くことに注力し、まず、中国(上海)、韓国、台湾、タイの 4 つの国・地域でのべ約 15,000 人を対象に九州の認知や印象などを聞く第 1 次調査を実施。つづく第 2 次調査では「この 1 年以内に九州旅行をした人」(計 400 名)に限定し、訪日前・訪日中・訪日後の意識や行動、情報接触状況などを分析しインサイトを深掘りしました。
その結果、国・地域ごとに九州のイメージ、訪問先、訪問理由、情報経路、食・お買い物・レジャー実態等の傾向が大きく異なることが判明。今後、九州のインバウンド市場をさらに拡大するためには、こうした国・地域ごとのニーズの違いや、より個人旅行へシフトするインバウンド観光の進化に対応した精緻なアプローチが求められることが分かりました。

【調査結果のポイント】

どこから来たのかによって違う、「旅先としての九州」の魅力

中国(上海):九州でも、やっぱり爆買い
旅行経験豊富な上海の旅行者。癒しと買い物熱を満たす福岡と東京を同時に満喫する縦断旅行。

韓国:ちょっとそこまで、温泉めぐり
国内旅行気分で週末九州、温泉旅行。計画性よりその時の気分で、余裕のある旅が好み。

台湾
:九州ツウになりたい
訪日回数、訪日意向とも最も高い。自然と歴史の知識・体験を求めてアクティブに九州を周遊。

タイ:あこがれの九州をマルチにエンジョイ
九州旅行はまだまだ贅沢。地域性ある自然や食事、都市景観や文化・芸術の感動をお持ち帰り。

【調査結果】

《各国・地域の傾向》
(注:以下、“FIT 客”は「航空券・宿泊先すべて個人手配」と「個人向けパッケージツアー」を合わせたものを指す)

中国(上海)
「旅行経験豊富な上海の旅行者。癒しと買い物熱を満たす福岡と東京を同時に満喫する縦断旅行。」
「爆買い」でインバウンド消費を支える中国人観光客は、九州でも消費意欲旺盛。
ただ、訪問先は福岡県内にほぼ限られており、九州内の他のエリアにはあまり足を延ばしていない。

・九州に来る上海の旅行者の 7 割が海外旅行経験者。韓国や沖縄と迷って九州に来訪している。
 九州来訪者の 7 割以上が、日本国内のほかの地域も同時に周遊。
・東京(羽田・成田)入国が 45%、出国 34%。福岡入国が 23%、福岡出国が 29%。うち博多港はそれぞれ 3%。
 団体ツアーが 42%、個人向けパッケージツアーが 25%、航空券・宿泊先すべて個人手配が 31%。
 FIT 客が計 56%と多数派。九州には、平均 4.4 泊。
・九州に来てもやっぱり「爆買い」。九州内では福岡の百貨店めぐりで買い物を満喫。家電を 100 万円以上購入する人が 8%、化粧品を 100 万円以上購入する人が 6%出現しており、九州においても「爆買い」でインバウンド消費をけん引している。
・九州にも来たかったのは、ほかの地域にはない自然の美しさとおいしい食事が魅力。
・WEB はもちろんながら、有効なのがテレビでの情報発信。

韓国
「国内旅行気分で週末九州、温泉旅行。計画性よりその時の気分で、余裕のある旅が好み。」
九州来訪客数の最も多い韓国からの旅行客には、「安・近・短」で行けて、温泉が魅力。
もはや定番ながら、一方で旅行先としての新鮮味が感じられなくなりつつある。

・九州は最も近い日本。日々の生活の中で、ちょっとしたゆとりを実感できる、手軽な海外旅行先として、おなじみの超・定番海外旅行先。
・定番ゆえか、「自国民(韓国人)が多すぎてイヤ」という意見もあり、全般にテンションも低め。
・航空券・宿泊先すべて個人手配が 47%と多数派で、平均 3.1 泊(九州)と短期の休暇で九州旅行を手軽に楽しむ傾向。
 団体ツアーも 35%を占めており、個人向けパッケージツアーが 18%。
・主な目的は温泉めぐりとショッピング。買うものはコスメや食品、お菓子など日用品が中心。
・あらゆる情報をポータルサイトで検索、ブログで確認。

台湾
「訪日回数、訪日意向とも最も高い。自然と歴史の知識・体験を求めてアクティブに九州を周遊。」
「日本オタク」と言っても過言ではない、台湾からの旅行客。
意外にも「OMOTENASHI」の認知度は 46%で、韓国と並んで低い水準にとどまっている。


・訪日回数が多く、九州以外の地域にも訪れたことのある人が多い。
・九州と言えばラーメンやくまモン、大阪と言えばお好み焼き、北海道と言えばラベンダー、沖縄と言えば黒糖など、想起されるものが具体的で、日本についての知識量は群を抜いている。
・平均 4.2 泊(九州)でしっかり九州周遊。
事前の情報収集にも熱心で、あまりお金をかけず、ガイドブックを片手に歴史的名所や自然の観光を丁寧に楽しむ。団体ツアーが 53%と過半数で、個人向けパッケージツアーが 16%、航空券・宿泊先すべて個人手配は 30%。
・食の楽しみはラーメン(82%)と明太子(52%)。明太子は 27%がお土産にも購入するなど人気。
・買い物は風邪薬や胃薬が人気のほか、伝統工芸品の購入が多い点も特徴的。
・テレビ番組で日本の情報を集めて参考に。1 割以上の人(11%)が訪日経験 2 けたの日本通。

タイ
「九州旅行はまだまだ贅沢。地域性ある自然や食事、都市景観や文化・芸術の感動をお持ち帰り。」
海外旅行が徐々に増えているなかにあって、最も行きたい海外旅行先である日本。
自然風景が九州の魅力ながら、今後行きたい地域としては、北海道、沖縄の方が人気が高い。


・海外旅行は他の国・地域と比べてまだ少なく、ぜいたくな非日常体験。海外旅行先として圧倒的に一番人気の日本を周遊して満喫し、その中で九州にも足を延ばす。
・平均 4.2 泊(九州)。
まだ海外旅行そのものが珍しいなか、航空券・宿泊先すべて個人手配客(38%)と団体ツアー(40%)の割合がほぼ半々となっている。個人向けパッケージツアーは 22%で、合わせると FIT 客が多い。
・東京入国が 28%、福岡入国が 34%。東京出国が 35%、福岡出国が 32%。
・その魅力は自然風景と都市景観の美しい調和。文化・芸術にも興味が強く、伝統工芸品を購入。
・食事は地域ブランドのものが人気で、宮崎牛、鹿児島黒豚などの人気が高い。
・WEB はまだなじみがなく、ガイドブックや旅行雑誌に加え観光案内所も利用しながら情報収集。


【調査概要】
・調査地域:中国(上海)、韓国、台湾、タイ
・調査手法:インターネット調査
・調査地域:中国(上海)、韓国、台湾、タイ
・調査対象者:
【第 1 次調査】
 上記 4 つの国・地域に住む 18 歳から 69 歳の男女個人 15,196 サンプル
【第 2 次調査】
 過去 1 年以内に九州を訪れた 18 歳から 69 歳の男女個人
 各国・地域 100 サンプル、計 400 サンプル
・質問項目:
【第 1 次調査】
 海外旅行の経験、渡航意向、九州の認知・イメージ など
【第 2 次調査】
(1 年以内九州来訪経験者の)
 九州旅行時の行動実態(食、訪問場所、買い物)
 来訪前、滞在中の情報収集活動 など多数
 ※九州来訪経験者のシングルソースデータとして、「〇〇県を訪れた人は九州の何を魅力と感じているのか?」「〇〇を購入した人の情報源は何だったのか?」など様々な視点から詳細な分析が可能
・実施時期: 2015 年 8 月

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[電通九州]
 マイページ TOP