インターブランドは,日本発のブランドを対象に,ブランド価値評価ランキングJapan’s Best Global Brands 2016 (グローバル日本ブランドランキングTop 40,ドメスティック日本ブランドランキングTop 40)を発表。

本ランキングは日本発のブランドを対象に,そのブランドが持つ価値を金額に換算してランク付けするもので,本年で8回目の公表となります。この評価結果は,2000年より毎年公表する,グローバルTop 100のブランドランキングBest Global Brandsと比較可能なものとなります。これまで以上に幅広く日本ブランドの現状をご理解いただけるよう,今回より各ランキングを40位まで拡大し公表いたします。

【調査結果サマリー】

・Toyotaがグローバル日本ブランドランキングにおいて8年連続で第1位。Subaru,Mazdaが,昨年に続き大幅なブランド価値アップ。自動車関連11ブランドがグローバルランキングにランクインし,日本のグローバルブランドを牽引
・MUFGがグローバルブランド基準をクリアし,グローバル日本ブランドランキング6位に移行。Denso, Isuzu, Kubota, Makitaが初めてランクイン
・MUJIが好調を持続し,ドメスティック日本ブランドランキングのブランド価値向上率において,4年連続の第1位

【調査結果】

Global Japanese Brands 2016  (グローバル日本ブランドランキングTop 40) 概況

急激な原油安や中国をはじめとする新興国経済の変調など外部環境が激しく変化する中,グローバルに展開する日本ブランドはそのブランド価値を伸長させ,「グローバル日本ブランドランキングTop 40」ブランドのブランド価値合計金額は158,968 百万ドルとなりました。一方,「ドメスティック日本ブランドランキングTop40」ブランドのブランド価値の合計金額は 58,508 百万ドルとなっています。グローバル日本ブランドが,今日の日本経済を力強く牽引していることが数字に表れています。

1. 昨年に続き自動車関連ブランドが大きく伸張

「安心と愉しさ」を中心の価値に据え,北米市場中心に成長を続けるSubaru(12位 前年比+39%),経営の強いコミットメントで「走る歓び」の提供を徹底的に追求し続けるMazda(13位 前年比+36%)が大きくブランド価値を伸ばし,昨年比ブランド価値向上率の上位ブランドとなっています。
他,8年連続第1位のToyota(前年比+16%)をはじめ,Honda(2位 前年比+6%),Nissan(4位 前年比+19%),Lexus (9位 前年比+1%),Bridgestone(11位 前年比+16%),Suzuki(14位 前年比-1%),DENSO(25位),Isuzu(31位),Mitsubishi Motors(35位)と11の自動車関連ブランドが名を列ね,日本のグローバルブランドのランキングをリードしています。

2. 新しい時代への適応が一層求められるエレクトロニクス・テクノロジー関連ブランド

自動車関連ブランドとは対照的に,日本を代表する産業であるエレクトロニクス関連ブランドは,新たな変化への対応の途上にあります。映像技術の急速な高度化,それに伴う革新的な商品・サービスの登場に対して,新しい成長領域を模索し,次の成長のドライバーとすることが急務であるNikon(21位 前年比-30%),昨年Best Global Brands 2015(2015年10月発表)のTop 100から漏れたNintendo(10位 前年比-27%)など,ユーザーのニーズが劇的に変化する環境下で,財務面においても将来の業績予想が楽観的ではないブランドも多く,ブランド価値を減じる結果となっています。

ITテクノロジーおよびエレクトロニクス業界は,伝統的なグローバル企業が苦戦する一方で,業界の垣根がなくなる中,巨大な投資を行うグローバル企業や革新的ベンチャーブランドなど急成長する会社が少なくありません。この業界においては,ベストブランドは,時代の潮流を生み出し,その存在が常に世界の変化の中心・最前線にあり続けることが望まれています。

3. 自社の日本的経営の強みを徹底的に磨き続け海外展開するブランドが躍進

前述のSubaruやMazdaの他,UNIQLO(8位 前年比+13%),Unicharm(19位 前年比+19%),Yakult(26位 前年比+19%)など,自社が有する日本的経営の強みを磨き続けて築いた価値を,海外に展開するブランドが躍進しています。徹底的に顧客の価値を追求することで,なくてはならない存在となった日本ブランドがグローバル競合と渡り合う良い事例となっています。また,MUFGは海外売上高比率30%以上の「グローバル基準」をクリアし,今回グローバルランキング第6位にランクインしました。昨年ランク入りしたUNIQLOと同様に,欧米での成功が加速することで,Best Global Brandsへ仲間入りすることが期待されます。

・Top Risers(前年比ブランド価値向上率トップ6)
Subaru (+39%), Mazda (+36%), Yakult (+19%), Unicharm (+19%), Nissan (+19%)

・New Entry(ランキング入り)
MUFG (6位), DENSO (25位), Isuzu (31位), Olympus (32位), Kikkoman (33位), Kubota (34位), Mitsubishi Motors (35位), Makita (37位), Ajinomoto (38位), Fujifilm (39位), Casio (40位)

Global Japanese Brands 2016  (グローバル日本ブランドランキングTop 40)
1 Toyota
2 Honda
3 Canon
4 Nissan
5 Sony
6 MUFG
7 Panasonic
8 UNIQLO
9 Lexus
10 Nintendo
11 Bridgestone
12 Subaru
13 Mazda
14 Suzuki
15 Komatsu
16 Shiseido
17 ASICS
18 Ricoh
19 Unicharm
20 Daikin
21 Nikon
22 Hitachi
23 Mitsubishi Electric
24 Shimano
25 DENSO
26 Yakult
27 Nomura Holdings
28 Yamaha
29 Fujitsu
30 Epson
31 Isuzu
32 Olympus
33 Kikkoman
34 Kubota
35 Mitsubishi Motors
36 Konica Minolta
37 Makita
38 Ajinomoto
39 Fujifilm
40 Casio

Domestic Japanese Brands 2016 (ドメスティック日本ブランドランキングTop 40)概況

1. ブランド起点の経営によりブランドマネジメントを強化し,価値を高めるブランド

国内市場で着実にブランド価値を高めつつ,マネジメント体制を含めてグローバル化を着実に推進するSuntory (8位 前年比+13%),ブランドを中心に据えた経営をすすめ,「カルビープラス」など直接の顧客接点を通じてイノベーションを実現しているCalbee(22位 前年比+24%),全社挙げてブランドマネジメントの強化を進めるNEC (21位 前年比+18%)など,ブランド起点の経営を進める企業のブランド価値が拡大しています。

2. 堅実に日本的価値の海外展開を継続するMUJIが,4年連続でブランド価値向上率1位

MUJI(17位 前年比+25%)は,日本らしくも世界に通じる普遍的世界観とそれを徹底的に体現する商品・サービスにより,欧米およびアジア市場にその価値の浸透を進め,ブランド価値を高め続けています。また,日本ではなくてはならない存在となったRakuten(7位 前年比+19%)も,徹底的に顧客の価値を追求する手法を海外へも展開し,昨年に続き大幅にブランド価値を上げています。

また,今回から評価対象セグメントとなったエアラインから,好調な業績と日本的なサービスの高い評価を背景にJapan Airlines(16位)が初めてランクインしました。

3. 「グローバル」視点で,ブランド価値を再構成しつつあるドメスティック日本ブランド

少子高齢化を背景に,これまで内需依存型産業といわれてきた建設・不動産,小売業,サービス業も,昨年2,000万人に迫る数に達したインバウンド消費を含めて,グローバル市場を意識せずには成長が図れない状況となっています。今回ランキングの枠を拡大したことに伴い,新たに11ブランドがランクインしました。「グローバル」を成長ドライバーとした多くのブランドが国内外の需要を取り込むことに成功し,ブランド価値を高めています。

・Top Risers(前年比ブランド価値向上率トップ5)
MUJI (+25%),Calbee (+24%),Rakuten (+19%),NEC (+18%),Mitsubishi Estate (+15%)

・New Entry(ランキング入り)
Japan Airlines (16位),KOSÉ (27位),BANDAI NAMCO (29位),ABC-MART (32位),Resona (34位),Sumitomo Mitsui Trust (35位),Sumitomo Realty & Development (36位),Daiwa Securities (37位),MatsumotoKiyoshi (38位),Cookpad (39位),Nomura Real Estate (40位)

Domestic Japanese Brands 2016 (ドメスティック日本ブランドランキング)
1 NTT DOCOMO
2 SoftBank
3 au
4 SMFG
5 Recruit
6 Mizuho
7 Rakuten
8 Suntory
9 Kao
10 Kirin

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[インターブランド]
 マイページ TOP