第14回「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」 

2015年12月04日
デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(DTTL)は、アジア太平洋地域のTMT(テクノロジー・メディア・テレコミュニケーション)業界の企業を対象にした、直近3決算期の収益(売上高)に基づく成長率のランキング、第14回「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」を発表した。

1位は成長率8,516%を記録した韓国のDevsisters Corp. が獲得、2年連続で韓国企業がトップとなった。
ソウルに本社を置くDevsisters は、モバイルゲームやゲームキャラクターの開発・提供を行うグローバルエンターテインメント企業であり、同社のゲームシリーズ「OvenBreak」は、北米や欧州を含む20カ国で絶大な人気を誇っている。また、「Cookie Run」シリーズは、エンドレスラン系を代表するゲームタイトルとしての地位を確立しており、現在までのダウンロード数は1億を超える。

Devsisters が1位を獲得した一方で、今年の注目点は、中国企業とクリーンテック領域企業の存在感が増したことである。中国は全ての参加国の中でランキング500社中に最多の受賞企業を送り出し、上位10社中にはWuhan hi-target Digital Cloud Technology Co Ltd、Changzhou Yihutong Logistics Technology Co Ltd、Chongqing Yijifu Technology Co Ltdなどの6社がランクインした。またクリーンテック領域の受賞企業数は今年大幅に増加して過去最多となり、特に北アジア地域でこの領域に対する関心が高まっていることを示している。

収益(売上高)成長の傾向
上位500社による平均収益(売上高)成長率は415%となり、2014年の405%から着実に増加した。一方で受賞企業の売上高規模を見ると、2015年の受賞企業のうち年間売上高が1,000万米ドル未満の企業は2014年の342社から231社へと著しく減少した。最も大幅に増加したのは売上高が1,000万~5,000万米ドル規模の企業であり2014年の108社から2015年は164社に増加した。

地域別傾向
ランキング500社における地域別の受賞企業数を見ると、中国は2014年の100社から大幅に増加して139社となり、今年も最多受賞を果たしている。台湾は500社中86社と前回の90社から減少した。
2015年は地域別の企業数にいくつかの興味深い変化が見られた。インドは2014年の90社から大幅に減少して55社となった。日本(34社)と台湾(86社)でも受賞企業数が減少した。
その一方で存在感を増し続けている国もあり、オーストラリア(80社)、ニュージーランド(54社)、韓国(50社)はいずれも対前年比で受賞企業数が増加している。

事業領域別傾向
ソフトウエア領域の受賞企業数は、前年から35社の増加を遂げて181社がランクインし、3年連続、事業領域別で最多となった。本年度1位のDevsisters もこの事業領域に属している。
ハードウエア領域はランキング500社中100社が受賞して今年も2番目につけたが、2014年との比較では30社減少した。またこれは3年連続の減少である。
クリーンテック領域の受賞企業は、2014年の13社から2015年は48社と大幅に増加した。
バイオテクノロジー、医薬品、医療機器を含むライフサイエンス領域は、前年の33社から42社に増加した。
メディア領域(87社)と通信領域(42社)は、今年共に減少した。

未上場企業と上場企業
今年は、未上場企業の数が著しく減少し(349社から297社へ)、前年までの傾向に変化が見られた。未上場企業が受賞企業全体に占める割合は、2014年には70%だったが、今年は59%にとどまった。

2015年 「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」を受賞した日本企業34社
日本企業は、33位にランクインした株式会社バンク・オブ・イノベーション(成長率1,104%)を筆頭に、42位に株式会社アカツキ(906%)、70位に株式会社メタップス(598%)と、3社が上位100社にランクインした。Fast500ランキングを受賞した日本企業は全部で34社となった。

【デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500とは】
テクノロジーFast500は、国際会計事務所組織 デロイト トウシュ トーマツ リミテッドが、TMT(テクノロジー・メディア・テレコミュニケーション)業界の急成長企業を、世界3極(アジア太平洋地域、北米地域、EMEA地域)の地域レベルで顕彰するプログラムです。2015年で14回目を迎えた「デロイト アジア太平洋地域テクノロジー Fast500」は2002年に開始、日本は初年度から参加しています。ランキング基準は、直近3決算期(北米地域、EMEA地域は直近4決算期)の収益(売上高)に基づく成長率としており、現在はオーストラリア、中国、インド、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、台湾から、上場、未上場を含む様々な規模の企業が参加しています。ランキング対象となる事業領域は、(1)半導体や部品・コンピュータ、周辺機器等を含むハードウエア、(2)アプリや各種管理運用システムを含むソフトウエア、(3)インターネットやクラウドサービスを含む通信、(4)広告やマーケティング、Eコマースを含むメディア、(5)バイオや製薬を含むライフサイエンス、(6)再生技術やエネルギー貯蔵、機器を含むクリーンテック、以上の6領域としています。

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[デロイト トーマツ コンサルティング]
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