自転車ルール・マナーについての調査(中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦対象) 

2016年02月18日
自転車の安全利用促進委員会では、中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦に自転車ルール・マナーについての意識調査をいたしました。

調査の結果、自転車との向き合い方について、保護者は一定量子どもに教育しているものの、保護者自身が実践できていないため説得力が少なく、子どもたちにも浸透していないことがわかりました。「ルール・マナー」「万が一事故に遭った時の対策」「自転車自体の安全性担保」など、自転車事故を減らすために気を付けなければいけない要素が多数ありますが、どれか1つだけを意識するのではなく、それぞれに対して改めて意識する必要がありそうです。

【調査トピックス】

<道交法施行からもうじき1年!
にもかかわらず変わらぬ、自転車ルール・マナーへの意識!>
●半数以上が施行後も自転車マナーが改善していないと回答
●自転車事故の約7割が交通ルールを遵守できていないことで発生!

<怖いのはルール・マナーより、通学環境?
ママが気にする自転車通学項目1位は「遅い時間の帰宅」(53.4%)!>
●まだまだ浸透しない左側通行(15.0%)のみ。ルール・マナー関連項目は全体に低め!
●事故につながりやすい生徒同士の「並進」を気にしているのは4人に1人だけ。

<“自転車常識”子どもは必要、親には無用?
子どもに見せられない親の背中!!>
●子どもに対して「自転車保険加入」(45.8%)「ヘルメット着用」(16.7%)を意識させるも自らが子どもと同程度に意識しているのは「道路交通法に定められた規定の遵守」(17.3%)くらい

【調査結果】

<道交法施行からもうじき1年!
にもかかわらず変わらぬ、自転車ルール・マナーへの意識!>
●半数以上が施行後も自転車マナーが改善していないと回答
●自転車事故の約7割が交通ルールを遵守できていないことで発生!

自転車の交通ルール違反や、自転車が起こした事故をめぐる問題が話題化する中、自転車での悪質な運転者への対策強化として、改正道路交通法(道交法)が2015年6月1日に施行され、もうじき1年になります。そこで、当委員会では、世間の自転車マナー・中高生の自転車マナーに関して、この半年で改善されたかどうかを質問いたしました。

その結果、世間の自転車マナー・中高生の自転車マナーともに、半数以上の方が「良くなっていない」と回答する結果となりました。

今回の調査の結果、「世間の自転車マナーが改善していない・悪くなった」と回答したのは68.0%、「中高生の自転車マナーが改善していない・悪くなった」と回答したのは61.4%と、まだまだ自転車のルール・マナーについては、世代ごとの大きな違いはなく浸透していない現状が明らかとなりました。
自転車側が加害者となる事故が近年クローズアップされていますが、損害賠償額も高額化しています。そのルール遵守の徹底を認識する必要があるようです。運転するために特に免許がいらず、健康にも良く、身近な移動手段として親しまれている自転車ですが、自転車は「車両」です。

また、当委員会が公益財団法人交通事故総合分析センターITARDA協力の元、中高生の自転車事故実態について調査したところ、自転車事故のうち、約7割が法令違反を原因とした事故だということも明らかとなりました。
今年6月の道路交通法が改正以降、「信号無視」「路側帯通行時の歩行者通行妨害」「歩行者用道路徐行違反」「通行区分違反」など14項目の違反者に対して、安全運転を行わせるため講習の受講が義務づけられました。しかし、この中高生の年代は免許取得などでの交通ルール知識を理解する機会が少ないため、全体に比べ高い違反率を示しています。

<怖いのはルール・マナーより、通学環境?
ママが気にする自転車通学項目1位は「遅い時間の帰宅」(53.4%)!>
●まだまだ浸透しない左側通行(15.0%)のみ。ルール・マナー関連項目は全体に低め!
●事故につながりやすい生徒同士の「並進」を気にしているのは 4人に1人だけ。

見守る立場である保護者の方々に対し、子どもたちの自転車通学時(=乗車時)について気になる点を質問いたしました。

その結果、「左側通行」「自転車の危険運転」「二人乗り」などルール・マナーに関連する項目に比べ、「遅い時間の帰宅」「通学路の危険性(悪路・狭い道幅)」など、通学環境についての項目に注目が集まる結果となりました。

今回の調査で最も保護者の関心が高かったのは「遅い時間の帰宅」(53.4%)、ついで「通学路の危険性(悪路・狭い道幅)」(37.4%)と、通学環境についての項目でした。
その一方、「左側通行」(15.0%)をはじめとしたルール・マナーに関連する項目は、通学環境に関連する項目と比べ、全体的に低い値となりました。
もしもの際に身を守る装備として重要視されている「ヘルメットの着用」については、7.8%のみと、10人中9人の保護者はヘルメットの重要性についての意識がまだまだ低いことが明らかとなっています。

また、当委員会が全国の中学・高校に実施したFAXアンケートで、学校側が把握している「生徒が加害者になった事故」についてのデータをまとめたところ「急な進路変更」(11.8%)「信号無視」(16.3%)を抑え、「生徒同士の並進」が27.8%と最も高い数値となりました。
並進は、部活帰りの中高生に顕著ですが、並進が必ずしも2台というだけでなく、3台4台と横に広がって走る場合も多々あり、これは正面衝突ほか重大な事故を招く可能性があります。また、地方都市などでよく見るのはお互いにスマホをいじりながら並進している生徒がいるなど、危険な行為です。

<“自転車常識”子どもは必要、親には無用?
子どもに見せられない親の背中!!>
●子どもに対して「自転車保険加入」(45.8%)「ヘルメット着用」(16.7%)を意識させるも自らが子どもと同程度に意識しているのは「道路交通法に定められた規定の遵守」(17.3%)くらい

保護者であるママに、中高生の子ども・自身について、自転車事故に合わないために、どのような対策を実施しているのかを質問してみました。

その結果、子どもに対して実施している自転車事故対策を子どもだけの対策として考えており、自身は対策していないことが明らかとなりました。

今回の調査の結果、子どもの事故対策として「自転車保険加入」(45.8%)を半数以上の家庭が導入していことが明らかとなりました。昨今耳にする機会の多い自転車の高額賠償問題や自治体の取り組みの影響を受けて、保険の加入を意識する家庭が増えているのかもしれません。
事故発生状況を想定した項目が重要視されている一方、自転車自体の安全性を担保する項目「自転車の安全基準マーク貼付車(BAAマーク他)」(24.9%)「定期的なメンテナンス」(22.9%)や、ルール・マナーに関連する項目「道路交通法に定められた規定の遵守」(17.7%)「家庭での自転車ルール・マナーについての会話」(20.7%)については、4人に1人しか対策として取り組んでいないことがわかりました。

さらに、保護者自身が対策している項目としては、「自転車保険加入」(26.1%)「道路交通法に定められた規定の遵守」(17.3%)「定期的なメンテナンス」(18.2%)が上位を占めたものの、「道路交通法に定められた規定の遵守」を除く項目では、子どもの事故対策として実施している事項に比べ大幅に実施率が下がる結果となりました。

自転車事故を減らすためには、どれか1つだけを意識するのではなく、各項目への意識が大切です。


【調査概要】
【中高生の自転車通学をする子どもを持つ主婦へのアンケート】
調査方法:インターネットリサーチ
回答数 :合計500名
調査時期:2016年1月27日(水)~1月28日(木)

【全国の中学高校教職者向けアンケート】
調査方法:FAXリサーチ
回答数 :合計300校
調査時期:2015年11月

【自転車事故実態調査】
調査元 :公益財団法人 交通事故総合分析センターITARDA
調査時期:2015年11月

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[自転車の安全利用促進委員会]
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