東日本大震災以降の防災対策や防災意識の変化に関する調査 

2016年02月23日
住友生命保険は、東日本大震災以降の防災対策や防災意識の変化を探るためアンケート調査を実施しました。

【調査結果要約】

<質問1>あなたにとって最も備えが必要だと思う災害は何ですか?
◆トップは圧倒的に「地震」、約8割の方が「最も備えが必要な災害」と回答
北海道、東北では「大雪・雪崩」、中国・四国、九州は「台風」「大雨・洪水」を警戒

<質問2>ご家庭の防災対策は、100点満点で採点すると何点ですか?
◆全体平均は、「35.2点」とやや低い結果に
地域別では、関東地方が「40.0点」とトップ、東北地方、中部地方は平均点以上

<質問3>東日本大震災の前から、ご家庭の防災対策で実施していることは何ですか?
◆防災対策のトップ3は、
「非常用飲料水の備蓄」「非常用食品の備蓄」「非常用持ち出し袋の準備」
一方で、約3割は「特になし」と回答

<質問4>東日本大震災以降、ご家庭の防災対策で新たに実施したことは何ですか?
◆約6割が「特になし」
「避難場所・経路の確認」「家族間での連絡方法の確認」が5位以内に

<質問5>この一年間で、防災対策にいくら支出しましたか?
◆防災対策の費用は、年間で平均「3,207円」、一方で半数以上が「0円」と回答
地域別では、中部地方がトップ、ついで東北地方『東高西低』の結果に

<質問6>東日本大震災以降、あなたの防災意識で変化したものは何ですか?
◆最も変化したのは「防災対策への関心度」
次いで「節電や省エネへの取組み」、「外出先等での避難経路の確認」

【調査結果】

<質問1>あなたにとって最も備えが必要だと思う災害は何ですか?

1 地震 79.2
2 台風 7.3
3 大雨・洪水 4.7
4 津波 3.1
5 大雪・雪崩 1.8
6 噴火 1.2
7 土砂災害 0.8
8 落雷 0.7
9 竜巻 0.4

◆トップは圧倒的に「地震」、約8割の方が「最も備えが必要な災害」と回答
北海道、東北では「大雪・雪崩」、中国・四国、九州は「台風」「大雨・洪水」を警戒

全体では、1位の「地震」が79.2%と圧倒的な割合を占めました。次いで「台風」(7.3%)、「大雨・洪水」(4.7%)という結果になりました。
地域別では、北海道地方、東北地方で「大雪・雪崩」が2位に入りました。中国・四国地方では、3位が「大雨・洪水」(11.8%)となり、平成26年8月に広島県で発生した豪雨による土砂災害の影響が見られると考えられます。また、毎年台風による被害が多い中国・四国地方、九州地方では、「台風」と「大雨・洪水」の割合が他の地域に比べ高くなっており、それぞれの地域の特徴が表れた結果となりました。

<質問2>ご家庭の防災対策は、100点満点で採点すると何点ですか?

◆全体平均は、「35.2点」とやや低い結果に
地域別では、関東地方が「40.0点」とトップ、東北地方、中部地方は平均点以上

家庭の防災対策を100点満点で聞いてみたところ、全体平均は「35.2点」でした。質問6(「東日本大震災以降、あなたの防災意識で変化したものは何ですか?」)では、東日本大震災後「防災対策への関心度」が最も変わったという回答が多かったものの、実際に家庭の防災対策の点数を聞いてみると、やや低い結果となりました。
男女別では、男性「37.4点」>女性「33.0点」と、男性の方がやや高くなりました。
年代別では、60代の「42.1点」が最も高く、年代とともに低下傾向で20代、30代は平均点以下という結果となりました。
また、地域別では、関東地方が「40.0点」とトップで、続いて東北地方が「36.8点」となり東日本大震災で多くの被害が出た地域は、特に防災対策に力を入れているようです。続く中部地方も、東海地震の発生が懸念されている影響か「35.8点」と平均点を上回りました。

<質問3>東日本大震災の前から、ご家庭の防災対策で実施していることは何ですか?

1 非常用飲料水の備蓄 38.4
2 非常用食品の備蓄 35.7
3 非常用持ち出し袋の準備 30.1
4 特になし 29.4
5 家具などの転倒・落下防止策 26.0
6 寝室に懐中電灯やスリッパ等を用意 25.9
7 避難場所・経路の確認 18.6
8 家族間での連絡方法の確認 15.2
9 家屋の耐震化 10.1
10 防災訓練の実施・参加 6.0

◆防災対策のトップ3は、
「非常用飲料水の備蓄」「非常用食品の備蓄」「非常用持ち出し袋の準備」
一方で、約3割は「特になし」と回答

全体では、家庭で実施している防災対策のトップ3は、「非常用飲料水の備蓄」(38.4%)、「非常用食品の備蓄」(35.7%)、「非常用持ち出し袋の準備」(30.1%)でした。防災対策の基本といわれる、非常用物資の備蓄・準備を行っている家庭が多いことが伺えます。
しかし、一方で「特になし」も29.4%となり、約3割の家庭では防災対策をしていないという実態も浮き彫りになりました。
年代別では、20代、30代は「特になし」がトップで防災対策への関心が低いようです。一方で、60代では上位3位までの項目すべてが40%を超えており、防災対策を実践している方が多いことが伺え、世代間での防災対策に差が見られる結果となりました。

<質問4>東日本大震災以降、ご家庭の防災対策で新たに実施したことは何ですか?

1 特になし 60.2
2 非常用飲料水の備蓄 8.4
3 非常用食品の備蓄 7.9
4 避難場所・経路の確認 7.8
5 家族間での連絡方法の確認 7.6
6 寝室に懐中電灯やスリッパ等を用意 6.5
7 家具などの転倒・落下防止策 6.1
8 非常用持ち出し袋の準備 5.5
9 防災訓練の実施・参加 3.8
10 家屋の耐震化 2.9

◆約6割が「特になし」
「避難場所・経路の確認」「家族間での連絡方法の確認」が5位以内に

東日本大震災以降に新たに実施した防災対策を聞いたところ、全体では60.2%が「特になし」と回答しています。震災前から実施している防災対策で十分といった家庭もあると思われる一方で、震災後に防災対策を強化するまでには至っていない家庭も多いのではないでしょうか。
4位は「避難場所・経路の確認」(7.8%)、5位が「家族間での連絡方法の確認」(7.6%)となり、非常用物資の備蓄・準備がある程度整っている家庭での、さらなる防災対策として挙げられています。

<質問3>で東日本大震災前の防災対策が「特になし」と回答した方で、<質問4>の東日本大震災後に新たに実施した防災対策も「特になし」と回答した方は、25.5%でした。実に、約4人に1人は防災対策を何もしていないという結果となりました。年代別で見ると、20代、30代の若い世代ほど防災対策を行っていない実態が明らかになりました。

<質問5>この一年間で、防災対策にいくら支出しましたか?

◆防災対策の費用は、年間で平均「3,207円」、一方で半数以上が「0円」と回答
地域別では、中部地方がトップ、ついで東北地方『東高西低』の結果に

「0円」から「40万円」まで幅広い回答が寄せられましたが、全体の平均金額は「3,207円」でした。一方で、56.1%が「0円」と回答しており、防災対策にお金をかけない派が半数以上を占め、特に若い世代ほど割合が高くなっています。
男女別では、男性「3,473円」>女性「2,940円」と、男性の方がやや支出が多いようです。
地域別では、中部地方「5,131円」と、東北地方「5,083円」が他の地域よりも高く、全体を見ると『東高西低』の結果となりました。

<質問6>東日本大震災以降、あなたの防災意識で変化したものは何ですか?(複数回答)

1 防災対策への関心度 44.5
2 特になし 32.8
3 節電や省エネへの取組み 29.7
4 外出先等での避難経路の確認 16.4
5 家族とのコミュニケーションをふやす 11.9
6 避難訓練などへの積極的な参加 9.3
7 自治会など地域のコミュニティに参加 6.4
7 寄付・寄付付き商品の購入 6.4
9 ボランティア活動への参加 4.6

◆最も変化したのは、「防災対策への関心度」
次いで「節電や省エネへの取組み」、「外出先等での避難経路の確認」

全体では、東日本大震災以降、最も変化したのは「防災対策への関心度」(44.5%)でした。
次いで、「節電や省エネへの取組み」(29.7%)、「外出先等での避難経路の確認」(16.4%)という結果となりました。一方で、約3割が「特になし」と回答しています。
また、「その他」では「ソーラー発電」「外出時に防災用品を持参する」「ヒールの高い靴は履かない」などの意見もみられました。
年代別では、全世代で「防災対策への関心度」がトップになりました。ここでも20代、30代では「特になし」との回答が多いものの、僅差で「防災対策への関心度」が高いといった結果となりました。60代で「節電や省エネへの取組み」(42.0%)が高く、「自治会など地域のコミュニティに参加」(12.5%)と回答した割合が高いのも特徴的です。
地域別でも、上位3位までの顔ぶれはほぼ同じ結果となりましたが、中部地方で「防災対策への関心度」が50.0%と最も高いのが目を引きます。次いで関東地方、近畿地方という結果となりました。また、「外出先等での避難経路の確認」(23.0%)が東北地方で高く、東日本大震災での教訓を活かしていこうという表れではないでしょうか。


【調査概要】
調査期間: 平成27年12月11日~12月14日
調査方法: インターネット応募による選択方式および自由記入方式
調査対象: 1,000人(全国の男女各500人)

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