東日本大震災から5年、今の気持ちについての調査 

2016年02月18日
千趣会の「ベルメゾン生活スタイル研究所」は、ベルメゾンデッセ会員を対象に東日本大震災から5年、今の気持ちについて調査を行いました。

5年を経過した今、被災地に対してどのような気持ちで向き合っているのか、また今後の自然災害に対する日頃の防災意識や防災対策についてお伺いしました。

【調査結果】

調査は、2016年1月20日~2月4日に実施。全回答者2036名の中から被災経験者334名を除いた1702名の回答結果を集計しました。

◆被災地の復興に関心ある人は7割弱。

東日本大震災からもうすぐ5年が経過します。今回の調査ではまず、被災地の復興についてどの程度関心があるか聞いてみました。その結果、「関心がある」と答えた人は24.2%、「わりと関心がある」の42.3%を合わせると66.5%が関心を持っていることがわかりました。年代別では、20代の関心が平均より20ポイント低く、年代が上がるほどに被災地への関心が高くなる傾向が見られました。

◆7割が「東日本大震災」が風化してきている。

震災から5年が経過しようとしている今、約7割が東日本大震災のことが風化してきていると感じていることがわかりました。(「風化していると感じる」22.5%、「わりと風化していると感じる」47.3%の合計)。どのような場面で風化してきていると感じるか聞いてみると、最も多かったのが「テレビや新聞等メディアの取り上げ方」の69.9%、続いて「政府の予算や支援内容」の40.7%、「自分自身の記憶や当時の思い」40.0%が続きました。5年という節目の年に改めて当時の気持ちを思い起こし、改めて、被災地の支援に取組むことや今後の災害に備える心構えが重要だと思われる結果となりました。

◆被災地の復興、4人に3人が「遅れている」。

次に、被災地の復興の進捗具合について聞いてみると、最も多かったのが「やや遅れていると思う」の45.5%、次に「かなり遅れていると思う」31.8%が続きました。ふたつの回答を合わせると77.3%が復興が遅れていると感じていることがわかりました。「かなり進んでいると思う」と答えた人は全体のわずか1%。震災から5年経った今でも、被災地の復興はまだまだ進んでいないと多くの人が感じているようです。

◆“原発事故の処理や放射能汚染問題”9割以上が「遅れている」。

被災地の復興状況についてどの程度進んでいると思うか、具体的な分野ごとに聞いてみました。その結果、最も進んでいると感じているのは「道路、交通、港、病院などの生活インフラ」で62%が進んでいると回答。(「かなり進んでいる」4.5%、「まあまあ進んでいる」57.5%の合計)、次いで「水産加工業などの地場産業」「コミュニティの復活や住民のつながり」45.3%が続きました。その一方で、「被災地域の雇用や生活資金の確保」18.7%、「津波被害など今後の自然災害の対策」23%、「高齢者や障害者への支援」24.5%とまだまだ復興が遅れている分野があると感じていることがわかりました。中でも、「原発事故の処理や放射能汚染問題の解決」に関しては、「進んでいる」と感じている人はわずか6.4%。9割以上が遅れている(「やや遅れている」23.1%、「かなり遅れている」70.4%の合計)と理解していることがわかりました。

◆この1年間の支援「被災地の農水産品の購入」が最多。

震災以降被災地や被災者に対して何らかの支援をした人は、全体の82%。内容では「義捐金・募金」が最も多く、79.1%、次いで「被災地の農水産品の購入」37.1%、「被災地の寄付付き商品の購入」24.5%が続きました。この1年間に限って聞いてみると、765名(全体の55.0%)が何らかの支援をしたと回答。内容的には、「被災地の農水産品の購入」が62.4%で最も多く、次いで「義捐金・募金」30.8%、「被災地への寄付付き商品の購入」24.6%が続きました。

◆今後も被災地の支援をしたいと考える人は8割以上。

今後の被災地への支援の意向を聞いてみると、「支援しない」と回答した人は15.2%。8割以上は支援する意思があることがわかりました。内容的には、「被災地の農水産品の購入」49.8%、「義捐金・募金」38.6%、「被災地方面への観光や旅行」35.2%、「被災地への寄付付き商品の購入」34.1%と答えた人が多く、消費を通して応援したいという気持ちが見えてきました。

◆半数弱が防災意識が徐々に薄れてきている。

東日本大震災以降、防災意識に変化があったかどうか尋ねてみると、最も多かった回答が「東日本大震災直後は防災意識が強くなったが、徐々に弱くなってきた」で44.1%。次いで「東日本大震災以降、防災意識が高まった」の31.1%という結果になりました。震災を機に高まった防災意識も時がたつにつれ、徐々に薄れてきている人が多いことがわかります。

◆日頃の防災対策、2人に1人が「食品の備蓄」。

震災以降取り組んでいることを聞いてみると、最も多かったのが「日頃利用している食料品を少し多めに購入して備蓄している」で50.8%。次いで、「生活用品の備蓄」33.5%、「災害用の食品や生活用品の準備」32.6%が続きました。どの項目も決して高い数値は言えず、具体的な防災対策への啓蒙が重要と思われる結果となりました。

◆8割以上が防災対策に自信なし。

最後に、今後予測される巨大地震や自然災害に備えて、どの程度防災対策ができているか聞いてみました。結果は、「十分できている方だと思う」0.4%、「ある程度できている方だと思う」15.8%を合わせても、自信のある人は16.2%。一方、「あまり出来ていない方だと思う」34.8%、「ほとんどできていない方だと思う」の17.0%を合わせると、半数以上が防災対策はできていないと答えています。「どちらでもない」と回答した32.0%を加えると全体の83.8%が防災対策に自信を持っていないことが浮かび上がりました。

◆「家族や人とのつながりを大切にする」「モノに固執しすぎない」「普段からの防災対策を怠らない」などの声が多数寄せられました。

家族や人とのつながりを大切にする、モノに固執しすぎない、普段からの防災対策を怠らない、原子力発電に対する不安などのコメントが多く聞かれました。東日本大震災から5年の年月とともに、その意識が薄れつつあるというコメントや、特に関西圏の人からは東日本大震災よりも阪神大震災で意識が変わったとするコメントもありました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ベルメゾン生活スタイル研究所]
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