住まいの売却に関する調査②(20代~60代までの男女対象) 

2016年03月07日
『HOME'S』を運営するネクストは、『HOME'S』内の住宅トレンドニュースサイト「HOME’S PRESS(ホームズプレス)」にて、住まいの売却に関する調査を発表いたしました。

【調査結果概要】

家を売った際に気をつけたこと、不満に思ったことは?

前回の調査記事では、家を売った経験がある男女541人に「どんなサイトで調べ、どんな不動産会社との付き合い方をしていたか」など、“売る前”の行動について調査した結果を公表した。今回の記事では、同じ対象者に「売った際に気をつけたこと、価格面の不満はどんなことだったか」など、“実際に売る段階から売った後”について調査した結果を発表したい。


まず売却の際に気をつけたことについて紹介したい。
売却をした人が気をつけたこと第1位は「内見の際、部屋をキレイにしておいた」(36.2%)。少しでも印象をよくするために、努力する人もいる。続いて2位は「信頼できる不動産会社(営業担当者)かどうか見極めた」(29.0%)、3位は「納得できる金額まで交渉し続けた」(17.9%)となった。5位ではあるが、「中古住宅なのでインスペクションを実施して状態を見極めた」(9.2%)という人もいる。
「ホームインスペクション(住宅診断)」は住宅の設計・施工に詳しい専門家が、住宅の劣化状況、欠陥の有無などを診断するものだ。築年数が経っていても、状態が悪くないこともある。売却の際、正当に評価される手段のひとつとして、考えておきたい。

売却するときに気をつけたことランキング【複数回答可】(n=541)

1位 「内見の際、部屋をキレイにしておいた」(36.2%)
2位 「信頼できる不動産会社(営業担当者)かどうか見極めた」(29.0%)
3位 「納得できる金額まで交渉し続けた」(17.9%)
4位 「売却することを近所や関係者に情報が漏れないようにした」(16.8%)
5位 「中古住宅なのでインスペクションを実施して状態を見極めた」(9.2%)

「その他」(0.7%)
「特に気をつけたことはない」(28.1%)

費用面での不満なことランキング

気になるのはやはり売却価格という人も多いだろう。費用面で不満だったことを尋ねてみた。
1位は「成約価格が想定よりも安かった」(22.9%)。これに続いて、2位と3位がほぼならび「購入希望者から値引き交渉をされた」(16.6%)、「査定価格が想定よりも安かった」(16.1%)となった。
忘れがちなのが、諸費用だ。仲介手数料や印紙代、譲渡所得にかかる費用、引越し代など、認識していなかった実は必要な費用があったという人が約1割いる。何が必要なのか事前にしっかり把握しておきたい。

費用面での不安だったこと【複数回答可】(n=541)

1位 「成約価格が想定よりも安かった」(22.9%)
2位 「購入希望者から値引き交渉をされた」(16.6%)
3位 「査定価格が想定よりも安かった」(16.1%)
4位 「売出し中に担当の不動産会社から値引き交渉された」(13.7%)
5位 「売り出し価格が想定よりも安かった」(13.1%)
6位 「売却にかかる諸費用の認識がなかった」(10.7%)

「その他の費用面に関する不満」(0.9%)
「特に費用面に関する不満はなかった」(41.2%)

価格面で特に不満がなかったという人は約4割。では、売却における総合満足度については下記結果になった。また、それぞれ理由について尋ねてみた。

■満足な人の声
「その前に1度マンションの売却と購入を経験しています。この時は会社の知名度と大手であることから選びましたが、担当営業マンの対応はまさにマニュアル通り。一般論ばかりで、結局こちらの一番の要望は無視されてしまいました。そこで、今回の売却に関しては、複数の会社の営業マンと会い、会社の規模や査定額ではなく、自分と一番気が合う営業マンを選びました」
「こちらの言い値を交渉してもらい、団地に手作りのチラシをポスティングくれるなど本当に親身になってくれた」
「初めての売却で、売却相場やかかる費用等知らない人間にも有利になるように交渉を進めてくれたから」
「都内の投資用のマンションの売却であったが、遠隔地の私に対してよく対応をしてもらえたので」
「売却価格も想定より大幅に高くなり、時間も掛からずスムーズに契約が完了した」
「一回の交渉ですべて完結した」

■不満な人の声
「掲載までのトラブルや勝手に値引きを購入者に打診してしまい売却額が減った」
「購入価格のわずか1割での買い取り価格でした」
「査定が購入者都合に強制的に引き下げられたことと担当者の態度が不愉快にさせるものだったため、気持ちよく取引できなかった」
「連絡がない、遅い、客に対する態度が悪い」
「専属選任にする前に一般媒介で幅広く他の会社の営業の人とも直接話をすればよかったと思いました」

これらの結果から、いくつか留意したいポイントが見えてくる。
1.担当者との相性
会社の評価だけでなく、きちんと連絡・報告してくれる担当者かどうかも重要である。事前に相性を見極めておきたい。そのためには、1社だけに頼るのではなく、比較できるほど複数の会社に相談してみることも時には必要だ。

2.経験者に話を聞くこと
実例や経験が重要となる。売主側もまかせっきりではなく、何が一般的で何が一般的ではないのか、知識をつける必要がある。例えばこの調査結果もひとつの参考にしてもらいたい。

3.事前に期待を抱きすぎないこと
売主からは「思ったよりも・・・」「想定していたよりも・・・」といった事前の期待値が現実よりも高かった発言が散見される。あまり期待しすぎず、現実を認識することも大切だ。

「売る」だけに焦点を当ててみたが、「貸す」という選択肢は?

「売る」だけに焦点を当ててみたが、売却を検討する中で「貸す」という選択肢を考えた人はいなかったのだろうか?長年住み続けた住まいや、思い入れのある住まいはなかなか手放しがたいもの。「貸す」という選択肢を考えた人はどれだけいたか調査してみた。その結果、今回の対象者のうち、「貸すことを考えた」という人は32.2%だった。

それではどうして「家を貸す」という選択肢を選ばなかったのだろうか。
回答者全体のうち、「家を貸す」という理由を選ばなかったのは大きく2つの理由が上位を占めた。「今後、その家に住む予定はないから」(24.0%)、「管理が難しそうだから」(23.3%)という理由である。

「家を貸す」という方法を選ばなかった理由【複数回答可】(n=541)

1位 「今後、その家に住む予定はないから」(24.0%)
2位 「管理が難しそうだから」(23.3%)
3位 「手元に資金が欲しかったから」(13.9%)
4位 「入居者が入るかどうか分からなかったから」(10.5%)
5位 「固定資産税や修繕費を払う余裕がないから」(9.1%)
6位 「住宅ローンの問題から」(8.7%)
7位 「家族や親族が望んだから」(5.2%)

「その他」(5.4%)

なお、この理由は貸すことを考えた人と、考えなかった人で異なる。
考えた人が最も多かったのは、「管理が難しそうだから」(28.2%)。考えなかった人に比べて「入居者が入るかどうか分からなかったから」「固定資産税や修繕費を払う余裕がないから」も高かった。将来住む可能性がゼロとは言い切れないが、管理の難しさや入居者が入るか分からない不安感には勝てなかった。一方で考えなかった人は「今後その家に住む予定はないから」(29.7%)がトップ。「手元に資金が欲しかった」「住宅ローンの問題から」などが高いことからも、次の住居に住み替えるために今の家を手放した人も含んでいると思われる。

「売る」「貸す」以外の選択肢もある?

家を売る中でも、最近では様々な選択肢が増えてきている。
例えば「リバースモーゲージ」。持ち家などを担保として、自治体や金融機関から融資を受けることができる、死亡後に担保物件を処分して借入金を一括返済する。一生自分の家に住み続けられるのが特徴だ。持ち家がありながら、十分な現金収入がない高齢者から注目されている。

また「リースバック」という方法もある。住宅ローンを滞納してしまったり会社をクビになってしまったりと、家計の事情から返済が難しくなってしまった場合、泣く泣く住居を売却しなければならない人もいるだろう。しかし一旦住居を売却して買い主に賃料を払いながら住み続けることができる。将来的には住居を買い戻すことも可能である。

しかし現状では、いずれも知られていない。半数以上が「言葉も知らない」と回答した。今回リバースモーゲージを検討したのは15.7%、リースバックが12.8%となった。知っていれば売却に踏み切らなかったのに、ということにならないよう、選択肢があるということだけは認識しておきたい。


【調査概要】
調査実施サイト:「HOME'S 不動産売却査定サービス」
調査実施期間:2016年2月12日~2月13日
調査対象者:事前調査で10年以内に「住まいを売却したことがある」と回答した人
調査方法:インターネット調査
有効回答数:本調査541サンプル

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