第6回「ビジネスパーソン1000人調査」【仕事と介護編】 

2016年03月07日
日本能率協会グループは、全国のビジネスパーソン1000人に対して、仕事と介護についての意識調査を行いました。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。

【調査トピックス】

1.介護離職に対しては、「したくない/しない」が約半数。「分からない」が3割強。介護をしながらの仕事には「就業時間の制約」が最大の懸念。仕事と介護の両立の鍵は「時間」の確保

2.「経済面」「時間」「体力」が介護への3大不安に。介護経験者は「自由時間の制約」、未経験者は「経済的に苦しくなること」と、介護経験の有無で意識差も見られる

3.介護経験のない人のうち、約6割は「家族の介護が必要になったとき、どうするか分からない」と回答。介護施設・サービスを主な担い手と想定する人は1割程度に留まる

4.仕事と介護の両立のため職場に求めることは、「職場の理解」と「柔軟な勤務形態」。介護経験者が望む両立支援制度は「フレックスタイム制度」「介護休暇制度」が上位に


【調査結果】

※本調査における介護経験の有無について

・介護経験の有無について、「あり」20.9%、「なし」79.1%でした。年代別では 40 代以降に徐々に増加し、60 代では主な担い手と補助を合わせて経験があると答えた人は 40.0%でした。


1.介護離職に対しては、「したくない/しない」が約半数。「分からない」が 3 割強。介護をしながらの仕事には「就業時間の制約」が最大の懸念。仕事と介護の両立の鍵は「時間」の確保

・「介護離職」についての考えを聞いたところ、「できればしたくない」27.4%、「しない」19.0%、と、半数近くの人が「したくない/しない」と回答しています。

・仕事に及ぼす介護の影響では、1 位「就業時間に制約がでる」(39.6%)、2 位「同僚・部下に迷惑がかかる」(27.8%)、3 位「給料が下がる」(26.8%)でした。

・介護経験者では、1位の「就業時間に制約がでる」が47.8%と半数近くにのぼっています。また、3位に「仕事以外の付き合い(飲み会など)ができない」(27.8%)があがっています。(未経験者は 8 位)これらから、仕事と介護の両立には「時間」の確保が解決の糸口になっていることが伺えます。


2.「経済面」「時間」「体力」が介護への3大不安に。介護経験者は「自由時間の制約」、未経験者は「経済的に苦しくなること」と、介護経験の有無で意識差も見られる


・介護において不安を感じることを聞いたところ、「経済的に苦しくなること」(43.7%)、「自由時間に制約がでること」(39.2%)、「体力が続かなくなること」(38.2%)が上位 3 つに挙げられました。

・介護経験の有無でみると、介護経験のない人は「経済的に苦しくなること」(44.9%)が最も多く、次いで「体力が続かなくなること」(36.3%)、「自由時間に制約がでること」(35.3%)でした。

・一方、介護経験のある人は「自由時間に制約がでること」(54.1%)と最も多く、「体力が続かなくなること」(45.5%)、「仕事時間に制約がでること」(43.1%)と続き、経済的なことよりも体力面や時間面に不安を感じていることが伺えます。


3.介護経験のない人のうち、約 6 割は「家族の介護が必要になったとき、どうするか分からない」と回答。介護施設・サービスを主な担い手と想定する人は1割程度に留まる

・介護経験のない人に家族の介護が必要になったときの対応を聞いたところ、「どうするか分からない」が 58.8%と約 6 割にのぼりました。約 3 割が「自分または自分の家族が主な担い手」と回答した一方、「介護施設・サービスが主な担い手」と回答した人は1割程度に留まりました。

・年代別でみると、50 代、60 代では「どうするか分からない」はそれぞれ 41.3%、47.1%に減っているものの、60 代でも半数近くが家族の介護についてイメージしていないことがわかりました。

・男女別にみると、「どうするか分からない」と回答した人が、男性 62.3%に対し女性は 54.3%と、8 ポイントの差があります。また、女性は「自分が担い手」が 6.9 ポイント、「介護施設・サービス」が 4.1ポイント高い一方、「自分以外の家族」は 3.2 ポイント低いことから、女性の方がより主体的に介護の対応をイメージしていることが伺えます。


4.仕事と介護の両立のため職場に求めることは、「職場の理解」と「柔軟な勤務形態」。介護経験者が望む両立支援制度は「フレックスタイム制度」「介護休暇制度」が上位に

・介護と仕事の両立のために職場に望むことを聞いたところ、「介護する社員に理解がある社風」(29.6%)が最も多く、次いで「介護休暇制度」「上司・同僚の理解」(ともに 29.2%)でした。

・介護経験者では、「介護する社員に理解がある社風」を挙げた人が 40.2%と 4 割を超えました。

・介護経験者が望む両立支援制度は、1 位「フレックスタイム」(34.4%)、2 位「介護休暇」(33.5%)、3 位「短時間勤務」(30.6%)でした。



【調査概要】
・調査名称:第6回ビジネスパーソン1000人調査 【仕事と介護編】
・調査期間:2015年12月28日~2016年1月6日  10日間
・調査対象:(株)日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」のうち全国の20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
・調査方法:インターネット調査
・回答数 :1,000人(内訳:男性556人、女性444人)
※本調査では、「家族」を同居・別居を含む2親等(親・兄弟・子・祖父母)までの親族と定義

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本能率協会]
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