賃貸用共同住宅のリフォーム工事に対する賃料プレミアムに関する意識調査 

2016年03月31日
大東建託は、国内唯一の不動産専門学部である明海大学不動産学部と連携し、「不動産賃貸物件の経年減価を考慮したポートフォリオ・マネジメント研究」をテーマに共同研究を進めてまいりました。
この度、共同研究の一環で実施した「賃貸用共同住宅のリフォーム工事に対する賃料プレミアム※1 に関する意識調査」について、中間報告をまとめましたのでお知らせします。

※1:本調査の賃料プレミアムとは、同一の住戸において、リフォーム工事の実施後に、居住者がその住戸に対して最大限支払ってもよいと考える賃料の増額分をいう。一方、同一の住戸において、リフォーム工事を実施しないことに伴う賃料の減額分を賃料のディスカウントいう。

【調査結果概要】

(1)建築経過年数に対する賃貸居住者の意識
建物が古いことに対する不安の一つに「耐震性」があげられ、「賃料が安くても、一定の建築経過年数を経過した物件には住みたくない」という質問に対し、20 代と 30 代の女性の半数以上が「そう思う」「ややそう思う」と回答している。50 代は男女共に 40%以下と年代別では最も低い割合だった。

(2)リフォーム工事に対する質的評価
・賃貸居住者の魅力的評価の高いリフォーム工事としては、「収納スペースの拡張工事」が男女共に最も高い割合となっており、特に 20 代の女性からの支持が高い。このことから、リフォーム工事によって住戸に対する満足感の向上が期待されていることが窺われる。また、同回答の割合は、年齢とともに低下する傾向にあり、50 代の女性においては 28.6%と低い割合となっている。男性においては当該工事に対する魅力的評価の割合は高かったものの、認識においては総じて低い結果となっている。

・収納スペースの拡張工事に次いで、魅力的評価が高かったのは「床・天井(二重化)の遮音工事」「壁材の増し張り(二重化)の遮音工事」「二重サッシ化」と遮音性を高める工事が続いている。いずれも女性の 3 人に 1 人が支持していることから、特に女性の遮音性の向上に対するニーズの高さが窺える。一方、男性においては、20代における当該工事に対する魅力的評価の回答割合は 17.0%と最も低い。

・無関心評価については、男女ともに「屋根塗装によるデザインの向上」が最も高く、特に 20 代男性は 48.0%と半数近くを占めている。しかし女性においては、「屋根塗装によるデザインの向上」への無関心評価の認識は総じて低く、特に 20 代女性は 28.0%と最も低い。女性の当該工事に対する無関心評価の割合は、年齢とともに増加していく傾向にある。

・「床の段差解消」の無関心評価の割合については、20 代男性の回答割合は 50.0%と高いが、男性は年齢とともに低下していく傾向にある。女性においては 30 代の回答割合が 28.7%と最も低くなっており、これは子育て世代による子供への配慮によるものと推測される。

(3)賃料プレミアム・ディスカウントの算定(1次集計結果)

①賃料プレミアムの算定
・魅力的評価あるいは一元的評価に該当するリフォーム工事が実施された場合における、リフォーム後の同一住戸に対し、増額になってもよいと考える金額(以下、賃料プレミアム)は、総じて男性が女性に比べて高い。
回答者の 50%タイルに該当する賃料プレミアムは、男性が1ヶ月あたり 1,000 円であるのに対し、女性は 0 円である。

・性別、年齢別に見ると 20 代・30 代男性の賃料プレミアムが最も高く 1,500 円、次いで 40 代・50 代男性の 1,000円となっている。女性は、20 代の賃料プレミアムが 500 円だが、30 代以降ではいずれも 0 円である。

②賃料ディスカウントの算定
・当たり前的評価、あるいは一元的評価に該当するリフォーム工事が実施されない場合における、同一住戸に対し、減額すべきと考える金額(以下、賃料ディスカウント)は、男性の方が高い賃料ディスカウントを示しており、回答者の 50%タイルに該当する賃料ディスカウントは、男女ともに年齢にかかわらず 1 ヶ月あたり-5,000円となる。

・賃料プレミアムは住戸に対する満足感や賃料に対する割高感が影響しており、賃料ディスカウントは住戸に対する満足感や賃料に対する割安感が影響しているものと推測される。


【調査の概要】
フェーズⅠ:「賃貸用共同住宅のリフォーム工事に対する賃料プレミアムに関する意識調査」
・調査対象者:
 賃貸マンション・アパートの居住者(大東建託の入居者様に限らない)
 居住地:東京都特別区・横浜市・さいま市・千葉市
 年齢:20 代~50 代
・回収数:回収数 4,500 件
 東京都特別区:2,000 件(男性 1,000 件・女性 1,000 件)
 横浜市:1,500 件(男性 750 件・女性 750 件)
 さいたま市:600 件(300 件・300 件)
 千葉市:400 件(200 件・200 件)
・調査方法:Web モニター調査(調査協力会社:楽天リサーチ㈱)
・実施時期:平成 28 年 2 月 12 日(金)~2 月 26 日(金)

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