M&Aにおける人事リスク調査 

2016年04月07日
マーサーは、「M&Aにおける人事リスク調査レポート」を発表。

M&Aにおけるリスク上昇の主な要因は、短い検討時間、限られた情報開示、不十分な検討体制である

世界のM&Aが32%増加 [1] したことを背景に、M&Aの買収側・売却側はともに、多くのリスクに直面している - 世界最大級の人事コンサルティング会社マーサーが最近まとめた「M&Aにおける人事リスク調査レポート」によると、買収側・売却側双方にとって、人的リスクが依然としてM&Aの最大の懸念事項であることが明らかになった。これには人材流出の防止、企業文化の統合、リーダーシップ評価、報酬や手当の水準、人材マネジメント全般が含まれる。

[1] Thomson Reuters. Mergers & Acquisitions Review (First Nine Months 2015)

ディールの状況が厳しくなる中、これらの課題は一層先鋭化している。具体的には、検討期間の短縮、開示情報の限定、株主からの要求の増大が、状況悪化の要因である。事実、41%の買い手が、3年前に比べて デューデリジェンス期間が短くなった、また33%が売却側から提供される情報量が減った、と回答している。一方で売り手の34%が、M&Aの人事問題の解決に、より多くの検討リソースを投入することが求められている、と実感している。

マーサーは、このようなリスクは、クロスボーダーM&Aを行う場合にさらに大きくなると考えている。実際に、企業にとって必要なM&AがクロスボーダーM&Aとなる可能性は、ますます高まっている。回答者の50%が最近クロスボーダーM&Aを行った、また24%が複数国に渡るクロスボーダーM&Aを検討する可能性が2014年1月時点よりも高くなった、と答えている。クロスボーダーM&Aの場合、法的問題、企業文化、経営層などのリスクは全て実質的に増加する。

マーサーの調査では、財務諸表や資本投資に対するのと同様の規律と厳密さを持って人材への投資に取り組むと、人事分野からもうまく価値を引き出せることが明らかになっている。


「M&A取引における人事リスク調査レポート」について
企業案件・PE案件における買収側・売却側の人事課題に関する世界的M&Aアドバイザリー企業であるマーサーは、2015年にM&A専門家へのアンケート調査(323名)、聞き取り調査(78 件)、案件分析(約450件、うち約60%がクロスボーダー案件)を実施した。調査対象となった企業の44%が1万人を超える従業員を雇用しており、 38%の企業の売上が50億米ドルを超える。本調査の回答者は、人事担当役員に加え、57%がPE案件担当チーム、経営企画、財務、事業の責任者であり、調査は広範な視点を反映したものとなっている。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[マーサー]
 マイページ TOP