アクセンチュア調査レポート「Digital Disconnect in Customer Engagement」(世界24,489人の消費者対象) 

2016年04月27日
アクセンチュアの調査によると、米国の消費者の83%は顧客窓口での対応を受ける際、デジタルではなく人間による人間味のある対応を求めていることが明らかになりました。また、52%は「過去1年間で顧客サービスの品質の低さが理由で利用するサービスを変えたことがある」と回答しており、こうした消費者の反応は銀行や小売り、ケーブルテレビ・衛星テレビの業界で頻発していることも分かりました。米国において、顧客サービス品質の低さが原因となった顧客離反による損失は、1.6兆ドルにも達すると予測されています。

アクセンチュア・ストラテジーが作成したレポート「Digital Disconnect in Customer Engagement」は、今回で11回目となるアクセンチュアの年次調査「Global Consumer Pulse Research」をもとに作成されました。今回は、世界24,489人の消費者(うち米国人は2,003人)を対象に、企業のマーケティングやセールス、顧客サービスの取り組みに対する意識を調査しました。

顧客サービスにおいて人間が接客することの重要性
人間による人間味のある接客は、デジタル化が進む現在においても顧客満足を得るための重要な要素です。米国では、83%の消費者が「顧客サービスにおける問題解決はデジタルによる対応よりも人間に対応してもらいたい」と望んでおり、77%は「人間からアドバイスを受けたい」と思っています。また、半数近くの消費者(45%)は「より良いサービスを受けられるなら、商品やサービスの料金が高くなっても構わない」と回答しています。消費者は、実際に商品に触れることや実店舗での体験も非常に重視しています。米国の消費者の65%は「実店舗でのサービスが、自分のニーズに合った顧客体験を得るための最適なチャネルである」と考えており、46%は「オンラインよりも対面での接客の方が、新商品や高級品の購買意欲を喚起される」と回答しています。

顧客体験を改善するために
本レポートによって、現在の顧客サービスには改善の余地が多いことが分かりました。米国の消費者の81%は「やり取りが面倒な企業にはストレスを感じる」と回答しています。また、73%は「より手軽で便利な顧客サービス」を期待しており、61%は「より迅速な顧客サービス」を求めています。44%は「顧客体験に不満を持った場合は通常、ソーシャルメディアにクレームを投稿する」と答えており、ソーシャルメディアが不満のはけ口であることを認めています。米国では、一度消費者を失うと、68%の消費者は顧客として戻ってこないことが分かりました。しかし、企業が取るべき対策はあります。離反した米国の消費者のうち80%は、「企業は自分を引き留めるために何かできたはずだった」と感じています。83%は「企業がリアルタイムな顧客サービスや担当者を介した顧客サービスを提供していれば、他の企業に切り替えるという判断に影響を与えただろう」と回答しています。

顧客サービスにおける先進企業はいかにして成功を収めるのか
企業が、デジタルチャネルと従来のチャネルにおける顧客サービスのバランスを見直す際の留意点は下記の通りです。

顧客サービスに人間味のある要素や物理的な要素を再び取り入れる:投資配分を見直す必要があります。接客方法ではなく、顧客が満足する体験を提供することに焦点を当て、統一感のある体験を提供できるように統合的にチャネルを管理することが重要です。

顧客が望む体験に合わせたチャネル変更を容易にする:顧客が求める対応を提供するため、人間による接客とデジタルによる対応を顧客が柔軟に選べる仕組みを構築することが重要です。

抜本的に問題を解決する:全チャネルを通して、顧客の不満に繫がる体験を特定し改善する必要があります。こうした体験は、利益に直接影響を及ぼす可能性があります。顧客体験に悪影響を及ぼす恐れのある最大の要因を特定し、そこで得た知見をもとに投資再配分を検討することが重要です。

個人データのセキュリティ対策に万全を期す:米国の消費者の92%は「企業が個人情報を保護することは極めて重要だ」と回答しています。企業が万全なセキュリティ対策を施すことによって、消費者は安心して個人情報を提供し、結果的に企業はより良い顧客体験を創出できるようになるのです。



調査について
「Global Consumer Pulse Research」は、企業のマーケティング、セールス、顧客サービスに対する顧客の意識と、それらの企業活動に対する消費者の反応を評価する年次のオンライン調査です。2015年の調査では、世界33カ国から24,489名の回答結果をまとめました。調査対象国は、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、アラブ首長国連邦、タイ、韓国、シンガポール、ノルウェー、メキシコ、マレーシア、アイルランド、南アフリカ共和国、ロシア、アルゼンチン、トルコ、ポーランド、フィリピン、オランダ、ベルギー、チェコ、インド、インドネシア、フランス、ドイツ、日本、中国、ブラジル、スペイン、カナダ、オーストラリア、イタリア、英国、米国です。回答者は、11の業種から最大で4つの業界に対する顧客体験を評価しました。11の業種とは、リテールバンキング・金融サービス、ワイヤレスサービス、消費財、ガス・電気、家電、損害保険、固定回線(ケーブルテレビ・衛星テレビを除く)、ヘルスケア、ホテル・宿泊、生命保険、ケーブルテレビ・衛星テレビです。調査は2015年8月から9月にかけて実施されました。

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[アクセンチュア]
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