「強まる医師の患者志向」実態調査(開業医を中心とした医師対象) 

2016年05月11日
QLifeは「治療法決定コミュニケーション」について、開業医を中心とした医師250人にインターネット調査を実施した。

アドヒアランス(患者の主体的な服薬遵守)を重視して、治療方針の決定に患者側の意向を採り入れる医師は多い。「治療法決定コミュニケーション」の実態を確かめるべく、開業医を中心とした医師250人にインターネット調査を実施した。

調査の結果、多くの医師は「患者の声」を強く重視しており、わずか「1人」の患者の声でも、他の患者に広範に反映する様子が明らかになった。また、治療内容に関する患者の本音を積極的に「聞きたい」とする医師が多数派であった。
一方で、患者側の医薬知識の増加も実感しており、具体的な薬剤名を挙げて処方薬をリクエストする患者も増えている。さらに処方薬がOTCでも発売されて患者の身近な存在になると、その薬の処方を増やしたり減らす医師が4割弱に及ぶことがわかった。

1)「1人の患者の声」が、他の患者の治療方針にも大きく影響
6割の医師は、「1人の患者」からでも具体的要望を耳にすると、それ以降の患者との会話を変える。3割は、同一疾患に限らず全ての症例に反映すると回答した。

2)治療内容に関する患者の本音を「聞きたい」
7割の医師は、治療内容に関する患者の本音を「聞きたい」と回答した。

3)患者からの治療内容に関する要望は「増えている」
3割の医師は、患者が治療内容に具体的な要望を言うことが「増えた」とした。逆に「減った」と回答した医師はほとんどいない。要望の内容は、「治療必要性や見通しの詳細説明」「効果・副作用の詳細説明」「ジェネリックへの変更」「長期処方」の4つが多い。

4)患者からの医薬品「指名」希望が「増えている」
医師の4人に1人は、患者が薬剤名を挙げて処方薬を希望することが「増えた」と感じている。

5)「患者が希望するから」を理由に、処方選択したことが「ある」
医師の3人に2人は、「薬剤名を挙げて処方を希望」された場合に「患者が希望したから」を最大の理由として、その処方薬を選択したことがある。優先する希望内容は、「他施設の処方を継続」「テレビ・新聞・ネット情報の影響」「先発品/ジェネリックを希望」「剤形の希望」が多い。

6)患者の薬剤知識は「増えている」
6割の医師が、医薬品名に関する患者知識が「増えた」と回答した。

7)スイッチOTC化で、処方を「増やす」医師2割、「減らす」医師も2割
自分の処方薬がOTCでも発売され、患者に身近な存在になった場合に、その薬の処方に積極的になる医師と消極的になる医師はそれぞれ2割弱である。


【調査概要】
調査主体:株式会社QLife(キューライフ)
調査対象:診療所の理事長・院長・副院長・勤務医
有効回収数:250人
調査方法:インターネット調査
調査時期:2015/8/11 ~2015/8/18

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[QLife]
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