小中学生の情報モラルに関する調査 

2016年05月18日
カスペルスキーと国立大学法人静岡大学は、児童と生徒のインターネット利用状況ならびに情報モラル全般(モラル、セキュリティ、法)の知識レベルを測定する「情報モラル診断サービス」に関する調査結果を発表します。本サービスは、検定結果を元に教員が実情に沿った指導を行うことを目的に、両者が共同で開発・展開しています。

本調査の結果、インターネットの利用頻度が高いほど情報モラル全般の知識が多いこと、小学生は情報モラル全般において知識の個人差が大きく、特に「セキュリティ」に関する知識に大きな差があることなどが明らかになりました。

また、都道府県別では、小学生は佐賀県、茨城県、中学生は栃木県、沖縄県、岡山県は、「セキュリティ」に関する知識の個人差が小さく、上位を占めました。上記の県は、文部科学省が昨年10月に発表した「平成26年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」においても「情報モラルなどを指導する能力」で上位となっています。

こうした知識の差を少なくするためにも、早い時期からインターネットセキュリティに関する教育が必要と言えます。

【主な調査結果】

■ 小学生の14.5%、中学生の26.8%が平日に平均3時間以上インターネットを利用

情報モラル診断サービスを受検した小学生の14.5%、中学生の26.8%が平日に平均3時間以上インターネットを利用していることがわかりました。また、小学生の74.1%、中学生の69.3%がインターネットの利用について家庭のルールがあり、インターネットを利用している小学生の62.2%、中学生の61.1%がフィルタリングを利用していると回答しました。

■ 小学生、中学生とも「法」に関する知識は少ない

受検者全体の調査項目別の正答率は、「モラル」の74.9%(30点中、22.5点)、「セキュリティ」の77.5%(同、23.3点)に対して、「法」は48.3%(同、14.5点)と大幅に低い結果となりました。「法」における正答率は小学生が39.7%(同、11.9点)、中学生が49.3%(同、14.8点)と、ほかの項目よりも小学生と中学生で知識の差がみられました。

■ インターネット利用頻度が高いグループは、低いグループよりも情報モラル全般に関する知識が多い

平日に平均3時間以上インターネットを利用しているグループと3時間未満のグループの情報モラル全般に関する知識を比較すると、前者の平均点が70.3点だったのに対し、後者は62.2点でした。特に、中学生の「モラル」に関する知識においては、前者の正答率が92.0%(27.6点)だったのに対し、3時間未満の群では75.0%(22.5点)と、知識に差があることが明らかになりました。

■ 中学生よりも小学生のほうが情報モラルに関する知識に個人差がある

データのばらつきを表す標準偏差は、小学生の総得点で19.1に対し中学生は14.9と、中学生よりも小学生のほうが情報モラル全般に関する知識に個人差がありました。特に、小学生の「セキュリティ」に関する知識は標準偏差は8.0と、中学生の6.0に比べて差が大きく、こうした知識の差を少なくするためにも小学校段階からセキュリティに関する教育が必要と言えます。

■ 都道府県別では、小学生と中学生ともに「セキュリティ」の知識は、文部科学省の調査結果と同じ傾向がみられる

都道府県別では、小学生は佐賀県、茨城県、中学生は栃木県、沖縄県、岡山県と、文部科学省が昨年10月に発表した「平成26年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」において「教員のICT活用指導力の状況 -情報モラルなどを指導する能力」が高い都道府県が、同調査結果においても「セキュリティ」に関する標準偏差値が小さく、知識の個人差が少ない結果となりました。


【調査概要】
「情報モラル診断サービス」
・対象期間: 2015年5月から2016年3月
・サンプル数:計125校4543人(小学校 37校477人、中学校 88校4066人)
・概要:検定形式で児童・生徒が4ジャンル(インターネット利用状況、モラル、セキュリティ、法)からランダムに出題された25問に回答。
・得点配分:インターネット利用状況 10点、情報モラル全般(モラル 30点、セキュリティ 30点、法 30点)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[カスペルスキー]
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