食事療法『減塩』についてアンケート調査(腎臓病・透析患者対象) 

2016年06月01日
ペイシェントフッドは、腎臓病・透析患者を対象に食事療法『減塩』についてアンケート調査を行いました。

【調査概要】

腎臓病・透析患者の治療の一つに食事療法があります。
食事療法の目的は病状の進行を遅らせたり、体調を良好に保つなどの効果がありますが、病気の段階を問わず重要なのは「減塩」 です。「減塩」 は一般的にも広くその重要性が広がってきていますが、腎臓への負担軽減や高血圧を防ぐなどの重要な役割を果たします。加えて透析患者は日常的な水分管理が必要なため、医師や栄養士から減塩指導されることも多いのですが、医療者の目の届かない日常の食事は、患者の自己管理に委ねられます。
そこで、腎臓病・透析患者に共通している「減塩」をテーマに、患者自身が行う食事療法への取り組み方を調査し、現状の問題点等を検討するため、アンケートを実施しました。

調査方法:WEBアンケート
調査エリア:全国
調査対象:腎臓病・透析患者・腎移植者 男女 年齢不問
調査期間:2016年5月2日~5月9日
有効回答数:78名(内透析患者68名:87.2%)

【調査結果】

(1)あなたは減塩対策をしていますか(n=78)
    はい   83.3%
    いいえ  16.7%

平成26年調査の「日本人の食塩摂取量の平均値」は10.0g(厚生労働省 国民健康・栄養調査結果)。1日あたりの食塩摂取量目標値は男性8g、女性7gとされていますが( 日本人の食事摂取基準 2015年版)、腎臓病・透析患者はさらにそれを下回る6g未満が望ましいとされています。健康な方の半分近い塩分量にする必要があるため、ほとんどの方が減塩対策を行っていることがアンケート結果からもわかります。

(2)減塩対策で困っていることはありますか (n=78)
    はい   74.4%
    いいえ  25.6%

(3)減塩対策で困っている理由はなんですか (n=58:複数回答)
    減塩商品が割高           50.0%
    購入先が限られている        27.6%
    食品に塩分量表示がない(ナトリウム)  44.8%
    外食先に減塩メニューがない     60.3%
    その他               12.1%

病状の進行や体調不良を防ぐためにも腎臓病・透析患者にとって減塩対策は必須ですが、患者の74.4%、7割以上が減塩対策に対する悩みを抱えていました。
その理由としては「外食先の減塩メニューがない」 が60.3%と最多。患者が行っている減塩対策の記述回答では「ラーメン店ではスープを飲まない」という意見が多く見られます。スープや具材、店舗によっても差はあるものの、ラーメンの塩分量は醤油や味噌ラーメンでだいたい10g前後(スープ含)。インスタントラーメンでも5~6gあり、スープも飲み干すとたった1食で1日分以上の塩分量を摂取することになります。それでも患者にとっては減塩対策を講じてでも食べたい食品の筆頭に上がるようです。
また、日常的な減塩で薄味に慣れてしまい「味が濃いので極力外食はしない」など、生活スタイルに影響するほどの減塩対策を行っている患者も多く、外食にまつわる苦悩が窺える結果となりました。

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