『年収別の離職理由』に関する調査(30~40代の会社員の男女対象) 

2016年06月15日
リブセンスは、転職口コミサイト「転職会議」にて、『年収別の離職理由』に関する調査を行いました。

<調査データ>
調査対象:30~40代の会社員の男女(全国)
調査期間:2016年3月22日~23日/マクロミル
サンプル数:184人、複数回答可

国税庁の「民間給与実態統計調査」(2015年11月発表)によると、2014年の給与所得者数の平均年収は415万円。この数字をもとに、  、30~40代の会社員の男女184名を対象に離職理由を調査しました。この結果、離職理由の上位には、年収に関わらず「人間関係」や「待遇」が入ったものの、その傾向には違いが見られました。

平均年収層の過半数が「人間関係」に不満

離職理由の1位は、平均年収層・高年収層ともに「人間関係」がランクインしましたが、その割合は、平均年収層が過半数となる52%であったのに対し、高年収層では34%に留まりました。さらに内訳を見てみると、平均年収層では上司と同僚に対しほぼ同程度の不満を抱いていましたが、高年収層では上司への不満を挙げる傾向がやや高く見られました。

また、「待遇(給与、福利厚生)」については、平均年収層(2位・37%)・高年収層(同率1位・34%)で大きな差は見られませんでした。

一方、「労働時間・環境(残業、休みのとりやすさ)」では、平均年収層が3位・33%と4位以下の回答と比べ高かったのに対し、高年収層は26%に留まり、「キャリア/スキルアップ」や「会社の経営方針・経営状況」と同率の結果になりました。

高年収層はキャリア/スキルや裁量の向上、会社の将来性を重視

離職理由の4位(同率3位)以下では、平均年収層と高年収層で大きな違いが見られました。高年収層では、同率3位に「キャリアアップ・スキルアップをはかるため」(26%)、「会社の経営方針・経営状況が変化」(26%)がランクインしたのに対し、平均年収層では各々7位・15%、8位・11%に留まる結果となりました。また、「裁量・権限を得るため」も高年収層では比較的高い傾向が見られました。

これらの結果から、平均年収層は、現状の人間関係や待遇、労働状況を改善したいという理由で離職を決断する方が多いのに比べ、高年収層は、現状だけではなく中長期的な視点で自身のキャリア/スキルや裁量の向上、会社の将来性を考え離職する方が多いということがわかりました。


次に、年収の多少に関わらず離職理由の1位となった「人間関係」について、実際に転職会議へ投稿された口コミを基に分析しました。

<調査データ>
調査対象:30~40代で年収400万円以上の男女(全国)
調査期間: 2016年1月〜4月/転職会議
調査方法:「退職理由」カテゴリに書き込みのあった1,199口コミをテキストマイニングにより分析

今年1月~4月に、30~40代で年収400万円以上の男女が「転職会議」の「退職理由」カテゴリへ投稿した口コミ1,199件を分析し、人間関係について具体的にどのような悩みを持っているのかを調査しました。

年収別に差が出たのは「上司の評価」と「トップダウン」

退職理由カテゴリに投稿された「人間関係」への不満に関する口コミについて、具体的な内容を調べたところ、年収に関わらず1位が「パワハラ・ノルマがきつい」、2位が「上司による評価への不満」となりました。中でも、「上司による評価への不満」は平均年収層で高かったのに対し、「トップダウンであること」は高年収層で高いというように、年収別に差が出ました。

■「上司による評価への不満」に関する口コミ(一部抜粋)

<平均年収層>
・出世するかしないかは、上司との相性次第である。営業結果ではなく、飲み会大好きです!自分大好きです!という社員が出世する傾向にある。(30代、派遣コーディネーター、女性)
・数字や成果を求められる仕事ではないので、全て上司へのアピール次第で評価などが決まります。上司に気に入られなければ何をしても評価につながりません。(40代、管理系事務職、男性)
・評価対象者である上司に対するアピールや、仕事やってます!パフォーマンスが上手な人の評価が高いので、地味にコツコツ派の人は不向き。(30代、商品企画、女性)
・上司に好かれない限り、何年働いても給料を増やしてもらうこともなければ、重要なポジションも与えられない。(30代、広告・宣伝、男性)

<高年収層>
・日頃から上司とコミュニケーションをとっておき、自分がやっている業務の内容を理解しておいてもらわないと良い評価は勝ち取れない。だが、逆に根回しをしっかりしておけば成果がいまいちであっても良い評価がとれる。(30代、研究・開発、男性)
・最初は先輩がきっちりついてくれてアドバイスしてくれるので、そこで人間関係をつくれば、そのあとの会社生活はうまくいくと思う。あとは自分自身でいろいろ勉強しながら知識をつけていける。(30代、品質管理、男性)

平均年収層では、評価は上司に気に入られるかどうか次第、というニュアンスの口コミが目立ち、評価に対する不公平感への不満が見て取れます。一方、高年収層では、同様の不満や悩みを持ちつつも、評価を高めるためにどう立ち回るかなど、人間関係構築の必要性を感じて努力している、という印象がありました。

高年収層のモチベーションは裁量の有無

「トップダウンであること」への不満は、高年収層の口コミ内容に特に多く見られました。

■「トップダウンであること」に関する口コミ(一部抜粋)

<高年収層>
・基本的に業務はトップダウンで、会社が決めた戦略を遂行することに重きを置かれます。しかしながら、戦略がお粗末なため現場がいつも振り回されます。(30代、法人営業、男性)
・ボトムアップ型の自由闊達な風土で働きがいのある本当に良い会社であったが、数年前から企業方針を変えたように思う。成果・効率を第一にトップダウン型の企業になってしまった。短期間での成果ばかりを求め、新規開発をするような風土はもうない。実際に量産に直結しない研究部門は縮小方向。リスクのないシステム買いが拡大傾向のように思う。(40代、制御設計、男性)

高年収層の離職理由として「裁量/権限を得るため」が目立っていたことからもわかるように、トップダウン方式によって自身の裁量が小さいと、モチベーションが上がらず、やりがいを求めて転職を決意する傾向があるようです。

■ まとめ ■
<平均年収層の特徴>
・現状の人間関係や待遇、労働状況の改善を求めて離職する傾向がある
・人間関係については、上司による不公平な評価への不満が高い
<高年収層の特徴>
・現状だけではなく中長期的な視点で、自身のキャリア/スキルや裁量の向上、会社の将来性を考え離職する傾向がある
・人間関係構築の必要性を感じ、コミュニケーション面で努力する傾向がある

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