日本能率協会総合研究所は、過去、夏・冬に実施した『スキンケアニーズ総合調査』を分析いたしました。本調査は、女性の肌ニーズ・基礎化粧品の使用実態を総合的に捉える総合的な調査です。得られた分析結果のうち、冬とは異なる夏に特徴的な肌ニーズ、スキンケア実態を中心にご報告いたします。

【調査結果サマリー】

・8割が「紫外線」を意識、化粧品・日傘・帽子でUVケア。暑い夏は、UV対策のためと引きこもる人が増加中。

・「保湿」「肌の老化」ニーズ8割以上。高保湿化粧品で「保湿」対策、アンチエイジング化粧品に頼らない「肌の老化」対策。

・「夏でも保湿ケア」「肌の老化防止に保湿」は過半数に定着。30代で高まる“夏こそ乾燥対策”、美白・毛穴対策も意識し保湿。

・夏の肌の悩みは、10代~30代中心に“毛穴・脂系””増加、40代・50代「しみ・そばかす」、60代「ほうれい線」が高ニーズ。

・“洗う”スキンケア “毛穴・脂系””ニーズの高い夏場に多く使用、“与える”スキンケアは夏場に使用者減少傾向。

・夏にニーズ高く使用頻度の高い“洗う”スキンケアは、低価格も高価格も冬より増えて二極化が進行。


【調査結果サマリー】

8割が「紫外線」を意識、化粧品・日傘・帽子でUVケア。暑い夏は、UV対策のためと引きこもる人が増加中。

夏本番を迎え、紫外線が気になる季節となりました。
「紫外線」を気にしているか聞いたところ、「非常に気にしている」が39%、「やや気にしている」が47%となり、合わせると86%に達します。年代別にみても、紫外線を気にしている人は10代~60代で8割台と、ほとんど差がありませんでした。
次いで、日焼けや紫外線防止(UVケア)のために、どのようなことを行っているのか聞いたところ、一番多かったのは「UVケア(紫外線防止用)化粧品を利用」という回答で72%、次いで「日傘を利用」が6割、「帽子を着用」が4割半と続きます。日焼け止め(サンスクリーン)、ファンデーション、化粧下地などの化粧品を使ってのUVケアに加え、日傘・帽子を利用して物理的にケアすることも一般的です。
また、「なるべく屋外に出ないようにする」と答えた人が3割に達し、12年夏の調査と比較すると10ポイント以上増加していたのが目立ちました。暑い夏は、UV対策も兼ねて、涼しいエアコンの効いた室内で過ごす人が増えているのかも知れません。

「保湿」「肌の老化」ニーズ8割以上。高保湿化粧品で「保湿」対策、アンチエイジング化粧品に頼らない「肌の老化」対策。

「美白」「保湿」「肌の老化」についても、同様に気にしているかを聞きました。「非常に気にしている」人は、「保湿」「肌の老化」が3割強、「やや気にしている」を合わせると、「保湿」が86%と最も高く、「肌の老化」81%、「美白」が67%でした。
年代別にみると、「美白」を気にしている人は、10代で8割を超えて最も高く、60代の5割強まで年とともに減少します。「保湿」は、60代で9割と最も高いのですが、それほど年代差がありません。「肌の老化」は、60代で9割を超えて最も高く、30~50代で8割台ですが、20代では6割半、10代では4割を下回り、若年ほど気にしていないようです。
気にしている人が最も多かった「保湿」ニーズについて、保湿効果の高い化粧品を使っているか聞いたところ、何らかの「高保湿化粧品」を使用している人が8割で、最も多いのが「化粧水」でした。一方、8割が気にしている「肌の老化」については、何らかの「アンチエイジング化粧品」を使っている人は4割に過ぎず、「美白化粧品」を使っている人の方が5割以上で多いという結果でした。

「夏でも保湿ケア」「肌の老化防止に保湿」は過半数に定着。30代で高まる“夏こそ乾燥対策”、美白・毛穴対策も意識し保湿。

「高保湿化粧品」を使っている人に、乾燥ケアの意識や考えを聞きました。
「夏でも保湿ケアは大切」と意識している人は54%と、半数を超えています。年代別にみると、60代・30代では約6割と意識が高いようです。「夏でもエアコンなどで肌が乾燥する」という回答は43%ですが、30代では5割と一番強く意識されていました。「夏でも日焼けなどで肌が乾燥する」という回答は33%で、30代・40代で目立っています。“夏こそ乾燥対策”という意識は、最も30代で高まっているようです。
「肌の老化防止には保湿が大切」と意識する人は52%と、半数を超えています。年代別には60代で7割弱と、特に意識されていました。「保湿」は「肌の老化」ニーズと最も関連が深いと考えられます。
一方、「美白のためには保湿が大切」「毛穴ケアには保湿が大切」は2割台でしたが、いずれも20代~40代で3割を超えて30代で最も高く、「美白」「毛穴ケア」と保湿を結びつける意識も、最も30代で高いようです。

夏の肌の悩みは、10代~30代中心に“毛穴・脂系””増加、40代・50代「しみ・そばかす」、60代「ほうれい線」が高ニーズ。

39項目の肌悩みを選択肢に挙げ、夏の肌で気になることを聞きました。年代別に夏冬を比較すると、夏と冬では肌悩みが大きく異なります。
10代は「ニキビ・吹き出物」が7割弱、次いで「毛穴の黒ずみ」「脂っぽい・てかり」が5割以上でした。ベスト5は全て“ニキビ”を含んだ“毛穴・脂系“の悩みで、冬よりも多く、冬に2位だった「唇の荒れ」が夏ではランク外と少なくなります。
20代は「ニキビ・吹き出物」「毛穴が目立つ」「毛穴の黒ずみ」が4割台と”毛穴“ニーズ中心、「脂っぽい・てかり」が冬よりも13ポイント多いのが目立ちます。
30代は「毛穴が目立つ」「しみ・そばかす」「毛穴の黒ずみ」が4割台で、「脂っぽい・てかり」が冬よりも15ポイント多いのが目立ちます。一方、冬で2位の「唇の荒れ」が夏ではランク外でした。
40代は「しみ・そばかす」が5割を超え、「ほうれい線」以下を大きく引き離します。
50代は「しみ・そばかす」が1位となり5割強、冬で1位の「ほうれい線」と逆転します。
60代は「ほうれい線」が6割弱に達し、2位の「肌のたるみ」とともに、冬よりも増加します。
女性の夏の肌の悩みをみると、夏は上位に毛穴、皮脂、汗といった“毛穴・脂系””の悩みが目立ちます。冬と比較して、10代~30代では“毛穴・脂系””、40代・50代では「しみ・そばかす」、60代では「ほうれい線」へのニーズが強くなるようです。

“洗う”スキンケア “毛穴・脂系””ニーズの高い夏場に多く使用、“与える”スキンケアは夏場に使用者減少傾向。

スキンケア化粧品5アイテムについて、使用頻度を聞きました。
「クレンジング用」スキンケア化粧品の使用頻度は、「1日1回程度」が55%、1日1回以上使用している人が3人に2人でした。夏の方が冬よりも使用頻度が高いという結果です。
「洗顔用」スキンケア化粧品は、「1日2回以上」が51%と半数を超え、1日1回以上使用している人は9割弱に達します。「1日2回以上」使用している人は夏の方が冬よりも多く、この5つのスキンケア化粧品の中では使用している人が最も高いアイテムでした。
化粧水などの「水分補給用」スキンケア化粧品は、「1日2回以上」が64%に上り、1日1回以上使用している人は4人に3人でした。冬の方が夏よりも使用頻度が高いという結果です。
乳液・クリームなどの「栄養分補給用」スキンケア化粧品は、「1日2回以上」が38%、一方「使用していない」人が37%と冬よりも10ポイント高く、全体的に冬の方が夏よりも使用頻度が高いという結果です。
美容液・パックなどの「スペシャルケア」スキンケア化粧品を1種類以上使用している人は、65%と3人に2人でした。使用している人は冬の方が夏よりも多く上がりました。
「洗顔用」「クレンジング用」の“洗う”スキンケア化粧品は、“毛穴・脂系””ニーズの高い夏場により多く使用されますが、逆に、「水分補給用」「栄養分補給用」「スペシャルケア」の“与える”スキンケア化粧品は、夏場に少なくなるという傾向です。

夏にニーズ高く使用頻度の高い“洗う”スキンケアは、低価格も高価格も冬より増えて二極化が進行。

スキンケア化粧品5アイテムについて、1個当たりの購入単価を聞きました。
「クレンジング用」スキンケア化粧品の購入単価は、1000円未満の低価格帯と、1000円~4000円未満の中価格帯がともに4割強で拮抗しています。夏の方が冬よりも低価格帯が増加しますが、一方4000円以上の高価格帯も14%と夏の方が冬よりも多く、平均単価は200円弱増加しています。
「洗顔用」スキンケア化粧品は、低価格帯が半数以上を占め、この5つのスキンケア化粧品の中では購入単価が最も低いアイテムでした。一方、高価格帯は夏の方が冬より多くなります。
化粧水などの「水分補給用」スキンケア化粧品は、1000円~4000円未満の中価格帯が50%と半数を占め、低価格帯・高価格帯ともに4人に1人でした。
乳液・クリームなどの「栄養分補給用」スキンケア化粧品は、中価格帯が43%、高価格帯も3人に1人以上と平均単価も上がります。
美容液・パックなどの「スペシャルケア用」スキンケア化粧品は、高価格帯が35%と、の5つのスキンケア化粧品の中では購入単価が最も高いアイテムでした。
「洗顔用」「クレンジング用」の“洗う”スキンケア化粧品は、使用頻度の高くなる夏場に低価格のものを使用する人が冬より増加すると同時に、高価格のものを使用する人も増えます。「水分補給用」「栄養分補給用」「スペシャルケア」の“与える”スキンケア化粧品は、夏冬の差は少なく、平均単価が“洗う”スキンケアより高いという傾向です。


【調査概要】
調査タイトル:『15夏 スキンケアニーズ総合調査』
調査対象:首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)および近畿圏(大阪・兵庫)の15~69歳の女性
調査方法:日本能率協会総合研究所「モニターリサーチ・システム」を利用したインターネット調査
有効回収数:2,000人
調査実施日:2015年8月6日(木)~8月12日(水)
※『15冬 スキンケアニーズ総合調査』:2014年12月18日(木)~24日(水)に調査実施

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[日本能率協会総合研究所]
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